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しおりを挟むカフェの帰りに立ち寄った店で、真輝は部屋着も購入していた。
「これがコットンの肌触りか。新鮮だ!」
「真輝さんは、シルク派ですもんね」
「いや、風呂上りにコットンは、なかなか気持ちがいいよ」
僕に一生懸命合わせてくれる、真輝さん。
でも、一言。
彼に告白しなくちゃならないことが、僕にはある。
「真輝さん。実は僕、お屋敷を出た時に、真輝さんに捨てられたんだ、って思いました」
「沙穂」
「ごめんなさい。お屋敷に入る前、バラの花束をいただいた時も、僕なんかすぐに飽きるだろう、って思ってて。それで」
真輝は、沙穂の手を取った。
では私も、一つ告白しよう、と真摯な目を向けた。
「倉木も言っていたように、私はこれまで多くの恋人と出会い、別れてきた」
パーティーの日も、恐れていた。
君を失うかもしれない、と。
「沙穂が私を嫌いになるか、私が沙穂を愛せなくなるか、とね」
臆病な男だと、叱ってくれ。
「だが、沙穂が本当に屋敷からいなくなってしまった時に、ようやく気が付いたんだよ」
「何に、ですか?」
「君は、私の全てだ。沙穂という存在は、私の中に深く根を張り、もう引きはがせない」
それを聞いた沙穂の目から、涙が一筋流れた。
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