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しおりを挟む水瀬は琉果の眠るベッドへそろりと近づき、拓真の顔をうかがった。
「本当に、拓真さまは無実なのですね?」
「人を容疑者扱いするな。実は、琉果は屋敷を去ろうとしていたのだ」
「えっ!?」
見ると、確かにフロアには、琉果がはじめに着ていた服が脱ぎ捨ててある。
「なぜ、急にそんな」
驚きとまどう水瀬に、拓真は琉果の言動を語って聞かせた。
『いろいろお世話になっちゃって、ごめんね』
『迷惑かけたら、悪いもん』
『ね、御礼をするよ。今から、どう?』
水瀬もまた、胸を痛めた。
「何て、可哀想な……」
「二番目の里親とかいう男が、全ての元凶だ」
今はただ、拓真の胸にすがって、すやすやと眠っている琉果だった。
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