胸に咲くは純白の花

大波小波

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「他には? 何か気を付けることを、言われたか?」
「はい。パートナーともよく話し合いなさい、って」
「それもそうだな」
 パートナー、か。
 これまでで一番幼い、その呼び名を持つ聖を、駿佑は見た。
「聖の様子を見ながら、セックスはするようにしよう。発情期を迎えたばかりのオメガは、体調を崩すこともあるからな」
「今日は、どうしますか?」
「……やる気満々だな」
 オメガ性の人間は、発情を迎えると、強くなるのかもしれない。
 そんな印象を、駿佑は聖に持った。
「昨夜やったんだから、今夜はよそう。毎日じゃ、身が持たないだろう」
「僕、平気です」
 そう言えば、と駿佑は考えた。
 事後にどんなにクタクタになっていても、ひと眠りすれば聖はすぐに潤いを取り戻す。
 今までも何度かオメガと付き合ったが、これほど回復力の早い子は初めてだ。
 それでも、駿佑は聖の体を案じた。
「とにかく、今日は我慢しなさい」
「はぁい」
 しかし聖は、じゃあ、と身を乗り出した。
「明日は、してくれますか?」
「……まいったな」
 年下の恋人に振り回され、強面の掃除人も形無しだ。

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