14 / 28
第2章
#2.志乃の想い(2)
しおりを挟む
.
玄関先へ着いた頃、現実を思い知らされ茫然と立ち尽くした。
夢であればいいとどれだけ切に願ったことか。
僕のせいだと思った。
僕があの時ちゃんと彼女の声を聴いていれば、話をしていれば、引き留めていれば、こんなことにはならなかっただろう。
自責の念が突如押し寄せてくる。
苦しい、吐きそうだ。眩暈がする。
怖い。
様々な感情が僕の心を襲った。
その時、家のなかからどたどたと忙しない足音が聞こえた。
どうやら子供がいるようだ。
遠くで聞こえるようなその音を茫然と聞いていた。
玄関先へ一人の少女が飛び出してきた。
少女はこちらへ気が付くと、おどおどとした様子で僕に声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
一瞬、体が強張るのを感じた。
目の前の少女は、驚くほどに幼いころの彼女にそっくりだった。
「大丈夫、ありがとう」
そう答えると少女は、ほんの少しだけ表情を和らげた。
「君、近所の子?」
問うと少女は首を振った。
「いとこです。下野弥代っていいます」
「ああ、いとこか……」
そう言えば、以前聞いたことがある。
彼女にはいくつか年の離れたいとこが居て、長期休暇には必ず遊びに来ているということ。
それがこの子だったのか。
彼女は一人っ子だったから、幼い頃から妹を欲しがっていた。
きっとこの子のこともたくさん可愛がっていたのだろう。
思考を巡らせていると、再び玄関が開かれた。
そこには、黒い喪服に身を包んだ数名の客人たちと彼女の父親が立っていた。
なんとなく罪悪感を覚えた。彼女の父は僕を招き入れると、まっすぐ自室へ向かっていった。
玄関先へ着いた頃、現実を思い知らされ茫然と立ち尽くした。
夢であればいいとどれだけ切に願ったことか。
僕のせいだと思った。
僕があの時ちゃんと彼女の声を聴いていれば、話をしていれば、引き留めていれば、こんなことにはならなかっただろう。
自責の念が突如押し寄せてくる。
苦しい、吐きそうだ。眩暈がする。
怖い。
様々な感情が僕の心を襲った。
その時、家のなかからどたどたと忙しない足音が聞こえた。
どうやら子供がいるようだ。
遠くで聞こえるようなその音を茫然と聞いていた。
玄関先へ一人の少女が飛び出してきた。
少女はこちらへ気が付くと、おどおどとした様子で僕に声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
一瞬、体が強張るのを感じた。
目の前の少女は、驚くほどに幼いころの彼女にそっくりだった。
「大丈夫、ありがとう」
そう答えると少女は、ほんの少しだけ表情を和らげた。
「君、近所の子?」
問うと少女は首を振った。
「いとこです。下野弥代っていいます」
「ああ、いとこか……」
そう言えば、以前聞いたことがある。
彼女にはいくつか年の離れたいとこが居て、長期休暇には必ず遊びに来ているということ。
それがこの子だったのか。
彼女は一人っ子だったから、幼い頃から妹を欲しがっていた。
きっとこの子のこともたくさん可愛がっていたのだろう。
思考を巡らせていると、再び玄関が開かれた。
そこには、黒い喪服に身を包んだ数名の客人たちと彼女の父親が立っていた。
なんとなく罪悪感を覚えた。彼女の父は僕を招き入れると、まっすぐ自室へ向かっていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる