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しおりを挟む『篠原くんの人気は上々でして。今度、動画に挑戦させようかと思ってるんですよ』
五木の言葉だ。
いいんじゃないか、との返事は寄こしておいたが、心は乱れた。
「動画、って。何をさせるつもりだ?」
五木は濃厚なエロから、芸術性の高いヌードまで撮れる、器用な男だ。
「蓮のヌード画像は、品があるので安心して見られるが」
ここで突然、エロをぶち込んでくる危険性もある。
飽きられれば、この業界では生き残れないからだ。
「清純派の蓮を、汚すのか?」
そう考えると、もう居ても立ってもいられない。
巴は、酔った勢いもあって五木に電話を掛けていた。
『もしもし。加賀さんですか?』
「そうだ。夜分、すまないな」
『いいえ。どうかしました?』
「実は、その。蓮の動画の件だが」
来たか、と五木は察した。
蓮が巴のお気に入りということは、百も承知だ。
それもあり、彼は揺さぶりをかけてみた。
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