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 一週間後、遥は『特別なお客様』に指名を受けた。
「ゴールド会員様ですか?」
「オーナーの、葛城様だ。失礼のないように」
 松下に言いつけられ遥は恐縮したが、内心嬉しかった。
(オーナーさんの、お相手ができる!)
 闇クラブで商品として働き始めて、三週間が過ぎていた。
 性行為に未熟な、ほとんど白紙状態だった遥だ。
 なので、どんな変態行為も受け入れることはできたが、優しい了のことを思うと心が和む。
「今夜は、了さんが最後のお客様だといいな」
 先ほどまで、シルバー会員に痛めつけられていた体をシャワーで清めながら、鼻歌を歌う。
 新しい制服を身につけ、地下3階へと降りた。

「こんばんは、遥です。ご指名、ありがとうございます!」
「うん。久しぶりだな」
「一週間前に、お会いしましたよ」
「そうだったかな?」
 了はとぼけて見せたが、実はしっかり記憶している。
(あの時はパレードと花火を観て、その後ホテルへ行ったんだ)
 一週間程度で人が変わるとは思わなかったが、了は遥が気になった。

「さっきまで、何をしていた?」
「シルバー会員様を、接待していました」
「何をされた?」
「えっと……。鏡に向かって、ひとりエッチをさせられました」
 了は、指で額を押さえた。
(全く、どいつもこいつも変態ばかり!)
 私は違うつもりだ、と了は自分のことを棚に上げ、遥をベッドにいざなった。

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