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しおりを挟む「駿佑さん、お風呂いいですよ」
「ありがとう」
聖は、先にシャワーを浴びて、バスタブで駿佑を待っていた。
ガラス戸が開き、彼が入って来る。
浮き浮きとその姿に目をやった聖だったが、思わず息を呑んだ。
駿佑の左上半身に、鮮やかな刺青が施されていたのだ。
「駿佑さん、一体……!?」
「やっぱり、驚いたか」
駿佑は何も言わず、シャワーを浴びた。
そんな彼から、聖は目が離せなかった。
左の肩甲骨から肩、そして左胸にまで、刺青が入っている。
ファッションタトゥーなどという軽いものではなく、いかにも極道の証のような和彫りだ。
シャワーを終え、バスタブに駿佑が入ってくるまで聖は無言だった。
だが、彼が傍にくるやいなや、その左腕を取った。
「どうして!?」
「責めたければ、責めてもいい」
そして、サヨナラしてもいい、とさえ駿佑は言った。
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