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第参章:この世界で二人生きていくためには
074.地下室
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「おじさん、ありがとうございます。それにしても基本的な質問なのかもしれませんが、魔道士ってどんな仕事なんですか?」
アサミはそのように質問したけど、それはタクヤも聞きたい事だった。イメージとしては超能力や魔法が使えたりするのかなと思っていたけど、自分たちにそんな能力あったのかな?
「魔道士はな、この世界で起きる色々な事に対処する職業だ。探検や捜索、護衛に妖魔退治、なかには紛争の傭兵もあるなあ。もっとも、全て魔道士に登録した者にしか出来ないけど」
「そんなに色々な仕事があるのですか。でも、それって政府がやってくれないのですか」
「政府? ああ、お上もそんなに色々な能力を持った人を雇っておけないから、必要な時に派遣魔道士を頼むわけさ。そうだろう、役所が探検家を雇ったりしている暇があるなら、そのぶん別の事に使うほうがいいだろう。そうでなきゃ、わしの商売も上がったりだ!」
そういいながなヴァリラディスは棚に置かれた箱の説明書きを読みながら物色していた。それにしても、何を探しているのだろうか。そうしていると店の奥から古道具屋の主人以上に腰が曲がった老婆が出てきた。しかし、その老婆は異様な姿だった。アサミと似たネコ娘もといネコ老婆だったからだ。
「なんじゃい、ヴァリのおっさんかよ! それにしても今日はキャック族の娘を連れてきたのかよ。もしよければ胴衣を譲ってやってもいいぞ!」
そういってネコ老婆は奥の部屋へと案内してくれた。
ネコ耳娘がアサミであれば、目の前にいるのはネコ耳老婆であった。彼女のネコ耳は白い毛でボサボサとしてだらしなく、尻尾の毛もボロボロの箒ほうきのように抜けかかったような感じだった。そのようなネコを見たことがあったと思っていたら、永川家で飼っていたデブネコの「アリス」のような雰囲気だった。まあ、アリスもこの世界に転生したわけはなかったが。
「あんたたち、魔道士になるわけなの? まあ他の世界から召喚されたんでしょ。そんなら生きていくには一番良い手段だよそれは。わしも若い頃は魔道士で活躍していたけど、この世界の中を自由に行き来できるし報酬も結構もらえるし。
それなら譲ってやってもいいぞ、わしの魔道士時代の道具をまあ御代はそれなりに頂くけど」
そういってネコ耳老婆は床を叩き始めた。すると床板が跳ね上がり地下室に通じる階段が見えてきた。
「これはなあ、破局戦争以前の遺跡に通じる階段なのさ。この宿場町自体も昔は軍事施設だったようなんだけど、いまは食料の備蓄倉庫ぐらいしか利用価値はないけどさ」
そういわれ中を見ると理由は判った。かつて猛烈な熱でも受けたかのように溶解してしまった痕跡があったからだ。どうも熱線兵器が使われ中にいた人も物も一瞬にして高温に晒され消え去ったらしかった。
「まあ、すべるから気をつけて頂戴。ここは上にあるものよりも貴重なものを陳列しているんじゃよ。本当は常連さんしか入らせないけど、ヴァリさんの連れだから選ばせてあげるさ」
アサミはそのように質問したけど、それはタクヤも聞きたい事だった。イメージとしては超能力や魔法が使えたりするのかなと思っていたけど、自分たちにそんな能力あったのかな?
「魔道士はな、この世界で起きる色々な事に対処する職業だ。探検や捜索、護衛に妖魔退治、なかには紛争の傭兵もあるなあ。もっとも、全て魔道士に登録した者にしか出来ないけど」
「そんなに色々な仕事があるのですか。でも、それって政府がやってくれないのですか」
「政府? ああ、お上もそんなに色々な能力を持った人を雇っておけないから、必要な時に派遣魔道士を頼むわけさ。そうだろう、役所が探検家を雇ったりしている暇があるなら、そのぶん別の事に使うほうがいいだろう。そうでなきゃ、わしの商売も上がったりだ!」
そういいながなヴァリラディスは棚に置かれた箱の説明書きを読みながら物色していた。それにしても、何を探しているのだろうか。そうしていると店の奥から古道具屋の主人以上に腰が曲がった老婆が出てきた。しかし、その老婆は異様な姿だった。アサミと似たネコ娘もといネコ老婆だったからだ。
「なんじゃい、ヴァリのおっさんかよ! それにしても今日はキャック族の娘を連れてきたのかよ。もしよければ胴衣を譲ってやってもいいぞ!」
そういってネコ老婆は奥の部屋へと案内してくれた。
ネコ耳娘がアサミであれば、目の前にいるのはネコ耳老婆であった。彼女のネコ耳は白い毛でボサボサとしてだらしなく、尻尾の毛もボロボロの箒ほうきのように抜けかかったような感じだった。そのようなネコを見たことがあったと思っていたら、永川家で飼っていたデブネコの「アリス」のような雰囲気だった。まあ、アリスもこの世界に転生したわけはなかったが。
「あんたたち、魔道士になるわけなの? まあ他の世界から召喚されたんでしょ。そんなら生きていくには一番良い手段だよそれは。わしも若い頃は魔道士で活躍していたけど、この世界の中を自由に行き来できるし報酬も結構もらえるし。
それなら譲ってやってもいいぞ、わしの魔道士時代の道具をまあ御代はそれなりに頂くけど」
そういってネコ耳老婆は床を叩き始めた。すると床板が跳ね上がり地下室に通じる階段が見えてきた。
「これはなあ、破局戦争以前の遺跡に通じる階段なのさ。この宿場町自体も昔は軍事施設だったようなんだけど、いまは食料の備蓄倉庫ぐらいしか利用価値はないけどさ」
そういわれ中を見ると理由は判った。かつて猛烈な熱でも受けたかのように溶解してしまった痕跡があったからだ。どうも熱線兵器が使われ中にいた人も物も一瞬にして高温に晒され消え去ったらしかった。
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