機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田

文字の大きさ
3 / 8
第一章・ブラウ誕生

しおりを挟む
 真希は小柄で華奢な体型の少女だった。あまりにも華奢なので病弱なの? なんていわれるのもしばしばだった。でも、今の彼女はメタリックボディに身を固めた戦闘ロボのようだった。もしかすると、機械に改造されたと錯覚しそうだった。

 「まさか・・・改造手術を施したの?」

 「それはないわよ。そんなことをしたらママもパパも捕まってしまうわよ。ちゃんと、元に戻れるわ! でも、一度着用したら十二時間は最低でも脱げないわ。ちなみに最長一週間着用できるわよ!」

 真希の質問に対するママの回答は嬉々としていた。どこの世界に、就寝中の娘をロボット姿にする親が・・・目の前にいた! 狂っているわ絶対に! そう思うしかなかった。

 「それって、今日一日この姿でいないといけないわけ? 折角の日曜日なのに! 買い物に出かけたいのに・・・」

 「出かけたっていいじゃないのよ! 折角のメタリックな衣装を着ているから!」

 ママはそういうけど、どこの世界に・・・ロボットのコスプレで買い物に行く娘がいるというのよ! こんな姿で行ったら警察沙汰になるしかないって!

 「嫌よ! それにしても、寝ている娘をこんな姿にする親がいるのよ! これって何なのよ!」

 真希は泣きたかったが、視界が・・・それにしても、フェイスカバーの下ってどうなっているのか分からなかった。よく考えると、しゃべってはいても、どうもスピーカーから出ている感じだし、口の中になにかマウスピースのようなものを入れられているし、色々と違和感だらけだった。

 「それか? 真希はガーディアンガールズの三号機のブラウだ。ドイツ語で青色というのだ。ちなみにママは初号機のヴァイスだ。カッコいいだろう!」

 パパは明るく言うけど、妻と娘にロボットのコスプレ衣装を作って悦に入っている様だった。

 「そうそう、ガーディアンガールズは五人いるから、あと三体を製造中だ。そうだ、真希よ! お前のお友達でスーツを着たいという娘がいたら紹介してもらえないか?」

 「そんなの・・・出来るわけないわ! 変な趣味を持っていると思われるわ! はずかしいよ!」

 真希は地団太を踏んでいたが、自分がロボットに同化していることに気付き嫌で仕方なかった。そして、そのあと真希いやブラウはヴァイスとともに無理やり連れ出されてしまうのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...