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旅立ち
弐
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ふと、膨らみかけた桜のつぼみが目に入って足を止めた。蕾は青くまだ硬い。開花まで早くともひと月はかかるだろう。
ふと頭に影が差してゆっくりと顔を上げた。被っていたフードがはらりと落ちる。分厚い雲がゆっくりと太陽を覆い隠しているところだった。
「馬鹿、しっかり被ってろ」
そんな声とともに私の落ちたフードを深く被させたその人は、持っていたスーパーの買い物袋をひょいと取り上げると私の手を掴みずんずんと大股で歩き出す。
同じようにキャップを深く被った後頭部をぼんやりと見つめる。
「待って。お花を……」
「分かってる。スーパーで一緒に買った」
買い物袋には大根と一緒に榊の葉が刺さっている。
ありがとうと礼を言えば、応えるように握る手に力が込められた。
公共交通機関は移動中に何かがあった時に逃げ場がないという理由で、スーパーへは毎回往復1時間かけて徒歩で向かっている。
田んぼと民家しかない場所だ。隣家へは10分近く歩かなければたどり着かない。
本当は私以外のメンバーが行った方が安全だし面倒くさくないのだろうけれど、「ずっと家に篭もりっきりじゃさすがに嫌になるでしょ?」と買い物当番のメンバーに加えてくれたのだ。
家を囲う塀が見えてきた。次の瞬間、風がふわりと頬を撫でるような感覚がして冷水を浴びたように全身が冴え渡る。この家を守る結界だ。
結界を十枚近く通り抜けると、やがて門が見えてくる。平屋の一軒屋、ちょっとした大名屋敷みたいな広さだ。
最後の結界である門をくぐり抜ける。両手が塞がっている彼の代わりに私が玄関と鍵を開けると、その音に気付いたのか、長い廊下の奥からひょこっと皆が顔を出した。
「おかえり~! ポテチ買えた!?」
「二人ともおかえり。買い出しありがとね」
「おかえり、荷物運ぶの手伝うよ」
ぞろぞろと集まってくる皆に「ごめんね」と呟く。また巫寿が謝ってる、と誰かが笑って玄関は和やかな雰囲気に包まれた。
「あー……一個いい?」
眼鏡を押し上げながら手を挙げた。
「二人とも、随分仲良くなったみたいだね?」
視線が私にではなく私の左手に集まっている感覚がして視線を向ける。私の左手は、まだ彼の右手に包み込まれたままだった。
「こっ、これはこいつがフラフラしてるから! リードだリード!」
ブォン、とまるで野球ボールを投げるかのように勢いよく振り払われた。そんな様子に、アハハッと皆がお腹を抱えて笑い転げる。
ていうかリードってひどい……。
とにかく荷物運ぶよ、と言う一声に皆が買い物袋を中へ運び入れる。
みんなの背中を見つめ、後悔に似た感情がまた大きくなり始めたことに気づき勢いよくかぶりを振った。
夕食当番の三人が台所でドタバタ食材と格闘を始めたのを聞きながら、残った私たち二人で居間の神棚に榊を挿した。彼は脚立からひょいと飛び降りる。
最後に会った時に比べて随分伸びた髪に目を細める。
「ありがとう、慶賀くん」
「お礼を言われる程のことじゃねぇって!」
白い歯を見せてニカッと見せて前と変わらない笑顔を見せた慶賀くんは、神棚を見上げて静かに手を合わせる。その隣で私も静かに目を瞑った。
慶賀くんは深く息を吸って、穏やかな口調で奏上を始める。
「────今ここに 榊聖仁の命の御霊を称え 謹みて誄み奏し奉る 命 幼き頃より学業に励み 聡明にして志篤く 常に同胞の規範とならせ給えり」
これが誄詞という弔辞だということは、聖仁さんの神葬祭で薫先生から教えてもらった。亡くなった人の生前の功績や徳行を称えて、その死を悼む詞らしい。
"できればこんな詞、作りたくないし覚えたくないけどね"
そう呟いた横顔は酷く悲しげで、今でも胸に強く残っている。
今日は聖仁さんが亡くなってひと月経った、一回目の月命日だ。
「────しかるに或るとき 友危難に遭うや 命みずからを顧みず 一すじの勇み心をもってこれを救い ついにその尊き命を捧げ給えり その行いの真は天地に通い その清明の魂は今 高天原に帰り坐して 永久に安らかに鎮まり給わんことを祈り奉る 命の|御霊(みたま) 安らかに鎮まりましませ……」
全ての奏上が終わったあと、慶賀くんはゆっくり顔を上げた。その瞳は悲しげに揺らいでいて、静かに神棚を見つめている。
「俺、聖仁さんが亡くなったって話、隔離施設の部屋で聞いたんだ。だから神葬祭にも出席できてないし、最後に会ったときも普通に"またな聖仁さん!"って別れたと思う。だから、まだ聖仁さんが亡くなったって実感がないんだ」
唇を結んだ慶賀くんは今にも泣き出しそうな顔で鼻を赤くして私を見つめる。
「本当に、殺されたのか?」
息が詰まって、上手く呼吸できなかった。
床に崩れ落ちた亡き骸、輝きを失った目に半開きになった色のない唇。思い出す度に心臓は狂ったように乱れて拍動する。
「私の、せいなの」
あの日からどれほど泣いただろうか。泣いても聖仁さんは戻ってこない、悔やんでも私は許されない。そんなことは分かっているのに、毎晩どうしようもなく溢れて止まらない。
私がもっと早く過去を知っていたら、神々廻芽との関係に気付いていたら、誰かを巻き込むことはなかったのに。
「ごめん……! 目の前にいた巫寿たちの方がもっと辛いのに、こんなこと聞いて」
慶賀くんが信じられないと思う気持ちはわかる。私もそうだった。
次の日になれば食堂で顔を合わせて「おはよ、今日も頑張ろうね」と笑ってくれて、馬鹿なことをするクラスメイトたちを苦笑いで窘めて、夕飯を食べながら「最近瑞祥がね」と惚気話を聞かせてくれる。
そんな気がするのに、たしかに聖仁さんはもういなくて、心にぽっかりと穴が空いた虚しさだけが残っている。
「私が、私がもっと早くに────」
頭に広げた手ぬぐいが被せられた。シワひとつないピンとした手ぬぐいだ。
「雨降りそうだから、洗濯物取り込んできてくれ」
頭上からそんな声がした。いつもどうしようもなくなった時に、その声がふっと私に声をかけてくれる。
私はもう、そんなふうに優しさを与えられていい人間じゃないのに。
手ぬぐいを握りしめ、ゆっくりと立ち上がりひとつ頷く。
「洗濯物なら俺も手伝おっか?」
「お前がやったら皺だらけになるだろ。数ヶ月休学してた上ただでさえ馬鹿なんだから、勉強でもしとけ馬鹿」
「はぁ!? 馬鹿って言ったやつが馬鹿なんだよ!」
今の障子を閉める直前、僅かに目が合った。揺るがない瞳にじっと見つめられ、逃げるように障子を閉じた。
洗濯物を回収したあと濡れ縁に腰掛けて服を畳んでいると、廊下が軋む音がした。顔を上げるよりも先に洗濯の山の向こう側に誰かが腰を下ろす。
「恵衣くん……」
夕日が沈み烏が悠々と山へ帰っていく姿を眺めたあと、ちらりとこちらを伺って洗濯物に手を伸ばした。
「いい所だな、ここ。静かで、穏やかだ」
なんだかここへ来てから────いや、来る前からずっと、みんなに気を使わせてばかりだ。申し訳ない気持ちになると同時に、心配かけまいと笑みを浮かべる。少し安堵したように表情を崩した恵衣くんは丁寧にバスタオルの四角を合わせて畳み始めた。
「本当にいいところだね。発案者の来光くんに感謝しなきゃ」
「神修を発つにしても、寝泊まりする場所が確保できていなかったからな。薫先生の別荘なら誰も寄り付かないし丁度いい」
薫先生の別荘、正確には神々廻家の別荘で、長期休暇時は来光くんがお世話になっている家だ。
急遽神修を発つことになった私たちは、今、薫先生の家を借りて拠点にしている。
昔、この近くにわくたかむの社の分社があってそこを管理する神職さまがこの家を使っていたけれど、土地開発の影響で社を移すことになり、その後はすっかり忘れられた廃屋になっていたらしい。そこを薫先生が手入れして、来光くんと長期休暇を過ごすための今の形にしたのだとか。
神修を発つことは薫先生にも伝えず出てきた。
だから薫先生の家を隠れ家なんかにしてバレやしないかと心配だったけれど、普段は神修内の教員専用の独身寮で過ごしているらしく、来光くんも"春休みが始まるまでは大丈夫だろう"と言っていたので当面の拠点にさせてもらったのだ。
みんなを巻き込むつもりはなかった。一人でどうにかしようと思っていた。けれども今、こうしてまた皆に支えてもらっている。
私はやはり、弱い人間だ。
「ごめんね」
自然と漏れた言葉はやはり謝罪の言葉だった。
はぁ、と恵衣くんが小さくため息を吐き立ち上がった。そんな様子にぎゅっと首を縮める。
「言祝ぎを口にしろって言ってるだろ」
どこか遠慮気味に、叩くように頭に乗せられた手は不器用ながらも優しかった。
はっと顔をあげるともうその背中は遠ざかっており、綺麗に畳まれた洗濯物と頬にほんのりと淡い熱だけが残った。
ふと、膨らみかけた桜のつぼみが目に入って足を止めた。蕾は青くまだ硬い。開花まで早くともひと月はかかるだろう。
ふと頭に影が差してゆっくりと顔を上げた。被っていたフードがはらりと落ちる。分厚い雲がゆっくりと太陽を覆い隠しているところだった。
「馬鹿、しっかり被ってろ」
そんな声とともに私の落ちたフードを深く被させたその人は、持っていたスーパーの買い物袋をひょいと取り上げると私の手を掴みずんずんと大股で歩き出す。
同じようにキャップを深く被った後頭部をぼんやりと見つめる。
「待って。お花を……」
「分かってる。スーパーで一緒に買った」
買い物袋には大根と一緒に榊の葉が刺さっている。
ありがとうと礼を言えば、応えるように握る手に力が込められた。
公共交通機関は移動中に何かがあった時に逃げ場がないという理由で、スーパーへは毎回往復1時間かけて徒歩で向かっている。
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本当は私以外のメンバーが行った方が安全だし面倒くさくないのだろうけれど、「ずっと家に篭もりっきりじゃさすがに嫌になるでしょ?」と買い物当番のメンバーに加えてくれたのだ。
家を囲う塀が見えてきた。次の瞬間、風がふわりと頬を撫でるような感覚がして冷水を浴びたように全身が冴え渡る。この家を守る結界だ。
結界を十枚近く通り抜けると、やがて門が見えてくる。平屋の一軒屋、ちょっとした大名屋敷みたいな広さだ。
最後の結界である門をくぐり抜ける。両手が塞がっている彼の代わりに私が玄関と鍵を開けると、その音に気付いたのか、長い廊下の奥からひょこっと皆が顔を出した。
「おかえり~! ポテチ買えた!?」
「二人ともおかえり。買い出しありがとね」
「おかえり、荷物運ぶの手伝うよ」
ぞろぞろと集まってくる皆に「ごめんね」と呟く。また巫寿が謝ってる、と誰かが笑って玄関は和やかな雰囲気に包まれた。
「あー……一個いい?」
眼鏡を押し上げながら手を挙げた。
「二人とも、随分仲良くなったみたいだね?」
視線が私にではなく私の左手に集まっている感覚がして視線を向ける。私の左手は、まだ彼の右手に包み込まれたままだった。
「こっ、これはこいつがフラフラしてるから! リードだリード!」
ブォン、とまるで野球ボールを投げるかのように勢いよく振り払われた。そんな様子に、アハハッと皆がお腹を抱えて笑い転げる。
ていうかリードってひどい……。
とにかく荷物運ぶよ、と言う一声に皆が買い物袋を中へ運び入れる。
みんなの背中を見つめ、後悔に似た感情がまた大きくなり始めたことに気づき勢いよくかぶりを振った。
夕食当番の三人が台所でドタバタ食材と格闘を始めたのを聞きながら、残った私たち二人で居間の神棚に榊を挿した。彼は脚立からひょいと飛び降りる。
最後に会った時に比べて随分伸びた髪に目を細める。
「ありがとう、慶賀くん」
「お礼を言われる程のことじゃねぇって!」
白い歯を見せてニカッと見せて前と変わらない笑顔を見せた慶賀くんは、神棚を見上げて静かに手を合わせる。その隣で私も静かに目を瞑った。
慶賀くんは深く息を吸って、穏やかな口調で奏上を始める。
「────今ここに 榊聖仁の命の御霊を称え 謹みて誄み奏し奉る 命 幼き頃より学業に励み 聡明にして志篤く 常に同胞の規範とならせ給えり」
これが誄詞という弔辞だということは、聖仁さんの神葬祭で薫先生から教えてもらった。亡くなった人の生前の功績や徳行を称えて、その死を悼む詞らしい。
"できればこんな詞、作りたくないし覚えたくないけどね"
そう呟いた横顔は酷く悲しげで、今でも胸に強く残っている。
今日は聖仁さんが亡くなってひと月経った、一回目の月命日だ。
「────しかるに或るとき 友危難に遭うや 命みずからを顧みず 一すじの勇み心をもってこれを救い ついにその尊き命を捧げ給えり その行いの真は天地に通い その清明の魂は今 高天原に帰り坐して 永久に安らかに鎮まり給わんことを祈り奉る 命の|御霊(みたま) 安らかに鎮まりましませ……」
全ての奏上が終わったあと、慶賀くんはゆっくり顔を上げた。その瞳は悲しげに揺らいでいて、静かに神棚を見つめている。
「俺、聖仁さんが亡くなったって話、隔離施設の部屋で聞いたんだ。だから神葬祭にも出席できてないし、最後に会ったときも普通に"またな聖仁さん!"って別れたと思う。だから、まだ聖仁さんが亡くなったって実感がないんだ」
唇を結んだ慶賀くんは今にも泣き出しそうな顔で鼻を赤くして私を見つめる。
「本当に、殺されたのか?」
息が詰まって、上手く呼吸できなかった。
床に崩れ落ちた亡き骸、輝きを失った目に半開きになった色のない唇。思い出す度に心臓は狂ったように乱れて拍動する。
「私の、せいなの」
あの日からどれほど泣いただろうか。泣いても聖仁さんは戻ってこない、悔やんでも私は許されない。そんなことは分かっているのに、毎晩どうしようもなく溢れて止まらない。
私がもっと早く過去を知っていたら、神々廻芽との関係に気付いていたら、誰かを巻き込むことはなかったのに。
「ごめん……! 目の前にいた巫寿たちの方がもっと辛いのに、こんなこと聞いて」
慶賀くんが信じられないと思う気持ちはわかる。私もそうだった。
次の日になれば食堂で顔を合わせて「おはよ、今日も頑張ろうね」と笑ってくれて、馬鹿なことをするクラスメイトたちを苦笑いで窘めて、夕飯を食べながら「最近瑞祥がね」と惚気話を聞かせてくれる。
そんな気がするのに、たしかに聖仁さんはもういなくて、心にぽっかりと穴が空いた虚しさだけが残っている。
「私が、私がもっと早くに────」
頭に広げた手ぬぐいが被せられた。シワひとつないピンとした手ぬぐいだ。
「雨降りそうだから、洗濯物取り込んできてくれ」
頭上からそんな声がした。いつもどうしようもなくなった時に、その声がふっと私に声をかけてくれる。
私はもう、そんなふうに優しさを与えられていい人間じゃないのに。
手ぬぐいを握りしめ、ゆっくりと立ち上がりひとつ頷く。
「洗濯物なら俺も手伝おっか?」
「お前がやったら皺だらけになるだろ。数ヶ月休学してた上ただでさえ馬鹿なんだから、勉強でもしとけ馬鹿」
「はぁ!? 馬鹿って言ったやつが馬鹿なんだよ!」
今の障子を閉める直前、僅かに目が合った。揺るがない瞳にじっと見つめられ、逃げるように障子を閉じた。
洗濯物を回収したあと濡れ縁に腰掛けて服を畳んでいると、廊下が軋む音がした。顔を上げるよりも先に洗濯の山の向こう側に誰かが腰を下ろす。
「恵衣くん……」
夕日が沈み烏が悠々と山へ帰っていく姿を眺めたあと、ちらりとこちらを伺って洗濯物に手を伸ばした。
「いい所だな、ここ。静かで、穏やかだ」
なんだかここへ来てから────いや、来る前からずっと、みんなに気を使わせてばかりだ。申し訳ない気持ちになると同時に、心配かけまいと笑みを浮かべる。少し安堵したように表情を崩した恵衣くんは丁寧にバスタオルの四角を合わせて畳み始めた。
「本当にいいところだね。発案者の来光くんに感謝しなきゃ」
「神修を発つにしても、寝泊まりする場所が確保できていなかったからな。薫先生の別荘なら誰も寄り付かないし丁度いい」
薫先生の別荘、正確には神々廻家の別荘で、長期休暇時は来光くんがお世話になっている家だ。
急遽神修を発つことになった私たちは、今、薫先生の家を借りて拠点にしている。
昔、この近くにわくたかむの社の分社があってそこを管理する神職さまがこの家を使っていたけれど、土地開発の影響で社を移すことになり、その後はすっかり忘れられた廃屋になっていたらしい。そこを薫先生が手入れして、来光くんと長期休暇を過ごすための今の形にしたのだとか。
神修を発つことは薫先生にも伝えず出てきた。
だから薫先生の家を隠れ家なんかにしてバレやしないかと心配だったけれど、普段は神修内の教員専用の独身寮で過ごしているらしく、来光くんも"春休みが始まるまでは大丈夫だろう"と言っていたので当面の拠点にさせてもらったのだ。
みんなを巻き込むつもりはなかった。一人でどうにかしようと思っていた。けれども今、こうしてまた皆に支えてもらっている。
私はやはり、弱い人間だ。
「ごめんね」
自然と漏れた言葉はやはり謝罪の言葉だった。
はぁ、と恵衣くんが小さくため息を吐き立ち上がった。そんな様子にぎゅっと首を縮める。
「言祝ぎを口にしろって言ってるだろ」
どこか遠慮気味に、叩くように頭に乗せられた手は不器用ながらも優しかった。
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