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第伍章:神殿にて
126.登山口
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「まだ、眠たいのに歩かなきゃいけないのよ? 神殿にみんなが行っている間、眠らせてもらえないかな」
ルンファは瞼をこすりながら言っていたが、実は一晩中アサミとタクヤをガン見していたので寝不足になっていたのだ。一緒のシートで横になっていたので、若い二人が一緒の床で何をするのかを観察していた。もっとも、何も起きなかったので期待外れであったが。
「何を言っているんだサル娘! お前さんはこの中で最も若いんだから、それしき大丈夫だろ!」
ファビューは顎髭をさすりながら地図を食い入るように見ていた。一行はチィアム山の神殿への登山口に立っていた。目の前にあるティアム山は文字通り断崖絶壁で遥か頭上にそびえたつビルのようだった。しかも峰が複雑に絡み合っているかのような地形だったので、どのように登っていくのか麓では見当もつかない状況だった。
「ファビューさん、わたしに地図を見せてくださいな」
そう断ってアサミが地図を見ていたが、みるみる表情が変わった。その顔はこれって本当に地図なの? といった感情が表れていた。
「ネコ耳娘・・・いや、アサミよ。その地図ってわしが見てもよくわからないんだ。一応、標識を見落とさないと行けるとは書かれているけど、ジグザグしたり回ってみたりとしていて訳が分からないのよ」
「でも、おじさんは行った事があるんだろ? なんでわからないのですか」
タクヤも話に割って入ってきたが、アサミが見ていた地図を見ると、難しい顔をしていた。
「それはなあ、途中で救助されたからよ。あとは救助用の大鷲の籠にのせられて神殿に行ったからな。それに帰るときは別の商人のキャラバンの後ろをついていったから覚えていないんだ」
ファビューはそういったが、後でわかったことだけど、彼は地図を読み込むのが苦手で、いままで何度も道に迷って遭難したことがあったのだという。
「みんな、とりあえず地図によれば急な斜面を行ったり来たりしながら登っていくみたいだから、気を付けていかないといけないという事らしい。だから頑張ろうな」
タクヤの言葉にようやく出発したが、ルンファは相変わらず大きなアクビを連発していた。
そんな会話をしていた一行であるが、少し後ろに行商人らしき人物が大きな荷物を背負っていた。しかし自然なようで不自然であった。
ルンファは瞼をこすりながら言っていたが、実は一晩中アサミとタクヤをガン見していたので寝不足になっていたのだ。一緒のシートで横になっていたので、若い二人が一緒の床で何をするのかを観察していた。もっとも、何も起きなかったので期待外れであったが。
「何を言っているんだサル娘! お前さんはこの中で最も若いんだから、それしき大丈夫だろ!」
ファビューは顎髭をさすりながら地図を食い入るように見ていた。一行はチィアム山の神殿への登山口に立っていた。目の前にあるティアム山は文字通り断崖絶壁で遥か頭上にそびえたつビルのようだった。しかも峰が複雑に絡み合っているかのような地形だったので、どのように登っていくのか麓では見当もつかない状況だった。
「ファビューさん、わたしに地図を見せてくださいな」
そう断ってアサミが地図を見ていたが、みるみる表情が変わった。その顔はこれって本当に地図なの? といった感情が表れていた。
「ネコ耳娘・・・いや、アサミよ。その地図ってわしが見てもよくわからないんだ。一応、標識を見落とさないと行けるとは書かれているけど、ジグザグしたり回ってみたりとしていて訳が分からないのよ」
「でも、おじさんは行った事があるんだろ? なんでわからないのですか」
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「それはなあ、途中で救助されたからよ。あとは救助用の大鷲の籠にのせられて神殿に行ったからな。それに帰るときは別の商人のキャラバンの後ろをついていったから覚えていないんだ」
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「みんな、とりあえず地図によれば急な斜面を行ったり来たりしながら登っていくみたいだから、気を付けていかないといけないという事らしい。だから頑張ろうな」
タクヤの言葉にようやく出発したが、ルンファは相変わらず大きなアクビを連発していた。
そんな会話をしていた一行であるが、少し後ろに行商人らしき人物が大きな荷物を背負っていた。しかし自然なようで不自然であった。
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