2 / 63
婚約者達のスレ1 *挿絵あり
しおりを挟むこのお話は変態が5人・・・いや6人?出てきます。
スレッド内では言葉も現代風に乱れてます。ご注意ください。
─────────────────────
1. 浮気なクソ王子の婚約者 2021/10/02 09:06
で~んか♡
昨日のでんか、とっても素敵でしたぁ
殿下が逞し過ぎて私ちょっぴり腰いた~い
でもクセになりそう
私を虜にした責任とって下さいね
殿下♡
ですってよ
自白おつ
録音した!
朝から髪の毛も頭の中もまっピンクですこと
わざとワタクシに聞こえるように言ってマウント取ってた
それが自分の首を絞めてる事に気づいてない時点で程度が知れてるわね
ていうかそれよりも王子スマイルのまま鼻の下だけ伸びてる殿下がキモかった
顔の長さおかしいキモい死んでキモい
2人仲良く爆ぜろ
2. 浮気な陰湿メガネの婚約者 2021/10/02 09:08
キモい3回言ったwww
笑顔のまま鼻の下だけ伸ばせるって
逆にすごくない?
試しにやってみたけど出来なかった
さすが王子ですわ
3. 浮気な脳筋バカの婚約者 2021/10/02 09:10
ちょwww着眼点おかしいwww
淑女が鼻の下伸ばしちゃダメでしょwww
いま授業中だからやめれwww
4. 浮気な成金もやしの婚約者 2021/10/02 09:15
わたしもお手洗いの帰りにチラっと見ましたわ
描いてみた
こんな感じだった
5. 浮気なマザコン男の婚約者 2021/10/02 09:16
wwwwwwwwwwww
ちょwwwマジで授業中だからwwww
6. 浮気なクソ王子の婚約者 2021/10/02 09:16
そっくり……ですわ……ぶふっ
wwwwwwwwwwwww
wwwwwwww
7. 浮気な脳筋バカの婚約者 2021/10/02 09:16
そっくりなの?wwwww
美形王子どこ行ったwww
ていうか皆www
真顔で黒板見ながら体震えてるwwww
耐えて皆wwwww
淑女教育の成果を今こそ示す時だぞwwww
8. 名無しの魔術師 2021/10/02 09:17
おれ、映像で撮った
静止画切り取った
こんな感じだった
9. 浮気なクソ王子の婚約者 2021/10/02 09:17
リアル来たーーーーwwwwww
10. 浮気な陰湿メガネの婚約者 2021/10/02 09:17
ちょwwwwなぜ似てるwwwww
揶揄でもなんでもなかったwwwwww
見たまんまだったwwwwww
成金もやしさんの才能開花wwwwww
11. 浮気な脳筋バカの婚約者 2021/10/02 09:18
美形王子の衝撃的瞬間が写ってるwwwwww
2人とも何故あえて半目の王子をチョイスしたwww
wwwww何度も言うけど授業中wwwww
12. 浮気なマザコン男の婚約者 2021/10/02 09:18
さすがウチの魔道具wwwww
画像キレイ過ぎwwww
気持ち悪いですわwwwwww
そして成金もやしさん絵うますぎwwwww
特徴を的確にとらえてるwwww
13.浮気な成金もやしの婚約者 2021/10/02 09:19
お褒めにあずかり光栄ですわ
刺繍案にしても良いですよwwwww
14. 浮気なクソ王子の婚約者 2021/10/02 09:20
王子の誕生日にこの顔を刺繍したハンカチ
プレゼントしようかしらwwwwww
――――――――――――――――――――――
「エゼル、昨日と今日撮った映像はマクガイア公爵に渡したの?」
「放課後に魔鳥飛ばして送ったよ」
「そう、ありがとう」
私の執務室でくつろぎながら、着々と婚約破棄の準備を進めていく。
私はブリジット・カーライル。
カーライル侯爵家の長女で、次期『王家の影』の当主。
我が国の諜報機関のトップは代々女性が務めている。
表の顔は王家御用達の老舗カーライル商会を経営していて、私は商会内のランジェリーコレクションのデザイナーでもある。
元々王女が臣籍降下して興した女系の家門であり、体質的に魅了や洗脳などの精神干渉魔法の耐性が強い。
そして女系の影だけにハニートラップを得意としているのもある。
男達も在籍しているけど、『王家の影』の精鋭部隊は女性のみで構成されている。
「それにしても、エゼルが作った新しい伝達魔法の『スレッド』のおかげで皆が元気になってきたわ。本当にありがとう」
「俺はブリジットの言う通りに魔術を開発しただけだよ。魔法陣に刻んだ魔力を持つ人間だけで伝言履歴を共有するっていう発想は面白かった。影の仕事道具でも使えそうだよな」
「そうね。指定した人間以外には伝言が見えない仕様になっているのはとても便利だわ。わざわざ顔合わせなくても連絡できるから、より隠密行動に時間をさけるわね」
「一般で売るには少し制限をかけた方がいいかもな。悪事にでも使われたらたまったもんじゃない」
エゼルがスレッドの魔法陣を空間に出現させ、対応策を考える。
「そうね。もし一般で販売するなら法律に触れるような事があった際には、商会が閲覧して第三機関に渡せる決まりにした方がいいかも」
今回、5人の婚約者達を繋いでいるスレッドは、ステータス表示魔法を伝達用にアレンジしたもの。
登録した魔力の持ち主だけに見える空間掲示板と言えば良いのかしら。
実は私には、生まれた時から日本人だった前世の記憶がある。
今回作った掲示板スレッドも、前世の世界にあったものだ。
そしてそれはスレッドだけに止まらず、カーライル商会で私の発案で作った商品達は、全て前世の知識を元にして作ったものだった。
コルセット無しのランジェリーコレクションも、私がコルセットが嫌いで身につけたくないが為に、前世の下着を再現しただけ。
何故私が記憶を抱えたままこの世界に生まれ変わったのかはわからない。
正直、前世の記憶なんてない方が良かった。
前世での最期は悲しいもので、今でも思い出すと胸が引き裂かれるように痛む。
でもこの世界に生まれて、父と母に愛されて、少しずつ悲しい記憶は思い出に変わっていった。
魔法が使える事が楽しくて、商会の新商品を考えるのが楽しくて────私はいつしか、この今世の生を楽しんでいた。
再び生き直せた事に、素直に喜びを感じていた。
ただ一つだけ、恋愛が出来ない事を除いては──。
でも、する気もない。
前世の悲しみを繰り返す気はないから。
親に決められた人と結婚して、貴族令嬢の務めを果たすだけ。そう思っていたのだけど────、
結局今世でも、ダメになった。
「今までアリア以外の人とは表面的な付き合いしかなかったけど、今回スレッドでお互いの辛い気持ちを共有する事で、連帯感が生まれて仲間としての絆が出来た気がするわ」
「そうだな。まあ、だんだんスレッド内での皆の言葉使いが荒れてきてるように思うが……」
「いいじゃない、スレッド以外では私達は完璧な淑女よ?」
そう言って得意げに笑うと、エゼルが苦笑する。
「その切り替わった時の差が怖いけどな。でもまあ、皆元気そうで何よりだよ」
私達の絆はずばり、共通の目標である『婚約破棄』を達成し、男共を社会的に抹殺すること。
これに尽きる。
私の執務室の三人掛けソファで横になっているエゼルこと、エゼルバート・ドレイクは、代々優秀な魔術師を生み出しているドレイク公爵家の三男だ。
母親が従姉妹同士で私の再従兄弟であり、幼馴染でもある。
彼は魔力量自体は兄達ほどではないけれど、新しい魔術と魔道具作りの天才だ。彼が作った魔道具はカーライル商会の主力商品となっている。
影の諜報で扱う魔道具を開発してもらう為に、エゼルにも我が家が王家の影であることを打ち明けた。しかも打ち明ける前に他言しないという魔法契約を結んでもらった上で。
ちょっと一方的過ぎたと思ったけど、エゼルはなんの抵抗もなく魔法契約を了承してくれた。
本当にいいのかと何度か確認を取ったら『ブリジットだからいいんだよ。俺はお前の事だけは信頼してる』といって自分から魔法契約の魔法を詠唱した。
無条件で信頼してくれるエゼルの心が嬉しかった。
私も婚約者とそんな信頼関係を築けていたら、婚約破棄なんて事態にならなくて済んだのだろうか。
───いや、それはないか。
前世だけでなく、今世も結婚相手を女に寝取られるなんて、私はどうしたって男運に恵まれないらしい。
恋愛などせずに1人で生きていけという啓示なのかもしれない。
「ブリジット。お前は何も悪くない。どんな事情があるにせよ、婚約者がいる身で浮気する方が悪いんだ。どんな結果になろうとアイツらの自業自得だよ」
「……そうよね。心配しないで。最後までやり遂げてみせるから」
次代の王家の影として、私は国を脅かすかもしれない種を刈り取らなければならない。
それが現当主から受けた試練なのだから。
でも私が動くのはそれだけが理由じゃない。
彼等を許せないからだ。
彼女達を傷つけ、泣かせたことを。
国の為を思って幼い頃から厳しい教育に耐え、彼らの為に尽くしてきた彼女達の努力を、あのバカ男達は無に帰そうとしている。そんなの許せるわけない。
きちんとケジメはつけていただきますわ。
371
あなたにおすすめの小説
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


