死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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修羅が冒険者達に報酬を渡している間に俺はダンジョンで入手した魔石に魔力を込める作業を始める事にする。

魔石に魔力を込めるだけでその魔石の価値が何倍にもなるらしいし、ここの魔石に最大量まで魔力を込めておけば、売りさばいて金が足りないなんて事にはならないだろう。

モンスターは他者の魔石を喰らう事で自分の魔力量を高め、それが魔石の最大量に達すると進化する。

それの過程で通常種より、魔力量の高いモンスターを強化種と言う訳だ。

そして強化種から取れる魔石には魔力がたくさん詰まっているので、高く売れると言う訳だ。

俺は魔石に鑑定を発動させて、込められる魔力量を見ながら魔石に魔力を込めていく。

うん、このぐらいの量だったら消費量よりも回復量の方が上回るな。

ゴブリンの魔石が上限1300、ボブゴブリンが上限4000と俺にとっては余裕で最大まで魔力を込める事が出来る上に、魔力生成のスキルによって一分間に1パーセント回復するので、余裕で魔力を込め続ける事が出来る。

魔石に魔力を込めている過程で俺はとある事に気付いた。

それは魔石一つ一つに入っている魔力量は違うが、種族毎に最大魔力量は同じだと言う事だ。

ゴブリンの魔石の最大魔力量は全て1300だし、ボブゴブリンは4000で固定されている。

これはやはりモンスターの進化が関係してくるのだろう。

モンスターは魔石を食べて魔力を取り込み、それが自分の魔石の最大魔力量に達すると進化するみたいだから、進化に必要な魔力量はモンスターの種族毎に設定しているのではないか?

しかも俺の予想通りならこれを利用してモンスターを意図的に進化させることも可能だ。

そのモンスターの魔石の上限まで魔石を食べて魔力を取り込む事で進化するなら、俺が今しているように魔石に魔力を込めて、その魔力を込めた魔石をモンスターに食べさせれば簡単にそのモンスターの種族上限まで保有魔力をあげる事が出来るのではないか?

この方法が出来るならこの世界のモンスターをテイムする事が出来るなら簡単に進化させ続ける事が出来るじゃないか。

これは今度実験して確認するしか無いな。

俺は余裕がある時に実験しようと心に決め、作業を続けていった。

そして作業を開始してある程度経った所で、俺は全ての魔石に上限最大まで魔力を込める事が出来た。

「さて、魔石に魔力も込め終わったし、そろそろ帰るとするか」

俺は部屋から出て修羅に一言声を掛けてから冒険者ギルドを後にしようと考え、冒険者ギルドの受付に向かう。

俺が受付に出たところで周りを見渡し、修羅の姿を探す。

どうやら、修羅はすでに冒険者達に報酬を払い終えて、何故か騎士の様な人物と話をしている。

その様子を見ているとどうやら話はひと段落したようで、修羅は騎士から少し離れる。

騎士から離れた修羅は一度周りを見渡してから俺に気づき、こちらに向かって歩いてくる。

「ある…黒騎士、先ほど王族から迎えの使者が来た、だからこれから黒騎士には王城に向かってもらう…説明は使者の騎士に聞いてくれ」

修羅は俺にそう伝えるとギルド長室に行ってしまった。

修羅の奴一瞬俺の事を主殿って言いそうになったな。

それにしても王族から迎えの使者ねぇ…まぁ王都を守ったお礼って事だろう、そこまで遅くならないと良いんだが…

俺は先程まで修羅と話していた騎士達の方に向かい、話しかける事にする。

 「すまない、私に何か用があると言う事で来たのだが?」

俺が話しかけると直ぐに騎士の中で一番偉いであろう騎士が返事を返す。

「貴殿があのダンジョンのスタンスピードを1人で収めたという御仁か…失礼、私は王族直属の近衛騎士、コナーと申します、王が貴殿に直接感謝を申したいとの事で、きでんには これから私たちについて王城にきて貰いたい、よろしいか?」

王族直属の近衛騎士らしいコナーの問いに、俺は一度頷いて答える事にする。
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