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本編
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「なんだ寝てなかったのか」
気付けばドアの横に天井がいた。
ネロが傷の処置を受けて宿に運ばれてからユージンがそばを離れる気配はなかった。
「お前もだろ、明日試合なのに。俺はもともと夜活発に動いてたから平気なんだよ」
「そうだったな」
しばらくの沈黙が続いた。
「俺たち帰れるかな…」
「なんだ、おばさんが恋しくなったか?マザコンめ」
「ちげーよ、パソコンが恋しくなったんだよ、バカやろー」
「問題ないだろう、お前は少し気を張りすぎてる。」
「だよなぁ~」
「ネロの事も心配ないさ」
「...だよな」
寝ているネロの額に手を置き、つぶやいた。
「昔さ、うちの母親がこうやって頭を撫でて偏頭痛を治そうとしたんだよ」
「へぇ~、良い話だな」
「でも俺からしたら、早く薬飲ませろよ!って思ってたけどな」
「最低か...」
「でも、自分がなんにもできないとこうするしかないんだよな......この対抗戦、絶対に優勝するから、ゆっくり休みなっせ」
「じゃ、俺は寝る」
「ああ」
「明日頑張れよ」
「負けるわけねーだろ全部圧勝だわ圧勝。」
◆◇◆
翌日、グリモア東のコロシアム
「皆さーん!!おはようございまーす!」
かなりハイテンションな男が緑色の石を持って叫ぶ、すると男の声が会場中に響き渡る。
「本日からは個人戦の大会となります!そこで私、アリアンロッドが分かりやすく試合を解説させて頂きます!」
「何ですかね、あの男」
「いつの時代も実況者ってあんな感じなんだな、クゥー!」
「なんですかそれ?」
「ムム!有名な実況者のマネなんデス!クゥー!」
「さあ!今年はなんとゴールド冒険者を始めグリモア冒険者全員の参加になっています!」
観客や冒険者が沸いた。
「それでは!対抗戦二日目個人戦スタート!」
◆◇◆
選手控え室
「おい、あれだぜ噂のオール3って」
「生意気に良い剣持ってんな」
「しかも後ろを付いて行っているあの連れ、ガキだが上物だな」
「世間知らずのゴミ冒険者に世の中の辛さを教えてやるか」
全く、全部聞こえてるっての、おかげでこの有り様だこのやろう
「ユージン様離して下さい!あの野蛮で下品で無礼な者達を串刺しに」
「しなくていいから!」
「そういえばダーリンはいつ試合なの?」
「多分次くらいだな」
「頑張って下さい!ユージン様!」
その時会場の方からあの実況者の声が聞こえた。
「さあ!次はAグループ四組目!ユージン選手対イ・シャオヘン選手の試合です!」
「丁度出番みたいね、頑張って!」
「ちょっと早い気もするけどこの試合に勝ったらアイツをボコボコにできるからな負けらんねえ!じゃ!行ってくる!」
そう、この試合に勝利すると第二試合はシードで早くもトト・カルメンとあたる事になっていた。この個人戦のトーナメントは全部でEグループまであり、一位のガディ・ホーフェン以外はかならず1グループに2人ゴールド冒険者が入っている事になっていた。
会場にまず相手の選手が入る、もの凄い盛り上がりだった。しかし、ユージンが入ると先程以上の盛り上がりを見せた。
しかし、「おい!オール3!せいぜい死なないように頑張れよ!」や「シャオヘン!手抜いてやれよ!」というものだった。だが、ユージンは気にしなかった。
対戦相手と向き合う。
「申し訳ないが、いくらカッパー最下位とは言え手は抜けない」
「いいね、本気でやってくれよ。」
審判らしき人物が相互の準備が整った事を確認する。始め!というかけ声と共に相手が距離をとる。懐からヌンチャクのような物を出した。
「ハイッ!ハイッ!ヤッ!」
「シャオヘン選手素晴らしいヌンチャク扱いだ!」
高速でヌンチャクを扱うところを披露する。
「あ、えっと...結構な曲芸だな...」
「来なさい、相手をしてあげましょう」
「あ、そう?じゃあ遠慮なく」
と片手を前に突き出し、手のひらを相手に見せる。
「おっと!あれは一体なんだ!?ユージン選手なにをしようというのか!!」
「破道の三十一、[赤火砲(しゃっかほう)]!」
ユージンの手のひらから火の球体ができ、時速120キロほどの速さでとんでいく。
「なんだと!?」
「これはビックリだ!なんと、ユージン選手、詠唱を唱えずに魔法を出したぞ!それに、見たことのない魔法だ!」
「フンッ!だがこんな物!私のヌンチャクではじき返してやる!」
しかし、攻撃はこの魔法単発に収まらず次の魔法を繰り出そうとしていた。
「続けて縛道の一[塞(さい)]!」
「っ?!手足が動かない?!」
「どうしたことだ!シャオヘン選手全く動く気配がない!」
赤火砲はシャオヘンの顔面に直撃し、シャオヘンは倒れたまま動かない。
遠くで試合を観戦していたマリアは何が起きているのか全く分かっていなかった。
「あれは一体どういうことなの?」
「あれは、ブリーチに出てくる技《鬼道》だな」
「鬼道?」
「ああ、死神が使う霊術の一つ。決まった言霊を詠唱したのち、術名を叫ぶことにより術が発動する。相手を直接攻撃する「破道」(はどう)と、防御・束縛・伝達等を行う「縛道」(ばくどう)があり、それぞれに一番から九十番台まで様々な効果を持つ術が多数存在する。数字が大きい術ほど高度で強力である。って言うのが鬼道だ」
「鬼道っていうのはわかりましたけど、霊術とか言霊とか良くわかりません。」
「まあ、そこんとこは別にいいだろ」
「詳しいのね」
「だろ?ブリーチは数少ない俺の好きなアニメのひとつだからな」
審判からシャオヘンのKOが告げられた、観客達は歓喜に、湧き上がった。
「悪いな、この大会で優勝目指してるから負けられないんだ」
気付けばドアの横に天井がいた。
ネロが傷の処置を受けて宿に運ばれてからユージンがそばを離れる気配はなかった。
「お前もだろ、明日試合なのに。俺はもともと夜活発に動いてたから平気なんだよ」
「そうだったな」
しばらくの沈黙が続いた。
「俺たち帰れるかな…」
「なんだ、おばさんが恋しくなったか?マザコンめ」
「ちげーよ、パソコンが恋しくなったんだよ、バカやろー」
「問題ないだろう、お前は少し気を張りすぎてる。」
「だよなぁ~」
「ネロの事も心配ないさ」
「...だよな」
寝ているネロの額に手を置き、つぶやいた。
「昔さ、うちの母親がこうやって頭を撫でて偏頭痛を治そうとしたんだよ」
「へぇ~、良い話だな」
「でも俺からしたら、早く薬飲ませろよ!って思ってたけどな」
「最低か...」
「でも、自分がなんにもできないとこうするしかないんだよな......この対抗戦、絶対に優勝するから、ゆっくり休みなっせ」
「じゃ、俺は寝る」
「ああ」
「明日頑張れよ」
「負けるわけねーだろ全部圧勝だわ圧勝。」
◆◇◆
翌日、グリモア東のコロシアム
「皆さーん!!おはようございまーす!」
かなりハイテンションな男が緑色の石を持って叫ぶ、すると男の声が会場中に響き渡る。
「本日からは個人戦の大会となります!そこで私、アリアンロッドが分かりやすく試合を解説させて頂きます!」
「何ですかね、あの男」
「いつの時代も実況者ってあんな感じなんだな、クゥー!」
「なんですかそれ?」
「ムム!有名な実況者のマネなんデス!クゥー!」
「さあ!今年はなんとゴールド冒険者を始めグリモア冒険者全員の参加になっています!」
観客や冒険者が沸いた。
「それでは!対抗戦二日目個人戦スタート!」
◆◇◆
選手控え室
「おい、あれだぜ噂のオール3って」
「生意気に良い剣持ってんな」
「しかも後ろを付いて行っているあの連れ、ガキだが上物だな」
「世間知らずのゴミ冒険者に世の中の辛さを教えてやるか」
全く、全部聞こえてるっての、おかげでこの有り様だこのやろう
「ユージン様離して下さい!あの野蛮で下品で無礼な者達を串刺しに」
「しなくていいから!」
「そういえばダーリンはいつ試合なの?」
「多分次くらいだな」
「頑張って下さい!ユージン様!」
その時会場の方からあの実況者の声が聞こえた。
「さあ!次はAグループ四組目!ユージン選手対イ・シャオヘン選手の試合です!」
「丁度出番みたいね、頑張って!」
「ちょっと早い気もするけどこの試合に勝ったらアイツをボコボコにできるからな負けらんねえ!じゃ!行ってくる!」
そう、この試合に勝利すると第二試合はシードで早くもトト・カルメンとあたる事になっていた。この個人戦のトーナメントは全部でEグループまであり、一位のガディ・ホーフェン以外はかならず1グループに2人ゴールド冒険者が入っている事になっていた。
会場にまず相手の選手が入る、もの凄い盛り上がりだった。しかし、ユージンが入ると先程以上の盛り上がりを見せた。
しかし、「おい!オール3!せいぜい死なないように頑張れよ!」や「シャオヘン!手抜いてやれよ!」というものだった。だが、ユージンは気にしなかった。
対戦相手と向き合う。
「申し訳ないが、いくらカッパー最下位とは言え手は抜けない」
「いいね、本気でやってくれよ。」
審判らしき人物が相互の準備が整った事を確認する。始め!というかけ声と共に相手が距離をとる。懐からヌンチャクのような物を出した。
「ハイッ!ハイッ!ヤッ!」
「シャオヘン選手素晴らしいヌンチャク扱いだ!」
高速でヌンチャクを扱うところを披露する。
「あ、えっと...結構な曲芸だな...」
「来なさい、相手をしてあげましょう」
「あ、そう?じゃあ遠慮なく」
と片手を前に突き出し、手のひらを相手に見せる。
「おっと!あれは一体なんだ!?ユージン選手なにをしようというのか!!」
「破道の三十一、[赤火砲(しゃっかほう)]!」
ユージンの手のひらから火の球体ができ、時速120キロほどの速さでとんでいく。
「なんだと!?」
「これはビックリだ!なんと、ユージン選手、詠唱を唱えずに魔法を出したぞ!それに、見たことのない魔法だ!」
「フンッ!だがこんな物!私のヌンチャクではじき返してやる!」
しかし、攻撃はこの魔法単発に収まらず次の魔法を繰り出そうとしていた。
「続けて縛道の一[塞(さい)]!」
「っ?!手足が動かない?!」
「どうしたことだ!シャオヘン選手全く動く気配がない!」
赤火砲はシャオヘンの顔面に直撃し、シャオヘンは倒れたまま動かない。
遠くで試合を観戦していたマリアは何が起きているのか全く分かっていなかった。
「あれは一体どういうことなの?」
「あれは、ブリーチに出てくる技《鬼道》だな」
「鬼道?」
「ああ、死神が使う霊術の一つ。決まった言霊を詠唱したのち、術名を叫ぶことにより術が発動する。相手を直接攻撃する「破道」(はどう)と、防御・束縛・伝達等を行う「縛道」(ばくどう)があり、それぞれに一番から九十番台まで様々な効果を持つ術が多数存在する。数字が大きい術ほど高度で強力である。って言うのが鬼道だ」
「鬼道っていうのはわかりましたけど、霊術とか言霊とか良くわかりません。」
「まあ、そこんとこは別にいいだろ」
「詳しいのね」
「だろ?ブリーチは数少ない俺の好きなアニメのひとつだからな」
審判からシャオヘンのKOが告げられた、観客達は歓喜に、湧き上がった。
「悪いな、この大会で優勝目指してるから負けられないんだ」
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