48 / 119
8
しおりを挟む「聖、どうだ?」
「……動けません」
「悦かったぞ」
「……すごかったです」
指先しか動かせない聖の体を、駿佑はウェットティッシュで拭き清めてあげた。
彼の体は、自ら放った精でひどく汚れていた。
それらを、駿佑はていねいに拭いてやった。
三人組に汚された身も心も、清めるかのように。
「聖はこれでよかったのか? 納得いったか?」
「……今は何も考えられません」
ふっ、と駿佑は笑った。
どうやら薬が効きすぎたようだ。
「来い。腕枕してやる」
甘えるように擦り寄って来た聖を、駿佑は懐に抱いた。
「明日の朝、何が食べたい?」
「……の……が……」
よく、聞き取れなかった。
それだけクタクタに疲れて、聖は眠ってしまったのだ。
「これでよかったんだろう、多分」
駿佑も、瞼を閉じた。
身を寄せ合って眠るベッドは、まるでつがいの巣のようだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
22
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる