元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝:Re

ジャン・幸田

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第参章:この世界で二人生きていくためには

073.古道具屋

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 「ヴァリよ、そこの若い二人にでも仕留めてもらったんか? こんな若い龍狼獣の爪なんか手に入らんだろ? お前さんがもう百歳若ければ出来たかも知れんけどさ」

  「いいや、ヴェルス街道で死んでいたやつから貰ってきたんだよ。たしかにアレは異常だったな。あんなふうにヤツが死んでいるのを見たこと初めてだったよ」

  「そうか、やっぱあんたのことだから、拾ってきたんかよ。まあ、いいさ。これぐらいでどうか?」

  そういって主人はヴァリラディスの手に数字らしいものをなぞっていた。するとヴァリラディスは少し困惑したように、嘆くようにいった。

  「たった、これっぽちかを? 昔は牙一本でデナケル銀貨一枚で買い取っていたのに、三本で銀貨一枚にならないだと? どうなっているんだ!」

  「しかたないさ。最近龍狼獣の牙が大量に出回っているから価格が下がっているんだよ!」 
そういって古道具屋の主人はそういっていた。

  龍狼獣はこの世界で最も獰猛な生物のひとつで、龍のように細長い体と狼のように毛が生えた鋭い足を持っていた。そこに生えている牙や爪は幸運をもたらすとして重宝され、結構高値で取引されていたはずだが、価格が暴落しているというのだ。

  「おい、親父。それってどういうことなんだ? 三年前に買ってもらった時よりも半値以下というのはどういうことなんだ? だれか大量に市場に流したというのかよ!」

  ヴァリラディスは少し興奮気味だった。どうも何かを買いたいから売ろうとしたのにアテが外れた為のようだった。

  「わるいな、ヴァリ。あんたも言っていたでしょ、街道で死んでいたと。原因は知らんが各地で龍狼獣が何者かに殺害される事態が多発しているようだ。だから、いままで寿命で死んだ個体からしか牙や爪を採集できなかったのが、いまは割と手軽に採集できるわけよ。すまんがその買取価格で我慢してくれ!」

  そう古道具屋の親父にいわれヴァリラディスは納得はいっていないようだったが、しぶしぶ応じていた。そのあと、一行は埃を被った店内を物色していた。そこには小さな小道具から大きな道具箱に入ったミニまであった。

  「おじさん、何をさがしておられるのですか?」
  アサミは耳に纏わりつく埃を振り払いながら聞いてみたところ、意外な言葉が返ってきた。

  「きみら二人に魔道士らしい物を贈ってあげようと思っているんじゃよ!」
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