【完結】影を使って婚約者の秘密を暴いたら、とんでもないことになりました。

ハナミズキ

文字の大きさ
62 / 63

ずっと二人で *R18

しおりを挟む

布ズレの音と二人の吐息、淫らな水音が腰に響き、体の奥に溜まった熱がどんどん膨れ上がっていく。

子供の頃からずっと一緒にいた泣き虫の男の子は、いつの間にか私よりも逞しく、大きくなった体で私を組み敷き、一糸纏わぬ私の体を貪っている。


「あ、あ……エゼル……ああっ、エゼル!それダメ!やっ……おかしくなる……っ」

「可愛いな、ブリジット……これ気持ちいい?」


私の足の間に陣取っているエゼルは、指の腹でくるくると円を描くように花芯を撫でまわし、もう片方の手は蜜口に指を入れて私の中を優しくほぐしている。

そして指をくの字に曲げ、花芯の裏側をグリグリと撫でまわした。外側と内側から同時に敏感な部分を刺激され、強い快感が私を襲う。


「やあっ、それ無理っ!イッちゃ……イっちゃうから!」

「イっていいよ。もっと俺の手で乱れて沢山鳴いて?」


蕩けたような甘い声でそう呟くと、エゼルは私の胸の先端に口を寄せ、しゃぶりついた。


「やっ、エゼル!!」


吸いながら舌で先端を嬲られ、もう片方の胸も揉しだかれ、時折指で先端を弄ばれる。

私の中を掻き回す指と激しい胸の愛撫に、体の奥から押し寄せる快感の波が弾け、頭が真っ白になった。

瞼の裏がチカチカと点滅し、体が勝手にビクビクと痙攣する。



「ああ、可愛い……ごめんブリジット、俺もう限界っ」


ギュッと私を強く抱きしめると、エゼルが私の秘部に固くなった怒張を何度も擦り付ける。


「あ、あっん……ひあっ」

「ブリジット……痛いかもしれないけど、もう挿れてもいい? 我慢できない……っ」


切羽詰まったような声が耳元で響く。
その声だけで感じてしまい、反射的に腰が浮いた。

心の底から私を欲しがる切ない声に、胸がキュンと締め付けられ、下腹部が疼く。


私も欲しい。

エゼルの全部が欲しい。


苦しそうな顔をしているエゼルを抱き寄せ、私から口付けた。彼を求めるように舌を絡め、両足をエゼルの腰に巻き付ける。


「ブリジット……っ」

「いいわ、エゼル。来て」

「……っっ」

「あああっ」



ズンっと下腹部に衝撃が走る。

ミチミチと狭路をこじ開けながらエゼルの怒張が一気に私を貫き、その圧迫感に息が止まる。


「ごめんっ、ブリジット……痛いか?」

「ん……はあっ、はあ……ん、大丈夫。圧迫感が……すごいけど、そこまで痛くないよ。だから、動いて大丈夫」

「うん……ゆっくり、動くから」


そう言ってゆっくりとエゼルが私の中から出たり入ったりと、ゆるやかな律動を繰り返す。

エゼルが沢山ほぐしてくれたから、痛みはないけど内臓を押し上げられているような感覚がまだ慣れない。


「ああっ……ブリジット……くっ、力抜いてくれ……っ。そんな吸い付かれたら俺が持たない……っ」

「む、無理……っ、やり方、わからな……っ」


前世で経験あるとはいえ、そんな遥か昔のことなんて覚えてないし、今の私はついさっきまで処女だったのだから、力の加減なんて高度なことは出来ない。

すると何かを堪えるように深呼吸をしたエゼルが顔を寄せ、私をあやすように何度も口付け、舌を絡めた。

そして深く口付けたまま結合部の上で主張したままの花芯を親指で弄られ、その突き抜けるような快感に腰が震える。


エゼルの口付けと花芯への刺激に気を取られていると、最初よりもスムーズに律動が行われ、次第に速度を増していった。

ギラギラとした瞳で私を揺さぶるエゼルの色気に、クラクラする。

「愛してる」と何度も繰り返し囁きながら、その燃えるような独占欲で私の体中に所有印を落とし、身も心も自分の色に染めようとする。



そんな強い愛を、私は一晩中この身に受けた。



とても、心が満たされた夜だった。










気づけば、もう夜空が白みがかっている。

エゼルの腕の中で微睡みながら、どうして私が前世の記憶を持って生まれたのかを、ふと考えた。

香澄の記憶があるせいで、私はずっと生きづらかった。なかなか人の愛情を素直に受け取ることが出来ず、大人ぶった可愛くない子供だったと思う。

でもエゼルはそんな私に救われたと言った。

私がいなければ、卑屈になってろくでもない人間になっていたと──。


『ブリジットだけは、魔術師の素質がない俺を憐れまず、そのままの俺を見てくれた。そして俺でも知らなかった能力を引き出してくれた。人間不信だった俺に人を好きになる気持ちを教えてくれた。今の俺を作ったのは間違いなくブリジットだよ。だからお前は俺にとってずっと特別な女だった。俺のすべてだった』


想いが通じたばかりの頃、私のどこを好きになったのかと聞いた時に言われたこと。

そんな大それたことをした覚えはなかったけれど、エゼルにとっては救いだったという。



だとしたら、私が前世の記憶を持って生まれたことも意味があったのだと思えた。むしろエゼルを助けるためだったのかもしれないとさえ思えた。

たとえ神様の気まぐれで、何の意味もなかったとしても、そう思っている方が私も救われる。


だって目の前のエゼルが幸せそうだから──。


誰がどう言おうと、エゼルのその表情が答えなのだ。




「何を考えてる?」


私の髪を指にくるくると巻き付けながらエゼルが問う。


「何で私は前世の記憶を持って生まれたのかなって」

「哲学的だな。……それで? 答えはわかったのか?」

「うん。きっとエゼルと出会うためだったんだなって。エゼルとこうしてずっと一緒にいるために、前世の記憶が必要だったのかなって──今はそう思う」


エゼルは私の出した答えを聞いて数秒目を見開くと、くしゃりと泣きそうな笑顔を浮かべ、私を強く抱きしめた。


「お前は俺を悶え死にさせるつもりか」

「何よそれ」


クスクスと笑いながら、私の肩口に甘えるように顔を埋めている夫の頭を撫でる。


「好きだ……ブリジット。死ぬほど好きだ。愛してる」

「うん。私も愛してる。私の身も心も全部、エゼルのものだよ」


本心を伝えると、エゼルはゆっくりと顔を上げ、本当に嬉しそうに、幸せそうに微笑んだ。


顔中に降り注ぐキスの雨に酔いしれながら、愛する夫の腕の中で再び微睡む。




「俺と出会ってくれてありがとう、ブリジット。今までも、これからも。俺たちはずっと一緒だ」

「うん」




今度こそ、愛する人と幸せになりたい。

香澄の時には掴めなかった幸せを、エゼルとならきっと掴めると信じてる。



「二人で、幸せになろうね」



睡魔に襲われながら、愛しい夫の温もりと香りに包まれ、私の意識は夢の中へと旅立った。







──────────────────────

次回最終話です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

貴方が側妃を望んだのです

cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。 「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。 誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。 ※2022年6月12日。一部書き足しました。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。  史実などに基づいたものではない事をご理解ください。 ※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。  表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。 ※更新していくうえでタグは幾つか増えます。 ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

処理中です...