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第1章
#11.胸騒ぎ
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時間も忘れて四葉の遊びに付き合っていると、いつの間にか夕方五時を過ぎていた。
そういえばわたしたちは新しい家族に夢中で昼食を摂っていなかった。
突然思い出したように襲ってくる空腹感に耐え切れず立ち上がる。
キッチンへ向かい冷蔵庫を覗き見るが、夕食になりそうな食材は残っていなかった。
「ごめん。夕飯のお買い物に行かなくちゃ。すぐ帰るから、四葉お願いね」
わたしがそう言うと彼は驚いたような声を漏らした。
不思議に思い振り返ると彼も立ち上がっていた。
「いっしょに行こう。車出すから」
「すぐそこだよ?」
「なら、歩いて行こう」
そう言って玄関へ向かう彼。まあいいかと深くは追及せず、四葉をケージの中へ連れ戻すとわたしも玄関へ向かった。
いつもならこれくらいの時間にわたしが一人で外出することも気にも留めない彼が、なんだか今日はやけに過保護だ。
なにかあったのだろうか。
玄関へ向かうと、彼はすでに靴を履き玄関を開けて待っていた。
彼がこちらに手を伸ばしてきたため、持っていた生活費用の財布を渡す。
彼は受け取ったそれをジーンズの後ろポケットに入れるとわたしの準備を待った。
買い物中、行き帰りの道中、彼は言葉も発さぬままひたすらわたしの隣を歩いた。時折厳しい目で辺りを見回しては、ため息をつくような姿も見られた。
「何かあったの?」
「大丈夫、何もないよ」
そうは言うが緊張の糸は解けない。
おそらく仕事上でこの近辺の事件あるいは事故の情報を得ていて、それを警戒しているのだろう。
そう考えると今日の彼の行動は納得できた。
夕方にわたしを一人で外出させたがらないのも、急に犬を飼うと言い始めたことも、今日の買い物にわたしを付き合わせたわけも……。
時間も忘れて四葉の遊びに付き合っていると、いつの間にか夕方五時を過ぎていた。
そういえばわたしたちは新しい家族に夢中で昼食を摂っていなかった。
突然思い出したように襲ってくる空腹感に耐え切れず立ち上がる。
キッチンへ向かい冷蔵庫を覗き見るが、夕食になりそうな食材は残っていなかった。
「ごめん。夕飯のお買い物に行かなくちゃ。すぐ帰るから、四葉お願いね」
わたしがそう言うと彼は驚いたような声を漏らした。
不思議に思い振り返ると彼も立ち上がっていた。
「いっしょに行こう。車出すから」
「すぐそこだよ?」
「なら、歩いて行こう」
そう言って玄関へ向かう彼。まあいいかと深くは追及せず、四葉をケージの中へ連れ戻すとわたしも玄関へ向かった。
いつもならこれくらいの時間にわたしが一人で外出することも気にも留めない彼が、なんだか今日はやけに過保護だ。
なにかあったのだろうか。
玄関へ向かうと、彼はすでに靴を履き玄関を開けて待っていた。
彼がこちらに手を伸ばしてきたため、持っていた生活費用の財布を渡す。
彼は受け取ったそれをジーンズの後ろポケットに入れるとわたしの準備を待った。
買い物中、行き帰りの道中、彼は言葉も発さぬままひたすらわたしの隣を歩いた。時折厳しい目で辺りを見回しては、ため息をつくような姿も見られた。
「何かあったの?」
「大丈夫、何もないよ」
そうは言うが緊張の糸は解けない。
おそらく仕事上でこの近辺の事件あるいは事故の情報を得ていて、それを警戒しているのだろう。
そう考えると今日の彼の行動は納得できた。
夕方にわたしを一人で外出させたがらないのも、急に犬を飼うと言い始めたことも、今日の買い物にわたしを付き合わせたわけも……。
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