胸に咲くは純白の花

大波小波

文字の大きさ
上 下
24 / 119

1話 凌辱

しおりを挟む

『大事なおはなしがあるので、放課後に体育倉庫前へ来てください』

 そんな短い手紙を、聖はある朝受け取った。
 下足棟の靴箱に入れられたそれは、古風なラブレターの雰囲気を醸している。
 白の便箋に書かれた文字はていねいで美しく、悪意のかけらも感じられなかった。
「何だろう。もしかして、告白?」
 それには首をかしげる、聖だ。
 成績もスポーツも、下ではないが抜きんでたところもない。
「そんな僕に、告白なんてないよね」
 ただ最近の自分は駿佑のおかげで血色がよく、表情も明るくなった。
 それに気づいた誰かが、目を付けたのかもしれない。
 そんな風に、考えた。
「僕は駿佑さんのことが好きだから、お断りしなきゃならないな」
 でも、相手を傷つけたくはない。
 どうやってお断りしようか、などと考えているうちに、あっという間に放課後になってしまった。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

私の初恋の人に屈辱と絶望を与えたのは、大好きなお姉様でした

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:6,705pt お気に入り:109

You're the one

BL / 完結 24h.ポイント:958pt お気に入り:63

獣人の恋人とイチャついた翌朝の話

BL / 完結 24h.ポイント:2,066pt お気に入り:32

初恋の王女殿下が帰って来たからと、離婚を告げられました。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:41,961pt お気に入り:6,941

好きだから手放したら捕まった

BL / 完結 24h.ポイント:1,334pt お気に入り:1,589

【完結短編】フリージアを嫌わないで

BL / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:341

突然、プロポーズされまして。

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:14

運命の番に出会った話

BL / 連載中 24h.ポイント:156pt お気に入り:1,001

未来も過去も

BL / 完結 24h.ポイント:461pt お気に入り:37

処理中です...