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奪われる頭脳よみがえる悪夢
172・杠の誤算(2)
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少し前、杠は麗華でエキゾチックブレインにすり替えられていた電脳にアクセスして気を失ったが、原因は膨大な情報量の処理に耐えられなかった。おかげでまだ不調が続いていた。
また秘書ロボのシオリの予備デバイスに膨大な情報量をキープさせたが、動作プログラムが毀損してしまったおかげでシオリは使用不能になった。そのかわり代替としてアイリを秘書ロボにすることに成功した。
「神谷くんには伝達しているね」
杠は松林官房長官にたずねていた。彼女が率いていた政党は敗北していたので、杠選挙内閣の終了で退任は決定事項であった。
「はい、問題なく! でも、同行すれば彼の方に報道陣が集まります。政府専用機の本務機を使う必要があると現場がいっていますよ」
神谷慎吾国土安全長官。彼が次期首相であり内閣のメンバーでもっとも「連中」に繋がっている閣僚だった。その男が首相になるのは危険であるのは間違いなかった。でも、それは杠が率いている秘密機関がわざと泳がしていた結果なので仕方なかった。
2020年代の極右勢力と結びついていた保守政権よりかは可愛いものであった。問題は向こうは恐らく「闇の司法部」の黒幕という杠の正体に気づいているかもしれなかった。もし知っていたら何をするかは想定内のはずだった。
「そうか、彼にとっては外交デビューだな。それはそれは」
「お気軽ですね、引退した後は何されるんですか?」
「そうだな、引っ越しでもするか、君も来ないか?」
「冗談はやめてください! 私は議員を続けます! それよりも、どうして首相が行くのですか、ホンコンに!」
「しかたないだろう、向こうの要請なんだから」
杠はそういったが、全ては自分が仕組んだことであった。自作自演といったところであった。全ては連中との最終決戦を誘発するために。
「それにしても、あの問題はどうなっているのですか、麗華で起きたテロ事件に・・・防衛省機密漏洩事件は? 官房長官の私なのに蚊帳の外だなんて!」
「それだが・・・次期首相であれば打ち明けるつもりだったが・・・ホンコンから戻ったら教えてあげるから勘弁してくれ!」
「なんですって? 隠れてコソコソやるなんて? 一体何やっているのですか杠さん!」
「それはすまないと思うが・・・もう少し時間を、そういう約束だったはずだ」
杠は連中との対決を前に、必要以上に真相を松林に教えていなかった。全ては政府にも秘密にするために。実際、愛梨が冤罪なのに全身拘束刑を受けたのも司法長官などが連中の協力者だった。だから信頼出来なかった。
「そうでしたね。実は杠さんが何をやっているか聞きました。神谷長官から」
「神谷くんが? そうか、やはり」
「でも、協力は最小限しか出来ませんわ。そうでしょ」
「そうだな」
杠は想定内であったが、内閣のメンバーの何人かが自分がやろうとしていることを知っていたとわかった。後は妨害されなければ問題ないはずだった。
また秘書ロボのシオリの予備デバイスに膨大な情報量をキープさせたが、動作プログラムが毀損してしまったおかげでシオリは使用不能になった。そのかわり代替としてアイリを秘書ロボにすることに成功した。
「神谷くんには伝達しているね」
杠は松林官房長官にたずねていた。彼女が率いていた政党は敗北していたので、杠選挙内閣の終了で退任は決定事項であった。
「はい、問題なく! でも、同行すれば彼の方に報道陣が集まります。政府専用機の本務機を使う必要があると現場がいっていますよ」
神谷慎吾国土安全長官。彼が次期首相であり内閣のメンバーでもっとも「連中」に繋がっている閣僚だった。その男が首相になるのは危険であるのは間違いなかった。でも、それは杠が率いている秘密機関がわざと泳がしていた結果なので仕方なかった。
2020年代の極右勢力と結びついていた保守政権よりかは可愛いものであった。問題は向こうは恐らく「闇の司法部」の黒幕という杠の正体に気づいているかもしれなかった。もし知っていたら何をするかは想定内のはずだった。
「そうか、彼にとっては外交デビューだな。それはそれは」
「お気軽ですね、引退した後は何されるんですか?」
「そうだな、引っ越しでもするか、君も来ないか?」
「冗談はやめてください! 私は議員を続けます! それよりも、どうして首相が行くのですか、ホンコンに!」
「しかたないだろう、向こうの要請なんだから」
杠はそういったが、全ては自分が仕組んだことであった。自作自演といったところであった。全ては連中との最終決戦を誘発するために。
「それにしても、あの問題はどうなっているのですか、麗華で起きたテロ事件に・・・防衛省機密漏洩事件は? 官房長官の私なのに蚊帳の外だなんて!」
「それだが・・・次期首相であれば打ち明けるつもりだったが・・・ホンコンから戻ったら教えてあげるから勘弁してくれ!」
「なんですって? 隠れてコソコソやるなんて? 一体何やっているのですか杠さん!」
「それはすまないと思うが・・・もう少し時間を、そういう約束だったはずだ」
杠は連中との対決を前に、必要以上に真相を松林に教えていなかった。全ては政府にも秘密にするために。実際、愛梨が冤罪なのに全身拘束刑を受けたのも司法長官などが連中の協力者だった。だから信頼出来なかった。
「そうでしたね。実は杠さんが何をやっているか聞きました。神谷長官から」
「神谷くんが? そうか、やはり」
「でも、協力は最小限しか出来ませんわ。そうでしょ」
「そうだな」
杠は想定内であったが、内閣のメンバーの何人かが自分がやろうとしていることを知っていたとわかった。後は妨害されなければ問題ないはずだった。
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