44 / 83
獣愛派、全国獣毛人権連盟
しおりを挟む
鑑定の結果、灰ポーションは良品お墨付きだけど買取不可、青ポーションは大銀貨1枚、翠ポーションは口止め料として1つ差し上げた。
店頭では青ポーションを大銀貨2枚で売っているのだが、素材が高く技術も必要なので値下げ不可&買取制限で月に5つまで単価大銀貨1枚だ。
「コレ、ありがとうございます。研究させてもらいますね」
「はい、参考になればいいんですけど」
無理だろうな。がんばってください。
癒水はいい物だったけど、あんまりお金にはならなかったな。勿論自分で安く売り出せば儲かるだろうけど、ややこしい事になるのが目に見えてる。
冒険者ギルドでの出来事は忘れよう。
帰宅すると、冒険者ギルドから伝言があった。明日来てほしいんだそうだ。
顔出しつらいんやが?何事も無かった風に行くしか無いな。
「じゃあ明日はギルドに行ってくるわ」
「それが、デイガン君とミミナちゃんも来てほしいらしいよ。僕も一緒に行くよ」
「なんだ?2人は登録もしてないのに、なにか言ってたか?」
「何も。急いで帰っちゃったよ」
まぁ、明日行けば分かるか。やましい事はあるがやばかったら逃げるぜ!
翌日、4人でぞろぞろと出頭だ。気分が重い、昨日のことは忘れてくれ。
なんとなく専用窓口と化したトトリさんに顔を出した。
「おはようございますトトリさん。なにか御用があるとか」
「おはようございます、トトナです。以前にポールさんが獣人村について聞いていたのを思い出しまして。つきましては先にそちらの2人に話をさせてください」
「はぁ、お前らいいな。答えにくいことは無理しなくていい」
「はい、お聞きします」
(こくり)
「お二人は奴隷ですか?」
「いえ、迷子だったのを助けてもらいました」
これは以前に決めておいたでっち上げストーリーだ。助けに来た場所も最初のかっこいい俺の言葉までバッチリ練り込んであるぜ。
「奴隷紋が無いか、確認してもよろしいですか?」
「はい。でも妹を調べるなら他の場所でお願いします」
「大丈夫ですよ、すぐわかりますから。・・・・・・はい、大丈夫です」
やっぱり疑ってたのか。俺は無罪です!誰も殺してません!この街では金を掻っ払うくらいでガタガタ言わないだろ?罪に問いたいなら殺されてから言え。
「これはまだ一部でしか知られていない話なんですが、ポールさんを獣愛派閥と見込んでお話します」
「はい、はい?」
「実は、例の獣人村で獣人狩りが行われているらしく、激怒した獣人側と人間との間で諍いになっているんです」
「はぁ」
「人間側の領主も強硬な姿勢なので、このままでは武力衝突は避けられません。その前にギルドからも仲介交渉が行われる予定なんです」
「なるほど」
「身の危険があり、重要な任務でもあることから、交渉役は信頼出来る上級冒険者から選ばれます。ですが、現在この街には獣愛派の上級冒険者がいないんです!」
さっきから獣愛派ってなんなんだ?この人大丈夫か?
「そこで注目されたのが、獣人の子供を保護して獣人村を探しているポールさんなんです。ポールさんに上級冒険者になっていただいて、ギルドからの使者とするのが我ら全毛連の総意です」
「わかりました。それでどうしたらいいんですか」
わからないけどもういいや。
「ありがとうございます。やっていただきたいのは、第一に上級冒険者への試練をクリアすること。第二にギルドの使者として獣人の暴走を抑え、問題を解決する事です」
「報酬は?」
「奴隷商……、大金……、最近まで住居不定……」
「やりましょう。獣人達を救いたい気持ちは俺も同じです」
「流石ポールさん!上級冒険者になったら証拠の無い疑いなんて吹き飛ばせますからね!それに、上級冒険者になったら女性にもウケがいいですよ」
「はっはっはっ!そうきますか!はっはっはっ!」
「うふふふふふ!」
全毛連か。いつか叩き潰してやるぞ。
店頭では青ポーションを大銀貨2枚で売っているのだが、素材が高く技術も必要なので値下げ不可&買取制限で月に5つまで単価大銀貨1枚だ。
「コレ、ありがとうございます。研究させてもらいますね」
「はい、参考になればいいんですけど」
無理だろうな。がんばってください。
癒水はいい物だったけど、あんまりお金にはならなかったな。勿論自分で安く売り出せば儲かるだろうけど、ややこしい事になるのが目に見えてる。
冒険者ギルドでの出来事は忘れよう。
帰宅すると、冒険者ギルドから伝言があった。明日来てほしいんだそうだ。
顔出しつらいんやが?何事も無かった風に行くしか無いな。
「じゃあ明日はギルドに行ってくるわ」
「それが、デイガン君とミミナちゃんも来てほしいらしいよ。僕も一緒に行くよ」
「なんだ?2人は登録もしてないのに、なにか言ってたか?」
「何も。急いで帰っちゃったよ」
まぁ、明日行けば分かるか。やましい事はあるがやばかったら逃げるぜ!
翌日、4人でぞろぞろと出頭だ。気分が重い、昨日のことは忘れてくれ。
なんとなく専用窓口と化したトトリさんに顔を出した。
「おはようございますトトリさん。なにか御用があるとか」
「おはようございます、トトナです。以前にポールさんが獣人村について聞いていたのを思い出しまして。つきましては先にそちらの2人に話をさせてください」
「はぁ、お前らいいな。答えにくいことは無理しなくていい」
「はい、お聞きします」
(こくり)
「お二人は奴隷ですか?」
「いえ、迷子だったのを助けてもらいました」
これは以前に決めておいたでっち上げストーリーだ。助けに来た場所も最初のかっこいい俺の言葉までバッチリ練り込んであるぜ。
「奴隷紋が無いか、確認してもよろしいですか?」
「はい。でも妹を調べるなら他の場所でお願いします」
「大丈夫ですよ、すぐわかりますから。・・・・・・はい、大丈夫です」
やっぱり疑ってたのか。俺は無罪です!誰も殺してません!この街では金を掻っ払うくらいでガタガタ言わないだろ?罪に問いたいなら殺されてから言え。
「これはまだ一部でしか知られていない話なんですが、ポールさんを獣愛派閥と見込んでお話します」
「はい、はい?」
「実は、例の獣人村で獣人狩りが行われているらしく、激怒した獣人側と人間との間で諍いになっているんです」
「はぁ」
「人間側の領主も強硬な姿勢なので、このままでは武力衝突は避けられません。その前にギルドからも仲介交渉が行われる予定なんです」
「なるほど」
「身の危険があり、重要な任務でもあることから、交渉役は信頼出来る上級冒険者から選ばれます。ですが、現在この街には獣愛派の上級冒険者がいないんです!」
さっきから獣愛派ってなんなんだ?この人大丈夫か?
「そこで注目されたのが、獣人の子供を保護して獣人村を探しているポールさんなんです。ポールさんに上級冒険者になっていただいて、ギルドからの使者とするのが我ら全毛連の総意です」
「わかりました。それでどうしたらいいんですか」
わからないけどもういいや。
「ありがとうございます。やっていただきたいのは、第一に上級冒険者への試練をクリアすること。第二にギルドの使者として獣人の暴走を抑え、問題を解決する事です」
「報酬は?」
「奴隷商……、大金……、最近まで住居不定……」
「やりましょう。獣人達を救いたい気持ちは俺も同じです」
「流石ポールさん!上級冒険者になったら証拠の無い疑いなんて吹き飛ばせますからね!それに、上級冒険者になったら女性にもウケがいいですよ」
「はっはっはっ!そうきますか!はっはっはっ!」
「うふふふふふ!」
全毛連か。いつか叩き潰してやるぞ。
57
あなたにおすすめの小説
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる