【SF短編集】機械娘たちの憂鬱

ジャン・幸田

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国民の義務として機械化兵士にされる少女

前編

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 21世紀のある年、19歳になった美樹は召集場所と指示された施設の前にいた。そこは地球連邦政府傘下の軍の施設だった。美樹は召集令状によって兵役につくために。

 兵役は国民の義務であるが、良心的兵役拒否も可能で介護職など別の職務につくことができるし、ある程度の希望も反映してもらえるはずだった。しかし、美樹はなんら希望願を出さなかったので、身体検査の後で決定されたのは機械化兵士への改造だった。

 改造、といっても身体を切り刻んで機械の身体になるのではなく、機械の服の中に適応化することであった。ようは機械の中に閉じ込められることである。実は機械化兵士は希望するのはロボットフェチが多く、本当の適応者は希望しないことも多いので美樹は選ばれてしまった。

 こんなことなら、後方支援部隊見習いでも希望すればよかったのにと後悔したが後の祭りだった。こうして、美樹は初級機械化兵士に改造されるためにここに来た。

 「えーと、君はフリーターなのか?」

 「いえ、大学受験に落ちてしまって親から家を追い出されて今は親戚の家に居候しています」

 「とりあえず改造するが、とりあえず8週間はそんままね。それと適応がないと判断したら早期退役措置とするからね」

 担当の女性将校(機械化将校)の面接の後、ボックス席でモニターで機械化兵士の改造方法について座学をしたけど、一層憂鬱になった。ハダカになったうえで機械に覆われてしまうなんて!

美樹は着ていたものを全て脱いでから「機械化子宮」と呼ばれるカプセルに入った。そこで一連の改造をするという。カプセルに入ると女性型ロボットに太ももと膝の部分に輪っかのようなものでガードされた。あとで知ったことであるけど、女性型ロボットの中身も人間だった。

 機械化子宮に入った美樹に四方八方から洗浄用のお湯が噴出してきた。それは気持ちよかったけど、その後されることを思うとさらに憂鬱になった。さっきまでいた女性型ロボットと同じ姿になるのだから・・・

 暖かい空気で乾燥してもらいいい気持ちになっていると、事前の説明のように股間に激痛が走った。機械によって排泄用チューブが挿入されたから。おもわず悲鳴を上げたが拘束用の輪っかが小さくなっていて逃げることができなかった。そして女の子の大事なところにも容赦なく入ってきた! まだヴァージンなのに機械に犯されるなんて!

 「あ、ああん、いや!」

 これって処女喪失の痛みなの? そう思ったけど痛いのやら気持ちいいのかわからない感覚に襲われた美樹の意識は飛びそうだった。そういえば事前に麻酔でもしようかと言われたのはこのことだったと後悔した。美樹は自分で後起きることについて想像する能力が弱かった。
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