朝起きたら・・・横にいたのはなんだったんだろう? 女戦士アシャンに振り回される日々が始まった!

ジャン・幸田

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アシャンの部屋探し!

(12)一人暮らし用なんだよ、ここは!

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 「僕」の住むアパートは「福寿荘」というところで、築70年以上の木造二階で部屋数は20部屋あった。部屋は六畳一間に水回りだけ、トイレ共同風呂なしで家賃二万円だった。しかも都心に行くには電車で三十分で最寄り駅まで5分というロケーションだった。その分マイナス面は多くあって北向き斜面の谷底にあって、周囲の丘の上には高層マンションが立ち並んでいた。だから日当たりが悪く湿っぽい環境だった。しかも住民は・・・まあ全部言っても直接関係ないからこのへんでやめておこう。

 「僕」の目の前には大家の千代丸甚五郎実篤さんがいた。名前のように厳つい老人で、いつも何故か柔道着を着ている人だった。その人が恐ろしい顔をしていた。アシャンと「僕」がイチャツイテいたように思っているのだろうか?

 「お前さんよ! ここは一人暮らし用なんだよ! ここにいるのは独居老人ばかりなんだ! しかもペットは小鳥までといっているだろうが!
 それなのに、なんだよ! 若いからといったって昼間っからそんな舶来物か洋行帰りか知らないがそんなペッピンさんとオマンコしていたんかよ! ホンマにどうなっておるんかよ? おまけにネコがいるじゃないか? 前に五号室の五日市さんがネコに餌付けしたとして問題になったどろうが? それなのに・・・」

 そういって大家さんは一旦自宅に戻っていった。どうも大家さんの逆鱗に触れたらしい。若い女とネコ、アシャンとヨニムであるけど、そんなのがいたのがいけなかったらしい。そんなことを考えているというのにアシャンは「僕」の身体を探っていた!

 「あなたは童貞なのか? こんなに良い素材をしているというのにねえ。この世界の女という女は何故気付かなかったんかな? 結構使えるのに」

 アシャンは下腹部をまさぐっていた。こういうとタダの痴女のだけのようかもしれないけど、実はこの時料理に使う魚の品定めのような事をしていたんだという。要は女戦士に必要な男かどうかという訳だ。

 「結構使えるって何にですか?」

 「決まっているじゃないのよ! 私がこの世界で目的を果たすためによ! 主従の関係になったんだから充分に働いてもらうわよ。その前に、いろいろやってもらう事はあるけどね」

 アシャンが何か企んでいるような笑みを浮かべていたけど、それさえも「僕」にとっては無くてはならないモノになりつつあることが分かった。その時ヨニムが突っ込んできた。

 「アシャン、この男ケイジは自分の能力を全く気付いていないから、早めに開発してやらないといけないですぞ。ほら鉄は熱いうちに打て! というじゃないですか」

 「そうねえ、この男ケイジというんですか。たしかにそうねえ、この人童貞だから伸びしろいっぱいあるそうね」

 そんなふうにアシャンとヨニムは言っていたけど、童貞をどう開発すれば役に立つのかさっぱりわからなかった。でも、なんか下心がくすぐられるような気がした。アシャンと「僕」がエッチをするんだと思うとなぜか心というか下腹部が熱くなっていた。

 しかし・・・経験豊富なアシャンにリードされてエッチをするというのは・・・なんとなく気が引けてしまった。それって・・・良い事なんだろうか?

 そんなことを考えていたら大家さんが戻ってきた。その手には一枚の紙が握りしめていた。それはこの部屋の契約書だった!

 「お前さんには悪いが、この部屋から出て行ってもらうぞ! 理由は契約書のここの条文だ! よく読め!」

 この部屋を出ていけだなんて、あんまりだよ! 大家さん!
 
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