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総長とお嬢様、デートするってよ
オマケ 裏話 総長の恋を見守り隊(*´ω`*)
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【総長のミカゲと、美味しいクッキーをくれたルリアちゃんが二人で遊びに行く】
この情報は粟田からダイキへ、ダイキから眼鏡ことレイメイ、そして【麒麟愚童流】の下部構成員へと一気に拡散された。
そして、緊急集会が開催されたのである。
主催者は、レイメイであった。
「野郎ども!!遂に総長がルリアちゃんとデートするぞーー!!!!」
集会場所は、古びた神社だ。
その神社でレイメイはメガネを曇らせるほどの熱気をまとって、叫んだ。
それに応えたのは、時代錯誤な特攻服に身を包んだ野郎どもである。
おおおおおおーーーーー!!!!!!
雄叫びを上げたあと、野郎どもが口々に漏らす。
「やっとかぁ」
「一歩前進だな」
「ルリアちゃんと手繋ぐかな、総長」
「そりゃ、繋ぐだろ」
「いやいや、キッスするかもしれないぞ」
「マジか!!」
「大人だな、総長!!」
「さすが俺たちの総長だ!!」
このチームは血気盛んだが、なんだかんだ初心な少年たちが多いらしく、そんな小学五年生みたいな会話が交わされる。
そんな彼らにレイメイがさらに叫ぶ。
「しかし、不穏な情報が入った!
なんと、総長への襲撃が他チームにより計画されているらしい!!
総長とルリアちゃんのデートを邪魔するやつは、何がなんでも阻止する!!
人の恋路を邪魔するやつはぁぁぁあ!!??」
レイメイの問に、野郎どもが答える。
バイクでどついて、引き回しの刑じゃあああ!!
かなりうるさくしているが、この神社の周囲にあるのは空き家ばかり。
なので、ご近所迷惑にはならないのが救いだ。
そうでなかったら、とっくに通報されている五月蝿さである。
そんな盛り上がりを見せる集会に、冷静な男が1人。
ミカゲの右腕であり、副総長のダイキである。
「楽しそうだな、レイメイ」
「楽しいですよ!
あの、喧嘩と血に飢えてた、肉食獣みたいたミカゲさんが、ルリアちゃんの前だと、まるで怯えた兎みたいな反応になるんですもん!!」
「そうか。
ところで、襲撃云々は本当なのか?」
そこで、妙なテンションで高揚していたレイメイは、一転スっと真面目な表情になる。
「あの粟田さんからの情報ですよ。
ほぼ確実ですね。
明日、【羅紅鳴勒】と【殲滅連団】がぶつかるってことで、粟田さんだいぶ気が揉めてるみたいです。
なんでも、住んでるアパート近くの廃工場がその舞台になるらしくて、巻き添えくわないか心配してました。
もし万が一巻き添えを喰らったら、両チームのメンバー全員の個人情報が警察に流れ込むようになってるらしいです」
「なるほど」
相変わらず怖い男だなぁ、と思いながらダイキは返した。
「正直、どれくらいの被害が出るか予想が出来ないこと。
なによりも【殲滅連団】のメンバーらしき奴らが、少し前から店の周囲を彷徨いていたらしくて。
これらから、店長の指示もあって、粟田さんは色々調べていたみたいです。
そして、手に入れたのが【殲滅連団】が次に狙うのが、ミカゲさんだったという情報だったらしいです」
そこまで言って、レイメイは気づいた。
いつのまにか、盛り上がっていた他の連中が静まり返っていたのだ。
彼らは、レイメイとダイキの会話に集中している。
丁度いいか、と考えレイメイは続けた。
今度は、そこに集まった連中全員になるべく聞こえるように少し声量を大きくする。
「いえ、ミカゲさんと言うより、次の標的は【麒麟愚童流】に定めている、と言った方が良いでしょう。
まだ、向こうが喧嘩を売ってきてないだけとも言えます」
「…………」
「【殲滅連団】は、かなりタチの悪い相手です。
それこそ、今まで潰してきたチームメンバーの恋人にまで手を出した、なんて話もあるほどです。
そんなチームが、ミカゲさんと親密になりつつあるルリアちゃんになにかしない、とは言いきれないでしょう。
だから、僕たちで当日は二人を守ります」
「ミカゲには言わなくていいのか?」
「言ったら、楽しめなくなるでしょう。
だから、話しません」
集まった面々も、それで納得しているようだ。
そこから先は、当日の配置について等を話し合った。
なにがなんでも、ミカゲとルリアのデートを成功させる。
そんな意気込みから、妙な熱気がある打ち合わせとなったのだった。
翌々日。
【羅紅鳴勒】が壊滅的打撃を受けたという情報が【麒麟愚童流】含めた、様々なチームへ飛び込んできた。
【羅紅鳴勒】の総長、ソウタは重症を負って病院に入院することとなった。
一方、【殲滅連団】の方もそれなりの打撃を受けたのだが、総長は軽傷だったとのことだ。
それでも、【殲滅連団】が活動を再開するにはしばらくの時間が必要になると考えられた。
そのため、ミカゲとルリアのデートに差支えは無いだろうと、この時は思われた。
この情報は粟田からダイキへ、ダイキから眼鏡ことレイメイ、そして【麒麟愚童流】の下部構成員へと一気に拡散された。
そして、緊急集会が開催されたのである。
主催者は、レイメイであった。
「野郎ども!!遂に総長がルリアちゃんとデートするぞーー!!!!」
集会場所は、古びた神社だ。
その神社でレイメイはメガネを曇らせるほどの熱気をまとって、叫んだ。
それに応えたのは、時代錯誤な特攻服に身を包んだ野郎どもである。
おおおおおおーーーーー!!!!!!
雄叫びを上げたあと、野郎どもが口々に漏らす。
「やっとかぁ」
「一歩前進だな」
「ルリアちゃんと手繋ぐかな、総長」
「そりゃ、繋ぐだろ」
「いやいや、キッスするかもしれないぞ」
「マジか!!」
「大人だな、総長!!」
「さすが俺たちの総長だ!!」
このチームは血気盛んだが、なんだかんだ初心な少年たちが多いらしく、そんな小学五年生みたいな会話が交わされる。
そんな彼らにレイメイがさらに叫ぶ。
「しかし、不穏な情報が入った!
なんと、総長への襲撃が他チームにより計画されているらしい!!
総長とルリアちゃんのデートを邪魔するやつは、何がなんでも阻止する!!
人の恋路を邪魔するやつはぁぁぁあ!!??」
レイメイの問に、野郎どもが答える。
バイクでどついて、引き回しの刑じゃあああ!!
かなりうるさくしているが、この神社の周囲にあるのは空き家ばかり。
なので、ご近所迷惑にはならないのが救いだ。
そうでなかったら、とっくに通報されている五月蝿さである。
そんな盛り上がりを見せる集会に、冷静な男が1人。
ミカゲの右腕であり、副総長のダイキである。
「楽しそうだな、レイメイ」
「楽しいですよ!
あの、喧嘩と血に飢えてた、肉食獣みたいたミカゲさんが、ルリアちゃんの前だと、まるで怯えた兎みたいな反応になるんですもん!!」
「そうか。
ところで、襲撃云々は本当なのか?」
そこで、妙なテンションで高揚していたレイメイは、一転スっと真面目な表情になる。
「あの粟田さんからの情報ですよ。
ほぼ確実ですね。
明日、【羅紅鳴勒】と【殲滅連団】がぶつかるってことで、粟田さんだいぶ気が揉めてるみたいです。
なんでも、住んでるアパート近くの廃工場がその舞台になるらしくて、巻き添えくわないか心配してました。
もし万が一巻き添えを喰らったら、両チームのメンバー全員の個人情報が警察に流れ込むようになってるらしいです」
「なるほど」
相変わらず怖い男だなぁ、と思いながらダイキは返した。
「正直、どれくらいの被害が出るか予想が出来ないこと。
なによりも【殲滅連団】のメンバーらしき奴らが、少し前から店の周囲を彷徨いていたらしくて。
これらから、店長の指示もあって、粟田さんは色々調べていたみたいです。
そして、手に入れたのが【殲滅連団】が次に狙うのが、ミカゲさんだったという情報だったらしいです」
そこまで言って、レイメイは気づいた。
いつのまにか、盛り上がっていた他の連中が静まり返っていたのだ。
彼らは、レイメイとダイキの会話に集中している。
丁度いいか、と考えレイメイは続けた。
今度は、そこに集まった連中全員になるべく聞こえるように少し声量を大きくする。
「いえ、ミカゲさんと言うより、次の標的は【麒麟愚童流】に定めている、と言った方が良いでしょう。
まだ、向こうが喧嘩を売ってきてないだけとも言えます」
「…………」
「【殲滅連団】は、かなりタチの悪い相手です。
それこそ、今まで潰してきたチームメンバーの恋人にまで手を出した、なんて話もあるほどです。
そんなチームが、ミカゲさんと親密になりつつあるルリアちゃんになにかしない、とは言いきれないでしょう。
だから、僕たちで当日は二人を守ります」
「ミカゲには言わなくていいのか?」
「言ったら、楽しめなくなるでしょう。
だから、話しません」
集まった面々も、それで納得しているようだ。
そこから先は、当日の配置について等を話し合った。
なにがなんでも、ミカゲとルリアのデートを成功させる。
そんな意気込みから、妙な熱気がある打ち合わせとなったのだった。
翌々日。
【羅紅鳴勒】が壊滅的打撃を受けたという情報が【麒麟愚童流】含めた、様々なチームへ飛び込んできた。
【羅紅鳴勒】の総長、ソウタは重症を負って病院に入院することとなった。
一方、【殲滅連団】の方もそれなりの打撃を受けたのだが、総長は軽傷だったとのことだ。
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