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本編
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ここが主様の部屋です。と言われて連れてこられた部屋はとにかく広くて、他の部屋とは比べものにならないほどで、自分には場違いだと思わされた。ただ、物凄く疲れていたのでくつろいでいた。すると、ドアをノックする音が聞こえた。
「(まずい、またメイドちゃん達かな自分でいうのもなんだけど変な気を起こさない様にしなくては)はい、どうぞ」
しかし、入ってきたのはネロだった。
「あれ、ネロどうしたの?」
「あの、少しよろしいでしょうか?」
「別に良いけど俺も聞きたいことがあったし」
「聞きたいことですか?」
「うん、この聖剣についてなんだけど」
「そうでしたね、まだその聖剣について話していませんでした。聖剣は神器と呼ばれる神話にも登場する物で人間が手にできない恐ろしい魔力をもっています。」
「つまりはレアアイテムってことか」
「はい、大変希少なものなんです。世界に一つしか存在しない、ただ種類は剣だけには収まりません」
「そうなのか」
「はい、弓の形からグローブまで多種類の武器の形をしていて、その役柄も変わってきます。」
「役柄?」
「はい、そうですね例えばユージン様のその聖剣、その役柄は「想像と実現」です。」
「つまり、俺の想像を現実の物にしちまうのか!?なんだその裏技!?」
「恐らく、あの時ユージン様の魔法がでなかったのは」
「想像力の問題か~でも必殺技を瞬時に想像するなんてムリだろ~あ、そういえばネロは何の用だっけ?」
「あの、今後の事を聞きたかったのですが」
「ん、今決めた」
「はい」
「神器を探しにいこう!」
「ええ!さ、探してどうするですか?!」
「え?使うけど」
「いや、そんな、いくら聖剣が抜けたからといって、他のものまで扱えるかわからないんですよ!?」
「だから、使うのは俺じゃないよ?」
「え?じゃあ、一体誰に?」
「本当は既に神器を使いこなしてる人がいたら良いんだけど。多分そんなラッキー滅多にないだろうから、透達に使わせるよ」
「彼らが扱えるとは限らないのですよ!?」
「できるよ」
「え?そんな、何を根拠に」
「だって、あいつら強いし、それにRPGだと良くある話なんだよ」
「前から気になっていたのですが、ユージン様達はどこであの戦闘技術を身につけたのですか?」
「それは、頭で考えるより身体が動いたんだ。身体が戦い方を覚えてるみたいにな。」
と、ドアから3人が顔を出した。
「いたのか~」
「ああ、まあな」
「僕達ユージンについて行くよ」
「丁度新しい武器が欲しかったし、四天王の1人最強ゲーマーユージン様だからな、こういうのはある意味こいつが一番経験ありなわけだ。」
「まあ、大体頭の中では攻略できてるよ」
「流石だな!こういう事だけは!」
「ああ、こういう事だけはな!」
「強調すんな」
話を和ませていたときだった。ドタドタと廊下を走る音が聞こえた。
「大変です!主様!」
「え?どうしたの?」
「悪魔と思われるモノがこの街に近づいてきております!」
「ついに来たか」
「ドルレイン、しっかり聞いてくれ」
「はい!」
「俺は、実は王都でこの聖剣を引っこ抜いて勇者になったんだ。」
「!?主様が勇者に?」
「ああ、本当だ。だから俺は魔王を倒す旅をしなくちゃならない。だから、俺が戻ってくるまでこの家、いや、この街をここにいるメイド達だけでなんとかできるか?」
ドルレインは微笑んだ。
「お任せください。そのために主様は私達に日頃から武器の使い方を教えてくださいました。」
「うん、物騒だけど任せた。じゃ、ちょっと悪魔切ってくるわ~」
部屋の扉を開くと屋敷のメイドがズラッと並んでいた。
「いってらっしゃいませ!ご主人様!」
「「「いってらっしゃいませ!」」」
「皆...こういうのってわりにあわないんだよな~」
◆◇◆
ロウデンターク北の門
「来たね」
「待ちくたびれた」
「あいつこの間の奴じゃないか?」
「しーらね、けどお前らこの勝負サシでやらせろ。聖剣の練習だ」
「しょうがねえな」
「降りてきた」
頭上から翼を畳んで悪魔が降りてきた。
「お前ら、、倒、す」
「ありゃ?喋れるようになってる。これが力をつけるって事ね」
「よしゃ!じゃあ!やるか、この間の続き」
両者が同時に構える、しかしこの前の様な緊張はユージンにはなかった。なぜなら今は聖剣の使い方も理解し、悪魔とは一度戦って慣れてしまったからだ。
「想像、あの時は悪魔を目くらませする想像をしてた。今度は、確実に仕留める想像。」
後ろから見守っていた4人はユージンの姿が一瞬消えたようにみえた。しかし、消えたのではなく踏み込んでいた、悪魔の目の前まで近づいて上から真っ直ぐ下に振り下ろす。
「あんな動きじゃかわされちまうぞ!」
案の定初撃は外れた。しかし、そのまま土に刺した状態の剣を軸にして蹴りを繰り出した。さらに、後ろにとばされた悪魔は羽を使って体勢を立て直そうとする。しかし、そんな暇は与えない、開いた翼を剣で両断する。これで悪魔は逃げられなくなった。
「す、すごい」
悪魔も負けていられない距離をとろうとバックした勇者が地上に足を着ける瞬間を狙って黒い炎のようなものを発射した。しかし、これを剣の大きさを変えて防ぐ。
「なんで急にデカくなったんだ?」
「あの聖剣は元々ニメートル弱はあった大剣です。今まではユージン様が理想の大きさを想像なさっていました。そして、あの聖剣のスキルは想像の実現。」
「つまり、盾になるぐらいの剣の大きさを想像したのか。上手く剣を応用してるな」
なおも、悪魔は黒い炎をユージンに向かって打ち続ける、連射力、威力、スピード全て確かに凄いものだったが一向にユージンにはかすりすらしなかった。
「終わりだなっ!」
ユージンが必殺技を想像し、打ち込んだ、と思った。やはり、魔法はでなかった。
「なっ、なんでっ!?」
すると、上からも黒い炎がユージンめがけて飛んできた。これを上手くかわす。
上にはさらに二体の悪魔が宙にいた。
「ちっ!」
「(まずい、またメイドちゃん達かな自分でいうのもなんだけど変な気を起こさない様にしなくては)はい、どうぞ」
しかし、入ってきたのはネロだった。
「あれ、ネロどうしたの?」
「あの、少しよろしいでしょうか?」
「別に良いけど俺も聞きたいことがあったし」
「聞きたいことですか?」
「うん、この聖剣についてなんだけど」
「そうでしたね、まだその聖剣について話していませんでした。聖剣は神器と呼ばれる神話にも登場する物で人間が手にできない恐ろしい魔力をもっています。」
「つまりはレアアイテムってことか」
「はい、大変希少なものなんです。世界に一つしか存在しない、ただ種類は剣だけには収まりません」
「そうなのか」
「はい、弓の形からグローブまで多種類の武器の形をしていて、その役柄も変わってきます。」
「役柄?」
「はい、そうですね例えばユージン様のその聖剣、その役柄は「想像と実現」です。」
「つまり、俺の想像を現実の物にしちまうのか!?なんだその裏技!?」
「恐らく、あの時ユージン様の魔法がでなかったのは」
「想像力の問題か~でも必殺技を瞬時に想像するなんてムリだろ~あ、そういえばネロは何の用だっけ?」
「あの、今後の事を聞きたかったのですが」
「ん、今決めた」
「はい」
「神器を探しにいこう!」
「ええ!さ、探してどうするですか?!」
「え?使うけど」
「いや、そんな、いくら聖剣が抜けたからといって、他のものまで扱えるかわからないんですよ!?」
「だから、使うのは俺じゃないよ?」
「え?じゃあ、一体誰に?」
「本当は既に神器を使いこなしてる人がいたら良いんだけど。多分そんなラッキー滅多にないだろうから、透達に使わせるよ」
「彼らが扱えるとは限らないのですよ!?」
「できるよ」
「え?そんな、何を根拠に」
「だって、あいつら強いし、それにRPGだと良くある話なんだよ」
「前から気になっていたのですが、ユージン様達はどこであの戦闘技術を身につけたのですか?」
「それは、頭で考えるより身体が動いたんだ。身体が戦い方を覚えてるみたいにな。」
と、ドアから3人が顔を出した。
「いたのか~」
「ああ、まあな」
「僕達ユージンについて行くよ」
「丁度新しい武器が欲しかったし、四天王の1人最強ゲーマーユージン様だからな、こういうのはある意味こいつが一番経験ありなわけだ。」
「まあ、大体頭の中では攻略できてるよ」
「流石だな!こういう事だけは!」
「ああ、こういう事だけはな!」
「強調すんな」
話を和ませていたときだった。ドタドタと廊下を走る音が聞こえた。
「大変です!主様!」
「え?どうしたの?」
「悪魔と思われるモノがこの街に近づいてきております!」
「ついに来たか」
「ドルレイン、しっかり聞いてくれ」
「はい!」
「俺は、実は王都でこの聖剣を引っこ抜いて勇者になったんだ。」
「!?主様が勇者に?」
「ああ、本当だ。だから俺は魔王を倒す旅をしなくちゃならない。だから、俺が戻ってくるまでこの家、いや、この街をここにいるメイド達だけでなんとかできるか?」
ドルレインは微笑んだ。
「お任せください。そのために主様は私達に日頃から武器の使い方を教えてくださいました。」
「うん、物騒だけど任せた。じゃ、ちょっと悪魔切ってくるわ~」
部屋の扉を開くと屋敷のメイドがズラッと並んでいた。
「いってらっしゃいませ!ご主人様!」
「「「いってらっしゃいませ!」」」
「皆...こういうのってわりにあわないんだよな~」
◆◇◆
ロウデンターク北の門
「来たね」
「待ちくたびれた」
「あいつこの間の奴じゃないか?」
「しーらね、けどお前らこの勝負サシでやらせろ。聖剣の練習だ」
「しょうがねえな」
「降りてきた」
頭上から翼を畳んで悪魔が降りてきた。
「お前ら、、倒、す」
「ありゃ?喋れるようになってる。これが力をつけるって事ね」
「よしゃ!じゃあ!やるか、この間の続き」
両者が同時に構える、しかしこの前の様な緊張はユージンにはなかった。なぜなら今は聖剣の使い方も理解し、悪魔とは一度戦って慣れてしまったからだ。
「想像、あの時は悪魔を目くらませする想像をしてた。今度は、確実に仕留める想像。」
後ろから見守っていた4人はユージンの姿が一瞬消えたようにみえた。しかし、消えたのではなく踏み込んでいた、悪魔の目の前まで近づいて上から真っ直ぐ下に振り下ろす。
「あんな動きじゃかわされちまうぞ!」
案の定初撃は外れた。しかし、そのまま土に刺した状態の剣を軸にして蹴りを繰り出した。さらに、後ろにとばされた悪魔は羽を使って体勢を立て直そうとする。しかし、そんな暇は与えない、開いた翼を剣で両断する。これで悪魔は逃げられなくなった。
「す、すごい」
悪魔も負けていられない距離をとろうとバックした勇者が地上に足を着ける瞬間を狙って黒い炎のようなものを発射した。しかし、これを剣の大きさを変えて防ぐ。
「なんで急にデカくなったんだ?」
「あの聖剣は元々ニメートル弱はあった大剣です。今まではユージン様が理想の大きさを想像なさっていました。そして、あの聖剣のスキルは想像の実現。」
「つまり、盾になるぐらいの剣の大きさを想像したのか。上手く剣を応用してるな」
なおも、悪魔は黒い炎をユージンに向かって打ち続ける、連射力、威力、スピード全て確かに凄いものだったが一向にユージンにはかすりすらしなかった。
「終わりだなっ!」
ユージンが必殺技を想像し、打ち込んだ、と思った。やはり、魔法はでなかった。
「なっ、なんでっ!?」
すると、上からも黒い炎がユージンめがけて飛んできた。これを上手くかわす。
上にはさらに二体の悪魔が宙にいた。
「ちっ!」
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