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奪われる頭脳よみがえる悪夢
167・夢から覚めてもそこは仮想空間
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真由美に恐ろしい事を告白された瞬間、愛莉の意識は別の空間にあった。さっきの夢は何なの? そう考えていた愛莉であったが、さっきよりも鮮やかな色彩の空間の中にいた。明るい太陽、青い空に海、熱帯性の樹木に花。それは南国のリゾートのようだった。愛莉は行った事はなかったが。
「ここは・・・仮想空間? でも、なんでガイノイドのままなの?」
愛莉は周囲を見渡したが、どうも電脳同士がコミュニケーションをとる仮想空間に間違いなかった。でも、誰の趣味なのよ、これって? そう思っていると淳司の姿が出現した。
「すまない! クライアントの都合がつかなかったので、意識をシャットアウトさせてもらった。どう、気分は?」淳司は悪びれもせず、チャラいリゾートパッションを纏っていた。
「よくありません! なんだか悪夢を見てました・・・でも、内容が思い出せないわ」愛莉は電脳も同じことが起きるんだと思った。電脳にされても人間の時と変わらないと。夢を覚えていないのは。
「良い夢だったらよかったのにね」
「そうです! それよりもクライアントはこの空間に来るのですか?」
「来るよ。色々と忙しくてね。本当は明日の火曜日に直接会えるけど、込み入った話が出来ないからお願いした。向こうも望んでいただいたし」
「そうなんだあ・・・でも、なんでガイノイドのままなのよ!」
愛莉は不満だった。仮想空間はアバターモードに出来るので別の恰好をすることが出来るはずなのにと。もっとも、いつも何故か高校時代の制服姿なので、それも嫌だった。
「ごめん、ごめん。どんなのが良いの?」
「なんでもいいわよ、愛莉の姿なら。でも、制服姿はなしよ! なんで、制服姿なのよ、私は大学生なのに!」
「不満だったんだ、制服姿って・・・制服姿は最近の愛莉ちゃんの情報がアクセス出来なくて再現できなかったんだ。じゃあ、この雰囲気に合わせて・・・水着じゃだめ?」
「駄目よ! 絶対! 海水浴にも行った事ないのよ! クライアントって男でしょ! いやらしい!」
「ごめんよ、じゃあこれでどう?」
そういうと、愛莉はガイノイドからサマードレスを纏った姿になったけど、なぜか・・・
「水着よりもましだけど、まるで中学生じゃないのよ! いくら若い方が良いといっても、おかしいじゃないのよ。もうすぐ20歳なのよ! センスないわね!」
「そんなにプンプンするなよ。ちょっとまて・・・クライアントがログインするそうだ。この空間に来るそうだ」
淳司がそう言うと、向こうの方からスーツを着た初老の男が歩いてきた。その顔には酷い傷があって眼光が鋭かったが、見たことがあった。
「紹介するよ。こちらの方が俺のクライアントにして、闇の司法部長官である・・・」
愛莉は驚くしかなかった。紹介されたのはニュースで見たことがあったから・・・
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愛莉は周囲を見渡したが、どうも電脳同士がコミュニケーションをとる仮想空間に間違いなかった。でも、誰の趣味なのよ、これって? そう思っていると淳司の姿が出現した。
「すまない! クライアントの都合がつかなかったので、意識をシャットアウトさせてもらった。どう、気分は?」淳司は悪びれもせず、チャラいリゾートパッションを纏っていた。
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「ごめんよ、じゃあこれでどう?」
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「そんなにプンプンするなよ。ちょっとまて・・・クライアントがログインするそうだ。この空間に来るそうだ」
淳司がそう言うと、向こうの方からスーツを着た初老の男が歩いてきた。その顔には酷い傷があって眼光が鋭かったが、見たことがあった。
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