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本編
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「はぁああ!!くらえぇぇぇえい!」
声が裏返り、ありがちな言葉を叫んでいかにも弱そうなオーラを出していたが、この時のユージンは自分の力に酔いしれていた。そう、剣を振っても何も起きなかったのである。
「おいー!ここは必殺技的なあれが出るところだろーが!」
そうを言っている内に悪魔の突進がユージンに直撃した。
「グッ!あっかっ...」
角が腹に突き刺さった、強打からのダメージもあり、呼吸ができなかった。腹部からの出血が絶えない、かなり深く刺さったようだ、本人はただ熱い感覚だけ感じた。
「いってぇよ...刺すとか...バカじゃねーの...?自分に付いてるもんぐらい自分で把握しとけ!!」
悪魔の角に対して随分身勝手に否定している。もはや哀れ以外の言葉は彼に見当たらない。倒れ込むユージンを上から覗き込む悪魔、それを見上げるユージン。絶望的な状況であった、しかし悪魔はあろうことか瀕死状態のユージンや未防備のネロにも手を出さずそのまま飛び去っていってしまった。上でも同じくして二体の悪魔もその場から立ち去っていった。しばらくしてネロは身体の緊張が解けると足の力も一緒に抜けてその場にしゃがみこんだ。
◆◇◆
結局、地下牢に閉じ込められた。
「なんでぇぇええ!?」
「落ち着け全く」
「そ、そうだなって言えるか!!あの鎧着たおっさん達がわざわざ俺らを処刑するとかなんとか物騒な捨て台詞吐いていったんだぞ!?おーい!ここからだせー!」
「なんとかなる、落ち着け。」
「逆になんでそこまで落ち着いていられるの!?恐いよ!?」
天井からしたら恩を仇で返された気分だった。わざわざこの国の王を助けた英雄だと言うのにこの扱いとは。
「しかし、気になるのは...」
「ああ、何故かユージンだけ違う部屋に連れて行かれたって事だ。」
そう、3人は共に仲良く牢に入れてもらったのだが、ユージンだけ部屋が違うのだ。その頃ユージンは何をしているかというと。
◆◇◆
「うおおお!」
あれ?デジャヴ?前にもこんな事あったような…と感じながら隣にゴブリンがいないことを祈り、部屋を見渡した。絵に描いたような部屋だった、中世ヨーロッパ的な絵画やらレースのカーテンやら部屋を眺めていると
コンコン
お決まりのパターンだなと思った。ドアが開き顔を出したのは見慣れた白人美女だった。
「ど、どうも気分はいかがですか?」
「え?えっとあー、腹がちょっと、あれ?あれ?あれあれ?」
初めて会ったときと違った堅苦しい喋り方より気になったそんな事よりユージンが驚いたのは、悪魔に角で突き刺された腹が治っていた。それどころか他の部分も完治していた。不思議だが治ったことに越したことはない。
「あの大丈夫そうです。宇宙人と遭遇してしまった気分ですけど。」
「ウチュウジンというのは聞いたことがないのですが、大丈夫なら安心しました。名乗るのが遅れました、私はネロ・クラディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスと言います」
「おお、長いな…じゃあネロで良いかな?」
「はい、ご自由にお呼びください。」
そこに、ドアからもう1人執事のようながたいの良い男が来た。なにかを小耳にしていた。
「その件は後にしてください。今はこちらで手が離せません」
「あの、どうかしたの?」
「ああ、すみませんこっちは私の専属執事で」
「オットーです。」
深々と頭を下げられたのでこちらも敬意を表した。
「あ、どうも」
「実は、私を暗殺しようとした者達3人をとらえたのですが..」
はい、そのまま煮るなり焼くなり好きにしてやって下さい。と言っておきたかったが、流石にそういう訳にもいかない。仕方なく、すみません俺の連れの者です、と言って解放してもらい一緒に食事までさせてもらってしまった。
「ほんと、なにから何まで申し訳ない。」
「いえ、それはこちらのセリフです。まさかお連れの方だとは」
「全くだ、だから無実だって言っていたのに。なあ菅」
「お前は少し黙っていてほしい。」
「しかし、なんでまたこんな手厚く」
「さっき聞いたあいつ悪魔とかいう奴の話も聞かせてもらえるかな?」
「はい全て話します」
「そして気になっていたんだが、なぜその様な堅苦しい喋り方なのでせう?あなたお姫様でしょ?」
「勇者様には当然の敬意です」
「勇者?俺が?」
「え?お前勇者になったの?おめでと」
「いやいや!「おめでと」じゃないでしょ!?何、勇者って?!いきなり重たい役回りだな!おい!ちょっと冗談でしょう?RPGとかでも勇者とか前線の役をしたことなんてないんだからさ!なんかの間違いだよね!?」
「いえ、昔から聖剣の使い手は選ばれし勇者だと有名な言い伝えです。」
「聖剣?あ、あれか!いや、あんなん簡単に抜けたんだからあんたらでもできたって!」
「誰にも抜けなかったんです!それをあなたは抜いてしまった!」
「ふざけんなよ!!なんで俺が美女に抜いただの抜かれただの言われないといけねーんだよ!?あれか、お前はビッチなのか?!」
「無駄だ、ユージン。諦めてオタクヒキニートから勇者にジョブチェンジしろ。アニメとかだったら良くある話だろ」
「親指立ててすました顔でそんな事言われてもジョブチェンジする側は何ひとつ納得しないんだけど!?しかもアニメとか言ってるけど、実際そういうアニメお前興味ねーじゃん!」
「ふん、ひょうひなひ(うん、興味ない)」
「肉を食うなぁぁ!」
「落ち着いて勇者様」
「お前楽しんでるだろ!?そんな暇あるんだったら早く我が家に帰る転移の詠唱魔法とか唱えろよ!!」
「しかし、実際お前は聖剣を抜いてお姫様を抜いてしまった。責任をもって勇者になるべきだ」
「何お姫様を抜いてしまったって?!助けてしまっただろ!?聖剣と一緒にお姫様まで突き刺されてるんてすけど?!」
「え、だからお前の聖剣でお姫様を抜いたんだろ?あれ?なんか違うな…」
「抜く事から一旦抜けろ!盛大に空振りしてるから!「あれ?違うな…」どころの話じゃねーから!アウトだから!大体ネロも言われ放題でいいのかよ!?」
「そんな、なんと光栄極まりない、私と勇者様があんな事やそんな事...ありがたき事であります。」
「まって!俺が勇者にジョブチェンジする前にこの人痴女にジョブチェンジしてるんだけど!?」
とにかく、このままだと
「全然話進まないから!」
声が裏返り、ありがちな言葉を叫んでいかにも弱そうなオーラを出していたが、この時のユージンは自分の力に酔いしれていた。そう、剣を振っても何も起きなかったのである。
「おいー!ここは必殺技的なあれが出るところだろーが!」
そうを言っている内に悪魔の突進がユージンに直撃した。
「グッ!あっかっ...」
角が腹に突き刺さった、強打からのダメージもあり、呼吸ができなかった。腹部からの出血が絶えない、かなり深く刺さったようだ、本人はただ熱い感覚だけ感じた。
「いってぇよ...刺すとか...バカじゃねーの...?自分に付いてるもんぐらい自分で把握しとけ!!」
悪魔の角に対して随分身勝手に否定している。もはや哀れ以外の言葉は彼に見当たらない。倒れ込むユージンを上から覗き込む悪魔、それを見上げるユージン。絶望的な状況であった、しかし悪魔はあろうことか瀕死状態のユージンや未防備のネロにも手を出さずそのまま飛び去っていってしまった。上でも同じくして二体の悪魔もその場から立ち去っていった。しばらくしてネロは身体の緊張が解けると足の力も一緒に抜けてその場にしゃがみこんだ。
◆◇◆
結局、地下牢に閉じ込められた。
「なんでぇぇええ!?」
「落ち着け全く」
「そ、そうだなって言えるか!!あの鎧着たおっさん達がわざわざ俺らを処刑するとかなんとか物騒な捨て台詞吐いていったんだぞ!?おーい!ここからだせー!」
「なんとかなる、落ち着け。」
「逆になんでそこまで落ち着いていられるの!?恐いよ!?」
天井からしたら恩を仇で返された気分だった。わざわざこの国の王を助けた英雄だと言うのにこの扱いとは。
「しかし、気になるのは...」
「ああ、何故かユージンだけ違う部屋に連れて行かれたって事だ。」
そう、3人は共に仲良く牢に入れてもらったのだが、ユージンだけ部屋が違うのだ。その頃ユージンは何をしているかというと。
◆◇◆
「うおおお!」
あれ?デジャヴ?前にもこんな事あったような…と感じながら隣にゴブリンがいないことを祈り、部屋を見渡した。絵に描いたような部屋だった、中世ヨーロッパ的な絵画やらレースのカーテンやら部屋を眺めていると
コンコン
お決まりのパターンだなと思った。ドアが開き顔を出したのは見慣れた白人美女だった。
「ど、どうも気分はいかがですか?」
「え?えっとあー、腹がちょっと、あれ?あれ?あれあれ?」
初めて会ったときと違った堅苦しい喋り方より気になったそんな事よりユージンが驚いたのは、悪魔に角で突き刺された腹が治っていた。それどころか他の部分も完治していた。不思議だが治ったことに越したことはない。
「あの大丈夫そうです。宇宙人と遭遇してしまった気分ですけど。」
「ウチュウジンというのは聞いたことがないのですが、大丈夫なら安心しました。名乗るのが遅れました、私はネロ・クラディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスと言います」
「おお、長いな…じゃあネロで良いかな?」
「はい、ご自由にお呼びください。」
そこに、ドアからもう1人執事のようながたいの良い男が来た。なにかを小耳にしていた。
「その件は後にしてください。今はこちらで手が離せません」
「あの、どうかしたの?」
「ああ、すみませんこっちは私の専属執事で」
「オットーです。」
深々と頭を下げられたのでこちらも敬意を表した。
「あ、どうも」
「実は、私を暗殺しようとした者達3人をとらえたのですが..」
はい、そのまま煮るなり焼くなり好きにしてやって下さい。と言っておきたかったが、流石にそういう訳にもいかない。仕方なく、すみません俺の連れの者です、と言って解放してもらい一緒に食事までさせてもらってしまった。
「ほんと、なにから何まで申し訳ない。」
「いえ、それはこちらのセリフです。まさかお連れの方だとは」
「全くだ、だから無実だって言っていたのに。なあ菅」
「お前は少し黙っていてほしい。」
「しかし、なんでまたこんな手厚く」
「さっき聞いたあいつ悪魔とかいう奴の話も聞かせてもらえるかな?」
「はい全て話します」
「そして気になっていたんだが、なぜその様な堅苦しい喋り方なのでせう?あなたお姫様でしょ?」
「勇者様には当然の敬意です」
「勇者?俺が?」
「え?お前勇者になったの?おめでと」
「いやいや!「おめでと」じゃないでしょ!?何、勇者って?!いきなり重たい役回りだな!おい!ちょっと冗談でしょう?RPGとかでも勇者とか前線の役をしたことなんてないんだからさ!なんかの間違いだよね!?」
「いえ、昔から聖剣の使い手は選ばれし勇者だと有名な言い伝えです。」
「聖剣?あ、あれか!いや、あんなん簡単に抜けたんだからあんたらでもできたって!」
「誰にも抜けなかったんです!それをあなたは抜いてしまった!」
「ふざけんなよ!!なんで俺が美女に抜いただの抜かれただの言われないといけねーんだよ!?あれか、お前はビッチなのか?!」
「無駄だ、ユージン。諦めてオタクヒキニートから勇者にジョブチェンジしろ。アニメとかだったら良くある話だろ」
「親指立ててすました顔でそんな事言われてもジョブチェンジする側は何ひとつ納得しないんだけど!?しかもアニメとか言ってるけど、実際そういうアニメお前興味ねーじゃん!」
「ふん、ひょうひなひ(うん、興味ない)」
「肉を食うなぁぁ!」
「落ち着いて勇者様」
「お前楽しんでるだろ!?そんな暇あるんだったら早く我が家に帰る転移の詠唱魔法とか唱えろよ!!」
「しかし、実際お前は聖剣を抜いてお姫様を抜いてしまった。責任をもって勇者になるべきだ」
「何お姫様を抜いてしまったって?!助けてしまっただろ!?聖剣と一緒にお姫様まで突き刺されてるんてすけど?!」
「え、だからお前の聖剣でお姫様を抜いたんだろ?あれ?なんか違うな…」
「抜く事から一旦抜けろ!盛大に空振りしてるから!「あれ?違うな…」どころの話じゃねーから!アウトだから!大体ネロも言われ放題でいいのかよ!?」
「そんな、なんと光栄極まりない、私と勇者様があんな事やそんな事...ありがたき事であります。」
「まって!俺が勇者にジョブチェンジする前にこの人痴女にジョブチェンジしてるんだけど!?」
とにかく、このままだと
「全然話進まないから!」
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