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奪われる頭脳よみがえる悪夢
169・首相と全身拘束刑の女(2)
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グレートベイシティとは、ホンコンとマカオとを結ぶ橋の周囲にメガフロートなどによって形成された地域で、悲劇の13日のあとの世界的混乱で生じた難民を収容するための都市だった。混乱が収束した現在も五千万人前後が生活する地球上一の巨大都市になっていた。
「なんで、そうする必要があるのですか?」
愛莉は拒否したかった。でも、拒否したら元の姿に戻してもらえないかもしれなかった。そうなったら一生ロボットのまま・・・真由美にも会えない、それだけは避けたかった・・・
「それはな、君を嵌めた奴に罰をあたえるためさ。そうだろう、やられっぱなしも嫌だろ」
杠はニヤリとしながらいった。愛莉はなんとなくゾクゾクしたが、それは恐怖なのか何なのかわからなかった。
「そうですが・・・危険ではありませんか、それ?」
「危険か・・・まあ、何事もリスクというものはあるさ。でも、成功する可能性が全くないわけじゃないから大丈夫さ。それに、君の妹分の安養寺真由美さんに今後危険な目に遭わないために必要なのさ」
「真由美!? なぜ彼女の事を知っているのよ!」
おもわず立ち上がった愛莉はテーブルの上の空になったグラスを倒してしまった。
「真由美さんとは昔から知っている。彼女の父上と私は古くからの知り合いで。だから君の事は彼女から聞いていたのさ。学校でよくしてもらえるお姉さんみたいだと。君だって早く再会したいだろ?」
「そうですが・・・本当に大丈夫ですか? 大丈夫なら引き受けますよ。はやく真由美に人間として会いたいから」
「大丈夫さ! 私だって危険な事はしないさ。それよりも、こっちも飲んでよ」
仮想空間なので、倒れたグラスがいつの間にか中身が満たされ、隣には好物のチーズケーキが置かれていた。それを愛莉が食べると、意識が遠のいでいった。次の瞬間、現実世界に戻された。
「首相、それでいいのですか? 意識を改変する事は簡単なのに」
仮想空間から意識が戻った淳司はモニターに映る杠に尋ねていた。
「いいさ。とりあえず、そのガイノイドを側近モードに改造する手はずを。麗華に一緒に行ったサポートロボのサユリが大破したことにしているから、代わりの側近ロボとしてねじ込めるから」
サユリは廉価版のガイノイドなので壊れた事にしたのだ。本当は修理可能であったが。
「それにしても、首相らしくないですな。目的の為なら人命の犠牲も場合によっては厭わないのに」
そういっていた淳司の目の前に杠が現われた。わざわざ、やってきたわけだ。
「首相! わざわざここまで来なくても!」
「淳司君、どうしても来たかったんだ。はやく、ここに」
「なぜ、こだわるのですか、彼女にそこまで」
杠はガイノイド姿のままの愛莉を目の前にしてつぶやいた。
「この娘は私の唯一の孫だから・・・」
その言葉に淳司は衝撃を受けたが、疑問の一部が解消した。
「なんで、そうする必要があるのですか?」
愛莉は拒否したかった。でも、拒否したら元の姿に戻してもらえないかもしれなかった。そうなったら一生ロボットのまま・・・真由美にも会えない、それだけは避けたかった・・・
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杠はニヤリとしながらいった。愛莉はなんとなくゾクゾクしたが、それは恐怖なのか何なのかわからなかった。
「そうですが・・・危険ではありませんか、それ?」
「危険か・・・まあ、何事もリスクというものはあるさ。でも、成功する可能性が全くないわけじゃないから大丈夫さ。それに、君の妹分の安養寺真由美さんに今後危険な目に遭わないために必要なのさ」
「真由美!? なぜ彼女の事を知っているのよ!」
おもわず立ち上がった愛莉はテーブルの上の空になったグラスを倒してしまった。
「真由美さんとは昔から知っている。彼女の父上と私は古くからの知り合いで。だから君の事は彼女から聞いていたのさ。学校でよくしてもらえるお姉さんみたいだと。君だって早く再会したいだろ?」
「そうですが・・・本当に大丈夫ですか? 大丈夫なら引き受けますよ。はやく真由美に人間として会いたいから」
「大丈夫さ! 私だって危険な事はしないさ。それよりも、こっちも飲んでよ」
仮想空間なので、倒れたグラスがいつの間にか中身が満たされ、隣には好物のチーズケーキが置かれていた。それを愛莉が食べると、意識が遠のいでいった。次の瞬間、現実世界に戻された。
「首相、それでいいのですか? 意識を改変する事は簡単なのに」
仮想空間から意識が戻った淳司はモニターに映る杠に尋ねていた。
「いいさ。とりあえず、そのガイノイドを側近モードに改造する手はずを。麗華に一緒に行ったサポートロボのサユリが大破したことにしているから、代わりの側近ロボとしてねじ込めるから」
サユリは廉価版のガイノイドなので壊れた事にしたのだ。本当は修理可能であったが。
「それにしても、首相らしくないですな。目的の為なら人命の犠牲も場合によっては厭わないのに」
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「なぜ、こだわるのですか、彼女にそこまで」
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