74 / 166
第参章:この世界で二人生きていくためには
073.古道具屋
しおりを挟む
「ヴァリよ、そこの若い二人にでも仕留めてもらったんか? こんな若い龍狼獣の爪なんか手に入らんだろ? お前さんがもう百歳若ければ出来たかも知れんけどさ」
「いいや、ヴェルス街道で死んでいたやつから貰ってきたんだよ。たしかにアレは異常だったな。あんなふうにヤツが死んでいるのを見たこと初めてだったよ」
「そうか、やっぱあんたのことだから、拾ってきたんかよ。まあ、いいさ。これぐらいでどうか?」
そういって主人はヴァリラディスの手に数字らしいものをなぞっていた。するとヴァリラディスは少し困惑したように、嘆くようにいった。
「たった、これっぽちかを? 昔は牙一本でデナケル銀貨一枚で買い取っていたのに、三本で銀貨一枚にならないだと? どうなっているんだ!」
「しかたないさ。最近龍狼獣の牙が大量に出回っているから価格が下がっているんだよ!」
そういって古道具屋の主人はそういっていた。
龍狼獣はこの世界で最も獰猛な生物のひとつで、龍のように細長い体と狼のように毛が生えた鋭い足を持っていた。そこに生えている牙や爪は幸運をもたらすとして重宝され、結構高値で取引されていたはずだが、価格が暴落しているというのだ。
「おい、親父。それってどういうことなんだ? 三年前に買ってもらった時よりも半値以下というのはどういうことなんだ? だれか大量に市場に流したというのかよ!」
ヴァリラディスは少し興奮気味だった。どうも何かを買いたいから売ろうとしたのにアテが外れた為のようだった。
「わるいな、ヴァリ。あんたも言っていたでしょ、街道で死んでいたと。原因は知らんが各地で龍狼獣が何者かに殺害される事態が多発しているようだ。だから、いままで寿命で死んだ個体からしか牙や爪を採集できなかったのが、いまは割と手軽に採集できるわけよ。すまんがその買取価格で我慢してくれ!」
そう古道具屋の親父にいわれヴァリラディスは納得はいっていないようだったが、しぶしぶ応じていた。そのあと、一行は埃を被った店内を物色していた。そこには小さな小道具から大きな道具箱に入ったミニまであった。
「おじさん、何をさがしておられるのですか?」
アサミは耳に纏わりつく埃を振り払いながら聞いてみたところ、意外な言葉が返ってきた。
「きみら二人に魔道士らしい物を贈ってあげようと思っているんじゃよ!」
「いいや、ヴェルス街道で死んでいたやつから貰ってきたんだよ。たしかにアレは異常だったな。あんなふうにヤツが死んでいるのを見たこと初めてだったよ」
「そうか、やっぱあんたのことだから、拾ってきたんかよ。まあ、いいさ。これぐらいでどうか?」
そういって主人はヴァリラディスの手に数字らしいものをなぞっていた。するとヴァリラディスは少し困惑したように、嘆くようにいった。
「たった、これっぽちかを? 昔は牙一本でデナケル銀貨一枚で買い取っていたのに、三本で銀貨一枚にならないだと? どうなっているんだ!」
「しかたないさ。最近龍狼獣の牙が大量に出回っているから価格が下がっているんだよ!」
そういって古道具屋の主人はそういっていた。
龍狼獣はこの世界で最も獰猛な生物のひとつで、龍のように細長い体と狼のように毛が生えた鋭い足を持っていた。そこに生えている牙や爪は幸運をもたらすとして重宝され、結構高値で取引されていたはずだが、価格が暴落しているというのだ。
「おい、親父。それってどういうことなんだ? 三年前に買ってもらった時よりも半値以下というのはどういうことなんだ? だれか大量に市場に流したというのかよ!」
ヴァリラディスは少し興奮気味だった。どうも何かを買いたいから売ろうとしたのにアテが外れた為のようだった。
「わるいな、ヴァリ。あんたも言っていたでしょ、街道で死んでいたと。原因は知らんが各地で龍狼獣が何者かに殺害される事態が多発しているようだ。だから、いままで寿命で死んだ個体からしか牙や爪を採集できなかったのが、いまは割と手軽に採集できるわけよ。すまんがその買取価格で我慢してくれ!」
そう古道具屋の親父にいわれヴァリラディスは納得はいっていないようだったが、しぶしぶ応じていた。そのあと、一行は埃を被った店内を物色していた。そこには小さな小道具から大きな道具箱に入ったミニまであった。
「おじさん、何をさがしておられるのですか?」
アサミは耳に纏わりつく埃を振り払いながら聞いてみたところ、意外な言葉が返ってきた。
「きみら二人に魔道士らしい物を贈ってあげようと思っているんじゃよ!」
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
俺のレベルが常人では到達不可の領域にある件について ~全ユーザーレベル上限999の中俺だけレベル100億いった~
仮実谷 望
ファンタジー
ダンジョンが当たり前のようにある世界になって3年の月日が流れてずっとダンジョンに入りたいと願っていた青年が自宅にダンジョンが出現する。自宅の押し入れにダンジョンが出現する中、冷静に青年はダンジョンを攻略する。そして自分だけがレベル上限を突破してレベルが無尽蔵に上がり続けてしまう。そうしていづれは最強への探索者として覚醒する青年なのであった。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─
石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」
貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。
「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」
かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。
ときどき舞い込んでくるトラブル。
慌ててミーナを探しているルカ。
果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。
甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。
*サイトより転載になります。
【新作】1分で読める! SFショートショート
Grisly
ファンタジー
❤️⭐️感想お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐️忘れずに!コメントお待ちしております。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる