精霊さんの備忘録

ユーリ

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2,環境って重要ですよね。

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足の裏に湿った草を踏みつける感覚を覚え、昌はゆっくりと目を開けた。だか、何も視覚することができずブワッと汗が滲む。石ごと手をキツく握りしめ、何かに縋ろうと持てる認識能力をフル稼働させるが…かろうじて分かることは生温い気温と湿った空気、恐らく霧の中に裸足で立っていることだけ。

 怖い───…!!

一つの感情に支配され思考が停止する。
体を縮こませ気持ちを落ち着けることに集中する。突然の出来事になす術なくもなくうずくまる。

───どれほどの時間が過ぎただろうか…
 昌は静寂の中、一つまた一つと疑問を抱くまで落ち着けることが出来た。

 足の下には、草。……周りからは…なにも聴こえない?いや、水の音がする。正面だ。異臭はしないから汚染はされていないはず。…だったらいいなぁ。

当時を振り返り昌は、「何でもよかった。とにかく目の前の問題から逃げ──いや、問題を解決したかった」などと後に供述しており、また、もう少し冷静になるべきだった、でなければそこで朝まで丸まっておけばよかったと反省の意を述べている。
 
そろそろと水の音がする方におっかなびっくりのすり足で進む。途中から砂利で傷を作るが程なくして水に触ることが出来た。足先が冷たい水を感知し雫を足からすくい上げる。見知った感覚にほんのまわずかに安堵する。更には、持ったままの石に雫が触れると微かに淡く光はじめた。
 
 小さな光源にまたもや驚きと安らぎ。
光が無くては短時間でここまで人は弱るものなのだと実感した。
 だから、責めないで欲しい。段々と光が弱くなっている事に大きな焦りを覚え慌てて水の中に握りしめた拳のまま石をつけたことを…

どっぷぅんッ───

音をたてて豪快に水浴びをした石は期待通りにひかりはじめた。そして──石を構成する物質が煙のようにゆらめきながらにじみ出る。まるで石灰岩が乳白色の液体に変わるかのように、このままずっと浸けて置くとやがては水に溶け混ぜ合わさり消えてなくなってしまうのではないかと言う考えが過ぎる。
 今、これを失うことは出来ない。必ずこの事態の原因は石にある。失ったが最後どうなるかは想像し難くない。慌てて引き上げようとしたが、時すでに遅し。

「あっつ!」

 先ほどまで石にはなかったはずの熱が突如発生し急速に温度を上げ、火の中に手をいれたのではなないかと錯覚するするほどの高温になり思わず火傷した手を庇う。
 しかし、恐る恐る確認するが痛みは確かに存在するが外傷がまったく見られない。外傷が無ければ二次感染のリスクを負わなくてすむが、いかせん気味が悪い。更には、今の状況の鍵となる石も──もう手元にはない。
 最悪だった状態に輪をかけて最低な状況下になってしまった。

──だが、まだ希望はある。

 石が発光を止めないのは幸いだったかもしれない。お陰である程度辺りを見渡すことが出来た。水はどうやら小規模の泉だったようだ。確実に自分の行いのせいで申し訳のないことに高温の石でゴボゴボと煮えたぎってしまい元々霧が発生していた所に新たに蒸留水が濃度を増していく。
 泉を隠すかのように等間隔で立派な木樹が取り囲んで群生しているのが目視で把握出来る最大限だった。
  
 待て待て待て──!ここ外だとは薄々思ってたけど、どこかの林?下手したら森じゃん!どうする!どうしよ!でも、アレも拾っとかないと!……どうやって?………詰んだ。
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