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獣愛派、全国獣毛人権連盟

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 鑑定の結果、灰ポーションは良品お墨付きだけど買取不可、青ポーションは大銀貨1枚、翠ポーションは口止め料として1つ差し上げた。
 店頭では青ポーションを大銀貨2枚で売っているのだが、素材が高く技術も必要なので値下げ不可&買取制限で月に5つまで単価大銀貨1枚だ。

「コレ、ありがとうございます。研究させてもらいますね」
「はい、参考になればいいんですけど」
 無理だろうな。がんばってください。

 癒水はいい物だったけど、あんまりお金にはならなかったな。勿論自分で安く売り出せば儲かるだろうけど、ややこしい事になるのが目に見えてる。
 冒険者ギルドでの出来事は忘れよう。



 帰宅すると、冒険者ギルドから伝言があった。明日来てほしいんだそうだ。
 顔出しつらいんやが?何事も無かった風に行くしか無いな。
「じゃあ明日はギルドに行ってくるわ」
「それが、デイガン君とミミナちゃんも来てほしいらしいよ。僕も一緒に行くよ」
「なんだ?2人は登録もしてないのに、なにか言ってたか?」
「何も。急いで帰っちゃったよ」
 まぁ、明日行けば分かるか。やましい事はあるがやばかったら逃げるぜ!



 翌日、4人でぞろぞろと出頭だ。気分が重い、昨日のことは忘れてくれ。
 なんとなく専用窓口と化したトトリさんに顔を出した。
「おはようございますトトリさん。なにか御用があるとか」
「おはようございます、トトナです。以前にポールさんが獣人村について聞いていたのを思い出しまして。つきましては先にそちらの2人に話をさせてください」
「はぁ、お前らいいな。答えにくいことは無理しなくていい」
「はい、お聞きします」
(こくり)

「お二人は奴隷ですか?」
「いえ、迷子だったのを助けてもらいました」
 これは以前に決めておいたでっち上げストーリーだ。助けに来た場所も最初のかっこいい俺の言葉までバッチリ練り込んであるぜ。

「奴隷紋が無いか、確認してもよろしいですか?」
「はい。でも妹を調べるなら他の場所でお願いします」
「大丈夫ですよ、すぐわかりますから。・・・・・・はい、大丈夫です」
 やっぱり疑ってたのか。俺は無罪です!誰も殺してません!この街では金を掻っ払うくらいでガタガタ言わないだろ?罪に問いたいなら殺されてから言え。


「これはまだ一部でしか知られていない話なんですが、ポールさんを獣愛派閥と見込んでお話します」
「はい、はい?」
「実は、例の獣人村で獣人狩りが行われているらしく、激怒した獣人側と人間との間で諍いになっているんです」
「はぁ」

「人間側の領主も強硬な姿勢なので、このままでは武力衝突は避けられません。その前にギルドからも仲介交渉が行われる予定なんです」
「なるほど」
「身の危険があり、重要な任務でもあることから、交渉役は信頼出来る上級冒険者から選ばれます。ですが、現在この街には獣愛派の上級冒険者がいないんです!」

 さっきから獣愛派ってなんなんだ?この人大丈夫か?

「そこで注目されたのが、獣人の子供を保護して獣人村を探しているポールさんなんです。ポールさんに上級冒険者になっていただいて、ギルドからの使者とするのが我ら全毛連の総意です」

「わかりました。それでどうしたらいいんですか」
 わからないけどもういいや。

「ありがとうございます。やっていただきたいのは、第一に上級冒険者への試練をクリアすること。第二にギルドの使者として獣人の暴走を抑え、問題を解決する事です」

「報酬は?」

「奴隷商……、大金……、最近まで住居不定……」

「やりましょう。獣人達を救いたい気持ちは俺も同じです」
「流石ポールさん!上級冒険者になったら証拠の無い疑いなんて吹き飛ばせますからね!それに、上級冒険者になったら女性にもウケがいいですよ」
「はっはっはっ!そうきますか!はっはっはっ!」
「うふふふふふ!」


 全毛連か。いつか叩き潰してやるぞ。
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