恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ~ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか?~

大波小波

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第十二章 ケンカするほど仲がいい?

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 琉果の夕食は、医療スタッフが運ぶことが通常だ。
 専門の厨房が備わっており、患者それぞれの状態に合わせて調理される。
 そこに今日は、水瀬が同行していた。
 琉果に、メンタルケアの診療を受ける意思があるか、確認するためだ。
 心の治療は非常にデリケートな問題で、当人が嫌だと言えば、延期せざるを得ない。
(きっと、琉果くんなら応じてくれる。彼は、強い子だ)
 そう願いながら、水瀬は夕食と共に琉果の病室へと入った。
「……えっ? どうして、拓真さまが、琉果くんのベッドに?」
「ああ、良い所に来たな。水瀬、そろそろ琉果を起こしてくれ」
「ちょ、あの? なぜ、お二人でベッドに? ……琉果くんが裸なのは、なぜですか!?」
「勘繰るな! 私は彼に、不埒なことは一切していない!」
 医療スタッフだけが冷静に、夕食が冷めないかと心配していた。

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