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第6章 山の中の孤児院
善人カリタス
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王宮は火消えてしまったかのようにひっそりと静まり返っていた。あれからエリザリー女王は起き上がることもできずに床に臥せていた。ワーロン将軍の報告を聞いてずっとそのままの状態が続いていたのだ。心身ともに日ごとに弱られている・・・お世話をするサランサはその姿を見るたび、心が痛んでいた。
(父のせいでこんなことに・・・)
しかも今はリーカーが父の命令を受けたマーカスによって追われている。彼女にできるのは王宮の情報を白フクロウでリーカーに伝えることだけだった。しかしそれが少しでも助けになっているのか・・・。
(リーカー様。どうかご無事で・・・)
彼女はそう祈っていた。
◇◇◇◇
ウイッテはまたリーカーを追っていた。貯蔵庫であそこまで追い詰めながら、自らの詰めの甘さに腹が立っていた。あの時、油断せずにすべてを見届けていたなら・・・。しかもマークスがハイスの魔法を解くという余計なことをしたばっかりに、リーカーをまた取り逃がすという結果に終わってしまった。
「ウイッテ! どうなっておるのだ!」
怒りに満ちた声が聞こえてきた。するとそこに人の姿が浮かび上がってきた。あわててウイッテはひれ伏した。
「お許しを・・・。あと一歩のところで。次こそは必ず!」
ウイッテはおびえながらも、その人影に言った。
「早く始末するのだ。リーカーもエミリーも。もう待てぬぞ」
「はっ。このウイッテにお任せを」
ウイッテは地面に頭をつけんばかりに下げた。
「よく覚えておくのだ。用なしは生きることは許されぬと」
そう言ってその人影は消えた。ウイッテは頭を上げて起き上がった。
「必ず探し出してやる。奴はこの近くにいるはず」
ウイッテは額の冷や汗を拭きつつ、水晶玉でリーカーたちの動きを見ていた。
◇◇◇◇
サランサはワーロン将軍の執務室の前で隠れて中の様子を探っていた。今日もマークスから魔法の黒カラスで報告が来ているが、リーカーを捕捉で来てないということだった。それを聞いてサランサはほっとしていた。このまま捕まらずに逃げおおせるようにと祈っていた。
「ここで何をされております?」
いきなり背後から声をかけられた。振り返るとそこにザウス隊長がいた。
「いえ、父に会いにと思いましたが、来客のようなのでこれで・・・」
サランサは頭を下げてその場を去ろうとしていた。
「待たれよ!」
ザウス隊長が声をかけた。いつもならそのままにするはずが、今日はそうではなかった。
「どういたしました?」
サランサは内心びくびくしながらもできるだけ笑顔を作った。
「いえ、先頃、反逆者のリーカーに連絡を取る者がありましてな」
ザウス隊長は意味ありげに言った。
「それはそれは・・・。お困りのようですわね」
「確かにけしからぬことと思います。ワーロン将軍がいろいろと頭を悩まされているというのに。足を引っ張る者がいるとは」
ザウス隊長は嫌味をこめてサランサに言った。
「いけないお方もあるのですね。それでは私はこれで。急ぎますので」
サランサはその場をすぐに離れようと軽く頭を下げて行こうとした。
「サランサ様。リーカーは反逆者であることをお忘れなく。肩入れした者はたとえ近しい者でもワーロン将軍はお許しになりませんぞ」
ザウス隊長はサランサの背後からそう言葉を投げつけた。
◇◇◇◇
次の日になった。カリタスは朝早く、狩りに出かけて行った。リーカーは一晩中、エミリ―のそばに付き添っていた。薬草のせいか、ずっと暖炉のそばでゆっくり寝られたせいか、エミリーの顔色はよくなり、熱も下がった。マリーが手桶の水を持ってきてエミリーの額の濡れた布を取り換えた。
「よかったわ。よくなって」
マリーがエミリーに声をかけた。
「ありがとう。もう元気よ」
エミリーは起き上がろうとしたが、マリーが押しとどめた。
「まだだめよ。もっと良くなるまで寝ているのよ。」
「はーい。」
エミリーはすこし不本意だったが、言われる通りにまた横になった。その様子を傍らにいるリーカーが眺めていた。
「マリーさん。エミリーはよくなったようだ。あらためて礼を言う」
「いいえ、大したことはしていませんわ。それよりお嬢さんが元気になるのを他の子供たちが待っているんですよ」
マリーが窓に顔を向けると、子供たちが中をのぞいていた。
「ここに他の人が来るのは珍しいのです。特に子供は。だからあの子たちはお嬢さんと遊びたがっているんです」
マリーはそう言った。リーカーはここに来た時から違和感を覚えていた。この山の中にこれほど多くの子供がいるというのは・・・。カリタスの子供にしては多すぎるし、他に大人はいないようだったからだ。リーカーは尋ねた。
「ここには他に大人はおられぬのか?」
「ええ、そうです。私が一番年上です。でも17ですけれどね」
「これほど多くの子供がなぜ?」
「不思議でしょう。ここに来た人は皆そう尋ねるわ。この子供たちは孤児なの」
「孤児?」
意外な言葉にリーカーは聞き直した。
「ええ、この山にはかつては山賊がいて、多くの人が命を落としたそうです。それで両親が殺されて生き残った子供をカリタスさんがここに連れて来て育てたのが始まりで、それからは疫病が流行って孤児になった子や親に捨てられた子、人買いから逃げてきた子も引き取っているんです。子供が多い方が寂しくないだろうと・・・」
「そうだったのか。しかし大変だろう。これだけの子供を養い、世話をするというのは」
リーカーがそう言うとマリーはうなずいた。
「ええ。最初は苦労したと聞いていたけど、今は近くの村の人たちがいろいろ持ってきてくれて助けてくれているわ。それもカリタスさんがここを助けてもらえるように方々の人たちに声をかけているから」
「それでやっていけるのだな」
「私も親に捨てられたのをカリタスさんに助けられて育ててもらったのです。カリタスさんはここにいる子供にとって実の親以上の存在なのです」
マリーはそう言った。その話にリーカーは深くうなずいた。
◇◇◇◇
カリタスは森で狩りをしていた。獲物を取ってその肉を食べ、余った肉や毛皮は遠くにある村に売りに行く。それで自分や子供たちの暮らしを支えていた。だがこの生活を昔からしているわけではなかった。彼には人に語れない過去があった。それを封印してカリタスは今を生きていた。
「久しぶりだな。ディック!」
カリタスはいきなり後ろから声をかけられた。振り返ると数人の男たちがにやにや笑って立っていた。
「私はディックではない!」
カリタスはそう言って立ち去ろうとしたが、男の一人がカリタスの腕を捕まえた。
「そう冷たいことを言うな。昔の仲間じゃねえか。なあ、ディック!」
カリタスは捕まれた手を振り払った。
「私に構うな。私はもう昔のディックじゃないんだ。」
「ふふふ。やっぱりディックだ。皆殺しのディックさんよ!」
男がそう言うと、カリタスは右手でその男の胸ぐらをつかんで顔をぐっと近づけた。
「その名を二度と言うな!」
カリタスの目は怒りで吊り上がった。リーダーらしい男がにやにや笑いながら言った。
「そうよそうよ。それこそディックよ。お前に用があって来たんだ」
「用とはなんだ? サタン」
カリタスはつかんだ男の胸ぐらを押すように放した。サタンと呼ばれた男が答えた。
「いい稼ぎがあるんだ。賞金首だ。お前の腕がいる」
「断る!」
カリタスは即座に答えた。
「どうしてもか?」
「ああ、どうしてもだ。他所を当たれ!」
カリタスはそれだけ言って後ろを向いて歩き出した。
「お前はきっと俺たちに仲間になる。待っているぜ!」
サタンは笑いながらカリタスの背中に向かってそう言葉を投げかけていた。
◇◇◇◇
マークスたちは魔法の黒カラスを放ってリーカーの居場所を突き止めようとしていた。だがその行方はようとしてつかめなかった。
「これほど探してわからぬとなると・・・」
マークスは考えを巡らせていた。
「空中から発見できぬところ、どこかの家や建物の中でしょうか?」
ミラウスは地図を広げた。
「うむ。だが村々には触れを出している。罰を受けるのを覚悟でかくまっている者はそういないだろう。よそ者が村や町に潜伏するのは難しいかもしれない」
「ではどこに?」
ミラウスは首をひねった。
「深い森はどうだ? 木々に隠れれば魔法の黒カラスから姿を隠せる。いや、森の中の小屋でもいいだろう」
マークスがそう言うとミラウスがまた地図を調べた。
「それならこのベーク村に通じる山はどうでしょうか。確か鬱蒼とした森になっているはずです」
「まずはそこを探してみるか」
マークスは腰を上げた。そして馬にまたがってそこに向かおうとした。すると上空に白フクロウが見えた。
(あれは!)
それはこの旅でよく見かける白フクロウだった。リーカーのいるところにその姿を必ず現した。マークスにはその白フクロウが何かを必死に探しているように見えた。
(あの白フクロウもリーカーを探し求めている。見つけ出せないでいるのか・・・)
マークスはそう思った。彼にはその白フクロウの持ち主がはっきりわかっていた。そのことは彼の心に衝撃を与え続けていた。
(どうしてあの方がそうまでして・・・)
マークスは何かやりきれない気持ちだった。わが身のことも顧みず、そこまでリーカーのために・・・。
(サランサ様。一体あなたはどうされたいのか!)
マークスは直接、サランサに尋ねてみたかった。だがその答えを聞くことは彼にとって耐えられないことだが・・・。
マークスはリーカーが無実ではないかと疑い始めていた。しかしかつての部下を斬り、サランサの心を奪っているリーカーに味方する気は起きなかった。エミリーを無事にこちらに取り戻すことは絶対だが、リーカーに対しては厳しい態度で臨むことを決めていた。
(父のせいでこんなことに・・・)
しかも今はリーカーが父の命令を受けたマーカスによって追われている。彼女にできるのは王宮の情報を白フクロウでリーカーに伝えることだけだった。しかしそれが少しでも助けになっているのか・・・。
(リーカー様。どうかご無事で・・・)
彼女はそう祈っていた。
◇◇◇◇
ウイッテはまたリーカーを追っていた。貯蔵庫であそこまで追い詰めながら、自らの詰めの甘さに腹が立っていた。あの時、油断せずにすべてを見届けていたなら・・・。しかもマークスがハイスの魔法を解くという余計なことをしたばっかりに、リーカーをまた取り逃がすという結果に終わってしまった。
「ウイッテ! どうなっておるのだ!」
怒りに満ちた声が聞こえてきた。するとそこに人の姿が浮かび上がってきた。あわててウイッテはひれ伏した。
「お許しを・・・。あと一歩のところで。次こそは必ず!」
ウイッテはおびえながらも、その人影に言った。
「早く始末するのだ。リーカーもエミリーも。もう待てぬぞ」
「はっ。このウイッテにお任せを」
ウイッテは地面に頭をつけんばかりに下げた。
「よく覚えておくのだ。用なしは生きることは許されぬと」
そう言ってその人影は消えた。ウイッテは頭を上げて起き上がった。
「必ず探し出してやる。奴はこの近くにいるはず」
ウイッテは額の冷や汗を拭きつつ、水晶玉でリーカーたちの動きを見ていた。
◇◇◇◇
サランサはワーロン将軍の執務室の前で隠れて中の様子を探っていた。今日もマークスから魔法の黒カラスで報告が来ているが、リーカーを捕捉で来てないということだった。それを聞いてサランサはほっとしていた。このまま捕まらずに逃げおおせるようにと祈っていた。
「ここで何をされております?」
いきなり背後から声をかけられた。振り返るとそこにザウス隊長がいた。
「いえ、父に会いにと思いましたが、来客のようなのでこれで・・・」
サランサは頭を下げてその場を去ろうとしていた。
「待たれよ!」
ザウス隊長が声をかけた。いつもならそのままにするはずが、今日はそうではなかった。
「どういたしました?」
サランサは内心びくびくしながらもできるだけ笑顔を作った。
「いえ、先頃、反逆者のリーカーに連絡を取る者がありましてな」
ザウス隊長は意味ありげに言った。
「それはそれは・・・。お困りのようですわね」
「確かにけしからぬことと思います。ワーロン将軍がいろいろと頭を悩まされているというのに。足を引っ張る者がいるとは」
ザウス隊長は嫌味をこめてサランサに言った。
「いけないお方もあるのですね。それでは私はこれで。急ぎますので」
サランサはその場をすぐに離れようと軽く頭を下げて行こうとした。
「サランサ様。リーカーは反逆者であることをお忘れなく。肩入れした者はたとえ近しい者でもワーロン将軍はお許しになりませんぞ」
ザウス隊長はサランサの背後からそう言葉を投げつけた。
◇◇◇◇
次の日になった。カリタスは朝早く、狩りに出かけて行った。リーカーは一晩中、エミリ―のそばに付き添っていた。薬草のせいか、ずっと暖炉のそばでゆっくり寝られたせいか、エミリーの顔色はよくなり、熱も下がった。マリーが手桶の水を持ってきてエミリーの額の濡れた布を取り換えた。
「よかったわ。よくなって」
マリーがエミリーに声をかけた。
「ありがとう。もう元気よ」
エミリーは起き上がろうとしたが、マリーが押しとどめた。
「まだだめよ。もっと良くなるまで寝ているのよ。」
「はーい。」
エミリーはすこし不本意だったが、言われる通りにまた横になった。その様子を傍らにいるリーカーが眺めていた。
「マリーさん。エミリーはよくなったようだ。あらためて礼を言う」
「いいえ、大したことはしていませんわ。それよりお嬢さんが元気になるのを他の子供たちが待っているんですよ」
マリーが窓に顔を向けると、子供たちが中をのぞいていた。
「ここに他の人が来るのは珍しいのです。特に子供は。だからあの子たちはお嬢さんと遊びたがっているんです」
マリーはそう言った。リーカーはここに来た時から違和感を覚えていた。この山の中にこれほど多くの子供がいるというのは・・・。カリタスの子供にしては多すぎるし、他に大人はいないようだったからだ。リーカーは尋ねた。
「ここには他に大人はおられぬのか?」
「ええ、そうです。私が一番年上です。でも17ですけれどね」
「これほど多くの子供がなぜ?」
「不思議でしょう。ここに来た人は皆そう尋ねるわ。この子供たちは孤児なの」
「孤児?」
意外な言葉にリーカーは聞き直した。
「ええ、この山にはかつては山賊がいて、多くの人が命を落としたそうです。それで両親が殺されて生き残った子供をカリタスさんがここに連れて来て育てたのが始まりで、それからは疫病が流行って孤児になった子や親に捨てられた子、人買いから逃げてきた子も引き取っているんです。子供が多い方が寂しくないだろうと・・・」
「そうだったのか。しかし大変だろう。これだけの子供を養い、世話をするというのは」
リーカーがそう言うとマリーはうなずいた。
「ええ。最初は苦労したと聞いていたけど、今は近くの村の人たちがいろいろ持ってきてくれて助けてくれているわ。それもカリタスさんがここを助けてもらえるように方々の人たちに声をかけているから」
「それでやっていけるのだな」
「私も親に捨てられたのをカリタスさんに助けられて育ててもらったのです。カリタスさんはここにいる子供にとって実の親以上の存在なのです」
マリーはそう言った。その話にリーカーは深くうなずいた。
◇◇◇◇
カリタスは森で狩りをしていた。獲物を取ってその肉を食べ、余った肉や毛皮は遠くにある村に売りに行く。それで自分や子供たちの暮らしを支えていた。だがこの生活を昔からしているわけではなかった。彼には人に語れない過去があった。それを封印してカリタスは今を生きていた。
「久しぶりだな。ディック!」
カリタスはいきなり後ろから声をかけられた。振り返ると数人の男たちがにやにや笑って立っていた。
「私はディックではない!」
カリタスはそう言って立ち去ろうとしたが、男の一人がカリタスの腕を捕まえた。
「そう冷たいことを言うな。昔の仲間じゃねえか。なあ、ディック!」
カリタスは捕まれた手を振り払った。
「私に構うな。私はもう昔のディックじゃないんだ。」
「ふふふ。やっぱりディックだ。皆殺しのディックさんよ!」
男がそう言うと、カリタスは右手でその男の胸ぐらをつかんで顔をぐっと近づけた。
「その名を二度と言うな!」
カリタスの目は怒りで吊り上がった。リーダーらしい男がにやにや笑いながら言った。
「そうよそうよ。それこそディックよ。お前に用があって来たんだ」
「用とはなんだ? サタン」
カリタスはつかんだ男の胸ぐらを押すように放した。サタンと呼ばれた男が答えた。
「いい稼ぎがあるんだ。賞金首だ。お前の腕がいる」
「断る!」
カリタスは即座に答えた。
「どうしてもか?」
「ああ、どうしてもだ。他所を当たれ!」
カリタスはそれだけ言って後ろを向いて歩き出した。
「お前はきっと俺たちに仲間になる。待っているぜ!」
サタンは笑いながらカリタスの背中に向かってそう言葉を投げかけていた。
◇◇◇◇
マークスたちは魔法の黒カラスを放ってリーカーの居場所を突き止めようとしていた。だがその行方はようとしてつかめなかった。
「これほど探してわからぬとなると・・・」
マークスは考えを巡らせていた。
「空中から発見できぬところ、どこかの家や建物の中でしょうか?」
ミラウスは地図を広げた。
「うむ。だが村々には触れを出している。罰を受けるのを覚悟でかくまっている者はそういないだろう。よそ者が村や町に潜伏するのは難しいかもしれない」
「ではどこに?」
ミラウスは首をひねった。
「深い森はどうだ? 木々に隠れれば魔法の黒カラスから姿を隠せる。いや、森の中の小屋でもいいだろう」
マークスがそう言うとミラウスがまた地図を調べた。
「それならこのベーク村に通じる山はどうでしょうか。確か鬱蒼とした森になっているはずです」
「まずはそこを探してみるか」
マークスは腰を上げた。そして馬にまたがってそこに向かおうとした。すると上空に白フクロウが見えた。
(あれは!)
それはこの旅でよく見かける白フクロウだった。リーカーのいるところにその姿を必ず現した。マークスにはその白フクロウが何かを必死に探しているように見えた。
(あの白フクロウもリーカーを探し求めている。見つけ出せないでいるのか・・・)
マークスはそう思った。彼にはその白フクロウの持ち主がはっきりわかっていた。そのことは彼の心に衝撃を与え続けていた。
(どうしてあの方がそうまでして・・・)
マークスは何かやりきれない気持ちだった。わが身のことも顧みず、そこまでリーカーのために・・・。
(サランサ様。一体あなたはどうされたいのか!)
マークスは直接、サランサに尋ねてみたかった。だがその答えを聞くことは彼にとって耐えられないことだが・・・。
マークスはリーカーが無実ではないかと疑い始めていた。しかしかつての部下を斬り、サランサの心を奪っているリーカーに味方する気は起きなかった。エミリーを無事にこちらに取り戻すことは絶対だが、リーカーに対しては厳しい態度で臨むことを決めていた。
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