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奪われる頭脳よみがえる悪夢
174・もう一人の愛梨(1)
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帝央大学で爆発が起きる3日前に話は戻る。ガイノイド・エリーこと全身拘束刑を受けたアイリ(山川愛梨)が淳司と脱出した頃、理工学部の研究ラボで稼働しているガイノイドがいた。それがガイノイド・アイリだった。
その機体は愛梨本人だと思い込ませるため、電脳化された愛梨のデータをほぼダウンロードされていた。ただ、人間の記憶は電脳化された時にある程度欠損すると言われているし、潜在意識も完全には難しいと言われている。そのため、基本的には生態脳の部分も残される場合があった。だから、愛梨の自我が完全に喪失しなかったのはそのためだった。
ただ、アイリの自我のコピーは本来は膨大な時間がかかるので、ある程度読み込みができたものを随時転送していた。それで、二体のデータ接続をこっそり行っていたし、危険なのを承知で「本物の」愛梨を理工学部に連れていったのは、可能な限りコピーをダミー機体に送るためだった。
「問題ありません」
ガイノイド・アイリの人工音声がラボの一室に響いていた。そこにはエキゾチックブレインに接続された彼女がいた。
「それは、それは」
研究員たちは安堵していた。自我を「解放」したことで反逆しなかったことに。少し前まで天才的な頭脳を持つ女子学生だった事を知っていた。眼の前の全身拘束刑を受け機械体になった者が山川愛梨だと信じていた。
「それにしても、アイリ。君は霊魂というものを信じるか?」
ある研究員は問いかけた。あまりにもやることがなかったので退屈だったから。
「霊魂ですか・・・そうですね、電脳化されたらどうなるのでしょうね? 霊魂は? もしかすると・・・どうなるでしょうか? 全身拘束刑を受けた時に別な者に私はなったかもしれませんね」
そう人工音声を発する電脳を持つ機体は自分が山川愛梨の成れの果てだと信じ込んでいた。
その機体は愛梨本人だと思い込ませるため、電脳化された愛梨のデータをほぼダウンロードされていた。ただ、人間の記憶は電脳化された時にある程度欠損すると言われているし、潜在意識も完全には難しいと言われている。そのため、基本的には生態脳の部分も残される場合があった。だから、愛梨の自我が完全に喪失しなかったのはそのためだった。
ただ、アイリの自我のコピーは本来は膨大な時間がかかるので、ある程度読み込みができたものを随時転送していた。それで、二体のデータ接続をこっそり行っていたし、危険なのを承知で「本物の」愛梨を理工学部に連れていったのは、可能な限りコピーをダミー機体に送るためだった。
「問題ありません」
ガイノイド・アイリの人工音声がラボの一室に響いていた。そこにはエキゾチックブレインに接続された彼女がいた。
「それは、それは」
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そう人工音声を発する電脳を持つ機体は自分が山川愛梨の成れの果てだと信じ込んでいた。
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