異世界の救世主になろう!~主役はやっぱり勇者だ~

☆ウパ☆

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「無理です。戦争を止めるなんてあまりに無謀です、いくらブラウス様とはいえ...」
「できる。なにも俺1人でやれるなんて思ってない、もちろんルピにも手伝ってもらう。」
「それは構いませんが、どうするおつもりですか?既に我国の兵は進行を開始しています、二週間後にはここは戦場と化してるでしょう。」

その時後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「だったら急がないとな」
「まずなにからしようか、菅?」
「作戦は練った、このやり方が上手くいけば戦争は免れる事ができる。」
「流石ウチの参謀ね。」

「あなた達は...」
「頼れる俺の仲間。よし、作戦聞こうか時間は限られているし。」

◆◇◆

「おい、リーダー本当にこんな奴ら信用しろってのか?」
「黙りなさいトト」
「しかし、仮にも敵国の者です。確かに信用出来ませんね。」

「トト、あなたがローマ皇王を動けなくしたせいもある。クロウドもトトの世話役として今回同行させたハズ、仕事を全うできなかったあなた達には本来なら私から謹慎処分を出している、それを忘れないように。」
「信じるかどうかはさておき本当にこの戦争を止められるの?」
「今回のこの戦争、被害も規模も過去の戦争に比べればかなりハードになると思いますが。作戦は?」

「説明します、まずルピさんの情報によると3日後にガリアの首都で国中から主要な役人が集まり大きな会合を開くそうです。そこを狙ってローマ皇王にはその会合に参加してもらいます。ただこの緊迫した状況なのでそう易易と参加させてもらえるわけがないので相手には伝えずに首都へ向かってもらいます。」
アリ「申請せずにですか...かなり危険だと思いますが?」
「はい、なので主要な交通網を使いません。」
「無理だ、一応は国の首都、主要な交通網は使わないと言ったがどの道を通っても検問がある。それにそんな大切な会合があるならもっと厳しく警備するはずだ。」
「ええ、 地上 はね。」

すると菅は懐から赤い石を取り出した。

「その石は...」
「そうです。団体戦で配布された通信機の機能を持った魔石です。これを4ヶ所に分けて使用しています。状況報告お願いします。」

『はーい、こちらモモです。ただ今西の都ウィタールの上空です。』

「上空?!」
「彼女は召喚士です。使役するモンスターにはワイバーンも含まれています。」
「ドラゴンを使役しているですって?!」
「しかし護衛が召喚士1人では心もとないのでは?」

『1人じゃなくて3人ね!』
『私もいるから!』

「なるほど、確かにマリアさんが付いていれば心強い。もう1人は知りませんが...」
「それからローマの首都に足に自信のある者を行かせてます。透、天井、報告を」

『こちら透現在、首都アンツィオに向かってる。』
『こっちはなんとかしてローマ側の進行を止めてもらうから!』

「了解。」
「最後の魔石は誰がもってるんだ?」
「もちろん...おーい、ユージン」

『はいはい、こちらユージンでございますよー、未だ変わった様子は特になし。』

「一体彼はどこに?」
「ユージンには最前線に行ってもらっています、ローマとガリアの国境付近に。まあ、一応これは保険なので」
「彼ひとりで止めると?」
「いえ、全員でこの戦争の壁になります。行く手を阻む壁に、とことん邪魔してやりますよ。」
「しかし国境付近といってもあまりに規模が広すぎる。どこで両軍が鉢合わせるかなんてわかるのか?」
「ええ」

「確証は?」

「これを見てください。」

と言って赤いマークと青いマークがついた地図を広げる。

「これは?」
「ルピさんに手伝ってもらって軍の配置と兵の数をまとめたものです。確かに全体の国境付近を見ると散布していてどこで両軍の衝突があるかわかりませんが、ここ。」

たくさんのマークがある地図の端を指さした。

「不自然だね、首都からこんなに離れた都市にこんな数の兵を送るなんて。確かこの都市は...」

「ガリア一の工業都市メルカルト。」

「どうしてここをこんな厳重に?」
「ローマ側になって考えて見てください。今回の戦争の火種になったのは、兵器開発です。ガリア一の工業都市を落とせばまず兵器の恐怖はなくなる。」
「なるほどね」
「そして予想通りローマ軍はメルカルトの方角へ軍を進行させている。」
「億単位の兵を相手にするのは厳しいだろうけどまあ、ユージンの事だ万単位なら支障はないでしょう。以上が作戦の説明です。」
「それで、結局外交代表者一同を襲ったのはローマ軍なんですか?」
「いえ、今回のこの件主犯は魔王軍と考えています。」

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