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本編
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「これから皆さんにはその魔王軍の足止めをお願いします。」
「それは構いませんが、その魔王軍は恐らく戦争の前線であるガリアとローマの国境付近...今から出発するとなると」
「その点については大丈夫です。僕の職種は魔道士、当然転移魔法も心得ています。」
『菅、聞こえるか?』
「聞こえるよ。」
『悪いんだが、悲報だ。今アンツィオにいる2人から連絡があってなどうやら遅すぎた、残りあと数十分で両軍の衝突があるらしい。それと俺のいる場所から少し北に離れた場所に魔王軍の者らしき奴らを確認したそうだ。数は6人、この状況で6人って事はかなりの手練だと思うから気をつけてくれ、俺はなんとか両軍の衝突を回避させる。』
「わかった、僕達もすぐに行くから」
『こっちが終わったらすぐにそっちへ行く』
◆◇◆
ガリア、ローマの国境付近
岩の上でユージンは望遠鏡をのぞき込んでいた。
「ちっ、予定よりはえーな。ローマ軍がもう見えてきた。」
この国境付近は大きな隙間のある谷だ、谷の上から見れば両軍の衝突がよく伺えた。
「(ラッキーちゃラッキーなんだよな、へんに平坦な草原とかだと規模が広くなっちまうからな。)さて、そろそろ俺も下に...」
その時後ろから殺気を感じとった、反応は出来るが既に相手はユージンのすぐ後ろにつき、一瞬見えた大剣を振り切ろうとしていた。
「間に合わな...」
振り切った、が切ったという感覚がなかった。
「なーんて」
襲ってきた人物の正体を見て驚いた。
「人間か...?」
見たところ白人の金髪の武装した女性だった。
「なんで女がこんな険しい谷の上に、普通の成人した男でも無理があるぜ?」
「私はガリア王国軍団長三幹部が一人イトエラ。貴様ここで何をしていた?敵軍の監視役なら迷わずたたっ斬る、しかしあの一撃をよけるとはな只者ではないな。よし、斬る前に名を名乗れ。」
「おれか、俺はユージンだ。」
「ここでなにをしていた?」
「いやなにただ軍を見てただけさ」
「何故?」
「随分用心深いな?」
「早く言え私は忙しいのだ、返答次第では貴様を斬るがな…」
「...好きなんだ」
「なんだと?」
「いや、あの実は軍を見るのが好きでねでも近づいたら怒られちゃうかなって、アハハ」
ありもしない嘘をついた嘘は見え透いている。しかし、返答は意外だった。
「みたら早く帰れよ…」
「あ、ああそうするよ...」
「...って、信じるとでも思ったか!」
「あぶねっ!」
「貴様ローマ軍の回し者だろう!」
「いやいや、あの話を...」
「言い訳無用!やるぞムーサ!」
「あ?ムーサってだれ...」
「はいはーい、私デース」
どこからとも無く高身長の金髪イケメンがユージンの後ろから現れた。
「くっ、」
「最後のチャンスだ、ここで何をしていた?」
「用達てるだけだったらどうすんだよ…」
「そうなのか?!」
「いえいえ、嘘デスよきっと。」
「正直に言え!」
「てか、そいつ誰だよ?!」
「申し遅れマシた。私軍団長三幹部の一人ムーサ、ネ?」
「なんで最後疑問形になった?!お前自己紹介もできねーのか!てかところどころ片言なのがウぜぇ!」
「おい!無視するな!質問に答えろ!」
「え?あー、......じゃあぶっちゃけるわ、今からこの軍ぶっ潰すの楽しみだなー、と...」
瞬間3人の姿が消えたように見えた。時々色んな場所から衝撃が伝わってくる。それは下にいる兵士達も同じだった。
「確定だな。つぶすだと?やれるものならやってみろ、異国の馬の骨。部下や兵を護るのも軍団長の務めだ。」
「あなた、中々の手練ネ。私達軍団長を2人も相手シテ3秒立ってられたのあなたが初めてデス。」
「やれやれ、悪役も楽じゃないな。悪いけど急いでるから…」
「そうだな手早く終わらせよう。」
次の瞬間目の前までイトエラが近づいていた。
「早っ...!」
ガードするが痛みは背中からきた。
切られた力のまま吹き飛ばされるユージン。
「速さは重さだ。」
ガラガラと岩が崩れてユージンが顔を出した。
「どっかで聞いたことあんぞ、それ」
「なにっ、あれでまだ戦えるのか!?」
「ヤりますね彼、ほぼ無傷だ」
「次は本気で行くぞ。」
「てか、なんであんたら浮いてんの、反則でしょそれ」
確かにイトエラとムーサは宙に浮いていた。
「まあいいや、俺も時間ないし。ちょっと力出させてもらうぞ。《卍解、天鎖斬月》!」
「姿が変わった...見たことない魔法デスね?」
「そんなことはどっちだっていい闘いに集中しろ。」
「ホント時間ないから」
「それは構いませんが、その魔王軍は恐らく戦争の前線であるガリアとローマの国境付近...今から出発するとなると」
「その点については大丈夫です。僕の職種は魔道士、当然転移魔法も心得ています。」
『菅、聞こえるか?』
「聞こえるよ。」
『悪いんだが、悲報だ。今アンツィオにいる2人から連絡があってなどうやら遅すぎた、残りあと数十分で両軍の衝突があるらしい。それと俺のいる場所から少し北に離れた場所に魔王軍の者らしき奴らを確認したそうだ。数は6人、この状況で6人って事はかなりの手練だと思うから気をつけてくれ、俺はなんとか両軍の衝突を回避させる。』
「わかった、僕達もすぐに行くから」
『こっちが終わったらすぐにそっちへ行く』
◆◇◆
ガリア、ローマの国境付近
岩の上でユージンは望遠鏡をのぞき込んでいた。
「ちっ、予定よりはえーな。ローマ軍がもう見えてきた。」
この国境付近は大きな隙間のある谷だ、谷の上から見れば両軍の衝突がよく伺えた。
「(ラッキーちゃラッキーなんだよな、へんに平坦な草原とかだと規模が広くなっちまうからな。)さて、そろそろ俺も下に...」
その時後ろから殺気を感じとった、反応は出来るが既に相手はユージンのすぐ後ろにつき、一瞬見えた大剣を振り切ろうとしていた。
「間に合わな...」
振り切った、が切ったという感覚がなかった。
「なーんて」
襲ってきた人物の正体を見て驚いた。
「人間か...?」
見たところ白人の金髪の武装した女性だった。
「なんで女がこんな険しい谷の上に、普通の成人した男でも無理があるぜ?」
「私はガリア王国軍団長三幹部が一人イトエラ。貴様ここで何をしていた?敵軍の監視役なら迷わずたたっ斬る、しかしあの一撃をよけるとはな只者ではないな。よし、斬る前に名を名乗れ。」
「おれか、俺はユージンだ。」
「ここでなにをしていた?」
「いやなにただ軍を見てただけさ」
「何故?」
「随分用心深いな?」
「早く言え私は忙しいのだ、返答次第では貴様を斬るがな…」
「...好きなんだ」
「なんだと?」
「いや、あの実は軍を見るのが好きでねでも近づいたら怒られちゃうかなって、アハハ」
ありもしない嘘をついた嘘は見え透いている。しかし、返答は意外だった。
「みたら早く帰れよ…」
「あ、ああそうするよ...」
「...って、信じるとでも思ったか!」
「あぶねっ!」
「貴様ローマ軍の回し者だろう!」
「いやいや、あの話を...」
「言い訳無用!やるぞムーサ!」
「あ?ムーサってだれ...」
「はいはーい、私デース」
どこからとも無く高身長の金髪イケメンがユージンの後ろから現れた。
「くっ、」
「最後のチャンスだ、ここで何をしていた?」
「用達てるだけだったらどうすんだよ…」
「そうなのか?!」
「いえいえ、嘘デスよきっと。」
「正直に言え!」
「てか、そいつ誰だよ?!」
「申し遅れマシた。私軍団長三幹部の一人ムーサ、ネ?」
「なんで最後疑問形になった?!お前自己紹介もできねーのか!てかところどころ片言なのがウぜぇ!」
「おい!無視するな!質問に答えろ!」
「え?あー、......じゃあぶっちゃけるわ、今からこの軍ぶっ潰すの楽しみだなー、と...」
瞬間3人の姿が消えたように見えた。時々色んな場所から衝撃が伝わってくる。それは下にいる兵士達も同じだった。
「確定だな。つぶすだと?やれるものならやってみろ、異国の馬の骨。部下や兵を護るのも軍団長の務めだ。」
「あなた、中々の手練ネ。私達軍団長を2人も相手シテ3秒立ってられたのあなたが初めてデス。」
「やれやれ、悪役も楽じゃないな。悪いけど急いでるから…」
「そうだな手早く終わらせよう。」
次の瞬間目の前までイトエラが近づいていた。
「早っ...!」
ガードするが痛みは背中からきた。
切られた力のまま吹き飛ばされるユージン。
「速さは重さだ。」
ガラガラと岩が崩れてユージンが顔を出した。
「どっかで聞いたことあんぞ、それ」
「なにっ、あれでまだ戦えるのか!?」
「ヤりますね彼、ほぼ無傷だ」
「次は本気で行くぞ。」
「てか、なんであんたら浮いてんの、反則でしょそれ」
確かにイトエラとムーサは宙に浮いていた。
「まあいいや、俺も時間ないし。ちょっと力出させてもらうぞ。《卍解、天鎖斬月》!」
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「そんなことはどっちだっていい闘いに集中しろ。」
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