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(3)機ぐるみ着せられた!

わたしに触らないでよ

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 私の叫びにロボットのようになった92号は、命令に従うだけであった。だがマスターと呼ばれる男はモニターを見ながらなにやら作業をしながら、瑠璃花ににやけた表情を向けていた。

 「波瀬瑠璃花さん。もうすぐ君も彼女みたいなナンバーだけで呼ばれるロボット女になるんだから、そんなに泣き叫ぶことはないぞ。彼女はいま幸せなんだから」

 「なにいっているんだよ! こんな機械にされて幸福と思う人間なんているわけないじゃないのよ!」

 「ほう、じゃあ92号に感想を話してもらおう」

 そうやって、マスターと呼ばれる男はリモコンを操作すると、彼女はしゃべりはじめた。

 「私、92号にされるまで嫌だと思っていましたけど、このスーツに入っていると、とっても気持ちいいんです。それこそ、このまま一生入っていたいと思うくらいに。あなたも入ってみれば解りますよ」
  というものだった。

  彼女はすでに、心までロボットになってしまっていた。機ぐるみを着せられた瞬間、自らの意志を奪われ、自我を無くしてしまっていたのだ。きっと言わされているのに違いない、そう洗脳されているんだと。

 92号はわたしの腕を掴むと、なにやら注射してわたしの身体の自由を奪い、無理矢理わたしの服を脱がし始めた!

 「わたしに触らないでよ! あんたとおなじロボットになんかなりたくないわよ。はなしてちょうだいよ」

 「瑠璃花さん。あなたはもうすぐ47号になるのですよ。そうしたらわたしと同じロボットになるから嬉しいですわ。はやく、このスーツの気持ちよさを体感してもらいたいわ」

 92号によってわたしは下着姿にされてしまった。わたしは男も知らない少女だというのに、人でなし男とブリキの女の前に恥ずかしい思いをしながら横たわっていた。

 「これから、あなたにスーツを着せてあげますわ。それはとってもエクスタシーを感じますわよ。だから、あなたも早く」

 92号はわたしの身体をそうやって撫で回し始めた。彼女の硬質だけど温かい手に愛撫されてわたしは良からぬ淫らな感覚に目覚めてしまいつつあった・・・
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