異世界の救世主になろう!~主役はやっぱりヒーローだ~

☆ウパ☆

文字の大きさ
4 / 27
異世界の抱負

1-3 エルフの国

しおりを挟む
門へと近づくために歩き始めると幾人かがこちらに気づき、指を指す。
先程は得に気にしなかったが真はどうやらこの世界の言葉は理解できるし、話せるらしい。

「神様の恩恵かね。」

次の瞬間だった、足元でいきなり地面が爆発を起こし、砂埃をあげた。

「えっ?!危な!1050倍のままで良かった...」

ホッと息をつこうとした瞬間また、爆発が起き、やがて止まないほどにまで連続した。しかし、爆発の火炎の中では真はそよ風を浴びているかのように動じていなかった。

「コレが魔法ってやつなのかなぁ...」

しばらくして止み始めたので歩みを再び始めた。門の方から怒号が飛ぶ。

「止まれ!黒き邪神と思しき者よ!」
「あ?」
「これより先はママグレー神の加護に守られしエルフの街なるぞ!」
「知らねーよ。てか、お前らエルフだったんか。」

何を言っても止まる気配がないと判断したエルフ達は片手を真へ突き出し何かを唱え始める。

「《火球ファイヤーボール》!」
「おお!魔法じゃん!」

こちらへ向かってくる火の玉に興味深々で見つめているとやがて真の顔面に直撃した。《火球ファイヤーボール》を当てたエルフは直撃したことに驚いていた。

「良くやった!たとえ下位魔法だとしてもあんなもろに当たってしまえば多少なりともダメージはあるはず...」

しかし、顔についた蜘蛛の巣を払うように真が無傷の顔を顕にした。

「低熱の炎だったのかな?」

「バカな...本当に邪神なのか...」
「隊長!我々はどうすれば!」
「邪神...本当に蘇ったのか...」

真とエルフ達の距離はもうそれほど遠くないところまで迫っていた、

「くっ...弓だ!弓を射れ!」

そして、後ろに控えていた新たなエルフが顔を出し、弓の弦をギリギリと力の限り引っ張り、矢を放った。しかし、その矢のどれもが真に当たっては殺虫剤に当たった虫の様に足元に落ちていく。

「そんな...有り得ない...」

「撤退だ!門を閉めろ!急げ!邪神が来るぞ!」

門の外にいたエルフ達も素早く中に入り、両開きだった扉がだんだん内側へ閉まっていく。やがて真が門につく頃には扉は完全に閉まっていた。
門の向こうからはエルフ達の足音や怒号が飛び交っていた。

「すいませーん、開けてくださーい。」

それでも開く気配がなかったので仕方なくノックしようと、軽く扉を叩くと扉は叩いた部分が紙のように降り曲がり数十メートル吹き飛んだ。

「あっ」

◆◇◆

あれから何日たっただろうか、真はエルフの街の中心に位置する城の玉座に座っていた。

「邪神様、こちら我らの領地で採れました果実でございます!是非ご賞味下さいませ!」

土下座するように頭を下げ、エルフが見た事もない果物がたくさん乗った皿を出す。

「あ、ありがとう。」

一つ手に取り頬張るが余りに酸っぱい、それに青臭さもあった。

「不味っ!!」
「こ、これは!も、もも、も、申し訳ありません!これを持って参った者を、を、う、打首とさせますので!な、何卒ご慈悲を!」
「いや...良いよ良いよ」
「寛大な邪神様にご感謝を...」

「なんでこんな事に...」

数日前を思い返してみる、あの後扉を破壊してしまった事を謝罪するため近くのエルフを捕まえ、ここで一番偉い人物は誰かと聞いたところこのエルフの王、という事だったのでいざ城に入り、様々な魔法で真を追い出そうとしたところその魔法を払うように腕を振ったら城が半壊してしまうという事になり...今に至るのである。
エルフの王が心配そうにこちらをのぞき込んでいるのに気がついた。

「如何しましたでしょうか?なにか不都合でも...」
「いやいやそうじゃなくて...そういえば、俺自分の置かれた状況が良く分からないんだけどさ、邪神ってなんなの?」
「ご存知無いのですか?」
「悪いね、教えてもらえる?」
「勿論でございます!邪神というのは今から五百年程前に突然現れ、人種、異業種、魔物といった全ての生を滅亡まで追いやった神でございます。」

「やばい奴だな...でも、安心してほしい、俺はそんな事しないから。」
「左様でございますか?!」

ハッキリいうとこのエルフの王は老人だ、髭も茶色だがかなり蓄えている。何故こんな態度を取っているんだろうと思っていた真だったが、邪神の説明を聞いて大体が納得できた。

「(じゃあ前回の邪神も俺と同じ異世界人?取り敢えず展開が早すぎてちょっとこの後どうしたら良いのか分からなくなってきた。ネット小説とかだったら冒険者とかになる方向だけど。)」

「取り敢えず、人間の街に行きたいな」
「でしたら私の部下をお供させます!」

エルフの王の後ろで同じく頭を下げていた側近が言葉を放った。

「ありがとう、それから...」

この世界の事をより沢山知る必要があると真は判断した、先日の魔法もそうだがやはり情報は多いに越したことは無い、ゲームのように即死魔法などあったらたまらない。では、その知識は誰からもらうか。

「(このエルフ王なんか良いんじゃないか?いや、歳を取りすぎてたら弱くなるという可能性もあるか...王族なら魔法とか強いかなとか思ったんだけど...そうだ!)」

先程とは打って変わって自分の立場が良くわかったので威厳のある態度をとって接してみることにした。

「エルフの王よ。」
「はっ!」
「貴様、子供はおるか?」
「はっ、おります。年頃の娘です。」
「そうか、では。その娘を今晩、私の部屋によこせ。」
「...か、畏まりました...」

一瞬目を見開くとエルフ王は力無く視線を下げ、後ろの臣下と思われる人物達は啜り泣き始めた。

「(あれ?なんか不味かった?)」
「邪神様、ご無礼を承知で発言をさせてください!」

後ろに控えていた臣下のエルフが王の横に並ぶように出てきた。

「良い、許そう。」
「ありがとうございます!邪神様がご指名された王女君ですが、只今婚約をなさっておられるのです...」
「そうか、それで?」
「は?」
「私に関係あるのか?」

エルフ達の目には邪神を見る瞳の色が薄くなり、慈悲の欠片も与えてくれないと判断したようだった。年頃の娘を夜寄越せという事はつまりはこの邪神は、その娘に夜這いさせろと言っているのだろうと察した。

「(全く意味がわからないな、魔法の話を聞くだけになんで婚約の話が出てくるんだ。)」

「申し訳ありません!邪神様!臣下が変な事を申しまして!」
「良い、してその娘、名をなんと?歳は?」
「はっ、ペシェルと申します。歳は16になります。」
「16...それでもう婚約しているのか...」
「一般的だと判断しますが...」
「そうなのか...わからんな」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

処理中です...