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 どん、と石川は革製のショルダーバッグをテーブルに乗せた。
「特別ボーナスだ。取っとけ」
「これは……」
 バッグの中には、札束がぎっしり詰まっている。
 目を円くしている丈士に、石川は身を乗り出した。

「お前の育てた葉っぱの中に、いい線いけそうなブツが出た」
「本当ですか」
 次に石川は、コトリと手のひらサイズのスプレーボトルを置いた。
 中には、淡い黄色の液体が入っている。
「顔にひと噴きしてやれば、毛穴やら目、鼻、口の粘膜から成分が体内に浸透する。手軽で、便利な代物だ」
「どんな作用が?」
「覚醒感の後に、酩酊が来る。アップとダウン、両方楽しめるオイシイ薬だ」
 こいつは使える、と石川は丈士の肩を掴んでひとつ叩いた。
「お前も原崎会に。組長からの盃に、ふさわしい人間に一歩近づいたな」
「はい」

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