異世界の救世主になろう!~主役はやっぱり勇者だ~

☆ウパ☆

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本編

31

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控え室からマリアが出てきた。

「お、出てきたみたいだな」

その後に続いてカーリーも出てきた。

「ダーリン~終わったよ~!見てた?見ててくれてた?」
「はいはい、見てた見てた。」

カーリーとも目があった。

「どうもッス」
「このあとはモモの試合よね?」
「はい、そうです!」
「頑張って下さいッス!...あれ?あの方達はお知り合いッスか?」

ユージンの後ろを覗き込むようにして言った。

「ユージン!!」

見ると、透と天井が焦った様子でこちらに走ってくる。

「おー、お前らどうした?」
「ハァハァ...大変なんだ。今、トリシタンって男に会ったんだけど...ハァハァ...その男かなりヤバい奴で...皆で負傷者抱えて逃げてきたんだけど...ハァハァ」

トリシタンという名前に反応し、マリアとカーリーが険しい顔でお互いの顔を見る。

「とりあえず落ち着けよ。逃げてきたんなら良かったじゃねーか」
「そうじゃないんだって!」
「あ?」

「どういう事ですか?」
「そいつ一瞬で俺達まで追い付いてきて」
「だけど俺達は負傷者を抱えていたから菅が1人でそいつと戦うって言って。」

「っ?!」

「すぐに戻ったんだが意識が無い状態で...今、大会医療班とペルが様子をみてるんだが...」
「ユージン様...」
「わるいユージン...俺達がいながら...」
「いや、いい。お前らは悪くないだろう。」

意外な言葉に2人とも驚いているようだった。

「それよりその男、放っておいたら危険だな...今どこにいるかわかるか?」
「倒しに行く気かよ?!」

「やめなさい」

「あんたは...」
「マスター!」
「君はカッパーの冒険者だろう?原則としてゴールド冒険者のみの追跡となっておる。」
「おっさん、仲間がやられたんだ。」
「マスター!彼の強さは私が保証するわ。それにマスターだってダーリンを見たとき君は強いって言ってたじゃない!」
「しかしなマリア...」
「そんな事よりその男と会った場所を...」

ドガンッ
その時、コロシアムの外から爆発音のような音が響いた。

「...教えてもらう必要もなかったみたいッスね」

急いで全員で外に出ると既に男の足下には冒険者らしき男達が倒れていた。

「おいおい、弱すぎだろ。お?」

こちらを見て笑みを浮かべた。

「ゴールドが2人にギルドマスターが1人いるじゃねーか。」

「あいつか、菅をやったのは...」
「ヘヘヘ、んじゃ。ひと暴れしますか...」
「ダーリン達は私達の後ろに。」
「マリア、俺は戦うぞ!」
「ここは先輩の言うとおりにしてほしいッスね」

マリアとカーリーが剣を抜く。トリシタンとの距離が縮まる、その時だった。

『おい、まだこいつらと戦うには時期が早えぇ。この場は退くぞ。』
「ああ?チッ、仕方ねぇな」
「逃げる気か?」
「待ちなさい!」
「...ルピの言うことだ仕方ねぇ。焦らなくてもそのうち必ずお前たちを狩ってやるよ」

その瞬間トリシタンの姿が一瞬でみえなくなった。

「消えた...?!」
「ルピ?」
「どうやら完全に逃げられたようじゃな」
「俺達の前に現れたときと同じだ...!」
「マスター...」
「ああ、《テレポート》じゃな。事態はわしらが思っている以上に厄介になっているようじゃな。」
「そうなると他の《ユニークマジック》も使えると考えるのが妥当ッスね」
「まてまて、全く話が呑み込めん。」
「説明するとさっきあの男、トリシタンが使った《テレポート》って魔法はそこらにいる魔導士が使えるただの魔法じゃないのよ」
「奴が使ったのは、《ユニークマジック》と呼ばれる特殊な魔法ッス。何が特殊かと言うとそのレア度ッスね。生まれもってずば抜けた才能があれば一億分の一の確率で使用できるようになるような感じッスかね。」
「ただ一つの例外を除いてな」
「例外?」
「ちなみに言うとダーリンも《ユニークマジック》よ。」
「なるほど...神器か」
「他にも《マジックアイテム》を使用すればテレポートくらいはできると思うんスけど...」
「先程の奴にアイテムを使用した様子は見られなかった。だが、奴を見た限りでは神器を使っているところも見られなかった。」
「あと他に考えられる候補としては何者かの外部からの影響とかね」

「外部からの影響か...」
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