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しおりを挟む「おいとま……だと?」
「そう。いろいろお世話になっちゃって、ごめんね」
「いや、待て。もう少し、この屋敷にいるがいい」
「迷惑かけたら、悪いもん」
そんなことは無い。
もっと、ここに居て欲しい。
せめて、その心の傷が癒えるまで。
拓真は、そう言いたかった。
だが王者である彼は、お願いする言葉遣いが苦手だ。
あれこれ迷っていると、琉果の方から持ち掛けてきた。
「ね、御礼をするよ。今から、どう?」
「御礼?」
「借りは、作りたくないからね」
拓真は、フンと鼻で笑った。
「君に、私が喜ぶような御礼が用意できるとは、到底思えないが?」
「できるよ。簡単さ」
そう言って、琉果は唐突に服を脱ぎ始めた。
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