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奪われる頭脳よみがえる悪夢
166・愛莉と真由美
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愛莉が真由美に出会ったのは中学2年の時だった。両親が死亡した愛莉は保護施設に入ったが、自立するために学費生活費無料の特待生として中高一貫の全寮制の女子校に入学した。母が天涯孤独で親戚がおらず、父の親戚も西日本大震災と悲劇の13日の後遺症で生活に余裕がなかったことも理由であった。
そこでの愛莉は浮い存在だった。イジメられることはなかったが、周囲は裕福な家庭の子女ばかりであった。同級生に友人がいないわけではなかったが、それほど仲がいいわけでもなかった。特に長期に学校が休校になる期間は、寮にずっといるのは辛かった。
二年になって新入生のお世話をする慣習があったので、担当になったのが真由美だった。それ以来ずっと本物の姉妹のように仲良くしていた。
「電脳ってどういう意味? そんな素振りはなかったじゃない・・・」愛莉は真由美の手を取った。その手は温かかった。「悲劇の13日」よりも前、第三次世界大戦前に世界各地でナノマシーンで改造された機械化兵士が出現していたが、その改造用のナノマシーンに感染してしまうケースがあった。その影響で意図せず電脳になった生徒が在籍していたことがあり、その生徒の手は冷たかった・・・
「私はね、事故で母と両足の機能を失ったといっていたでしょ。でも、本当は私の・・・このボディの持ち主だった真由美は脳に強度のダメージがあってほぼ脳死状態になったのよ。それで生体維持装置を使っていたけど、別の人間の・・・電脳化されたものを移植したわけよ」
「移植?」
「でも移植するまえに人格を書き換えたわけ。お姉ちゃんだって全身拘束刑を受けた時に愛莉としての人格を封じられたでしょ、同じようにしたわけ」
「書き換え? それじゃあ真由美ちゃんって?」
「もともと、別の人間なのよ。でも、高度に改造されてしまったので、電脳だけしか存在しなかったわ。お姉ちゃんも見たと思うよ、それを」
愛莉は思い出そうとしたが、思いつくのはひとつしかなかった。丹下教授の研究室に送られてきた電脳だ!
「まさか・・・真由美ちゃんは?」
「正確に言えば、その電脳を生身の人間に接続できるように改造したから、同一というわけではないわ。そのとき、元の真由美と同じ10歳の少女の意識に上書きされたわ。おかげで忌々しい悪魔のエキゾチックブレインのパーツから解放されたわ」
「解放? まさか・・・真由美ちゃんって・・・」
「そう、私は元は麗華の三姉妹の末の妹よ!」
それを聞いた愛莉は思わず膝をついてしまった。
そこでの愛莉は浮い存在だった。イジメられることはなかったが、周囲は裕福な家庭の子女ばかりであった。同級生に友人がいないわけではなかったが、それほど仲がいいわけでもなかった。特に長期に学校が休校になる期間は、寮にずっといるのは辛かった。
二年になって新入生のお世話をする慣習があったので、担当になったのが真由美だった。それ以来ずっと本物の姉妹のように仲良くしていた。
「電脳ってどういう意味? そんな素振りはなかったじゃない・・・」愛莉は真由美の手を取った。その手は温かかった。「悲劇の13日」よりも前、第三次世界大戦前に世界各地でナノマシーンで改造された機械化兵士が出現していたが、その改造用のナノマシーンに感染してしまうケースがあった。その影響で意図せず電脳になった生徒が在籍していたことがあり、その生徒の手は冷たかった・・・
「私はね、事故で母と両足の機能を失ったといっていたでしょ。でも、本当は私の・・・このボディの持ち主だった真由美は脳に強度のダメージがあってほぼ脳死状態になったのよ。それで生体維持装置を使っていたけど、別の人間の・・・電脳化されたものを移植したわけよ」
「移植?」
「でも移植するまえに人格を書き換えたわけ。お姉ちゃんだって全身拘束刑を受けた時に愛莉としての人格を封じられたでしょ、同じようにしたわけ」
「書き換え? それじゃあ真由美ちゃんって?」
「もともと、別の人間なのよ。でも、高度に改造されてしまったので、電脳だけしか存在しなかったわ。お姉ちゃんも見たと思うよ、それを」
愛莉は思い出そうとしたが、思いつくのはひとつしかなかった。丹下教授の研究室に送られてきた電脳だ!
「まさか・・・真由美ちゃんは?」
「正確に言えば、その電脳を生身の人間に接続できるように改造したから、同一というわけではないわ。そのとき、元の真由美と同じ10歳の少女の意識に上書きされたわ。おかげで忌々しい悪魔のエキゾチックブレインのパーツから解放されたわ」
「解放? まさか・・・真由美ちゃんって・・・」
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