3 / 9
「最弱の村」 side勇者一行
しおりを挟む
「ちゃんと荷物は持ったかえ?着替えと、タオル、それから、、、なんじゃったろうか?」
杖をつき、背中をまげながらもこの村の長老は俺達の荷物の確認をしていく。
「ばあちゃん、ちゃんと持ったから大丈夫だよ。着替えようのパンツだって3枚もある!」
自信満々に答えた俺はカイ=エフォート。
村のソンボウ?ってやつを守るためにこの村から出て、魔王を倒しに行かなくてはならないらしい。
だが、この村には若者と呼ばれる類の者が極端に少ない。
そのため、選ばれたのが俺ってわけだ。
何も1人で行く訳では無い。
「おいおい、カイ。もっと必要なものがあるだろう?」
苦笑いを浮かべながら窘めてくる、エルド=テンダー。
兄的存在で、俺達のまとめ役だ。
そして、
「あんた、なに下品な事言ってんのよ!」
顔を真っ赤にして喚く純情ガール。
もとい、リリー=エトワール。
この村の若い人間で唯一の女。
まぁ、性格はガサツで俺よりも男らしいけど。
この3人で、今日この村を発つ。
「カイや、勇者の印はもったかえ?それをなくしたら勇者という肩書きまでなくなってしまうからねぇ。ちゃんと気ぃつけなさいねぇ。」
そう、聞いて驚け。
俺は勇者の末裔だ。
と言っても、俺は両親が居ないため勇者だったじいちゃんに育てられた。
そのじいちゃんももういない。
ただ、じいちゃんは決まって二人きりの時に魔王の話をしてくれたんだ。
「俺はな、昔魔王と戦ったんだ。奴は本気を出すこともしていなかったが、奴との戦いは楽しかったよ。きっと俺はもう奴との約束を守ることができないだろう。だから、カイ。お前が奴との約束を果たしてくれないか?」
魔王のことを話す時、じいちゃんは優しそうな顔をする。
皆が殺そうと躍起になっている魔王だけど、本当に悪いやつなのか。
それを確かめるためにも早く魔王をみつけなくては。
「ちゃんと持った。じゃあ行こうか!」
これ以上小言を言われたくなくて逃げるように出発しようとするが襟首を杖で捕まえられ、進めなくなる。
「なにすんだよ!」
バッと後ろを振り返るといつもとは違い、緊張したような引き締まった表情をしている長老。
「カイ、エルド、リリー。この村は最弱の村と呼ばれ、蔑まれてきた。しかし、それが戦うすべを持たぬからではないことはお主らもよく知っておろう。いいか、お前達が変えるのだ。この村のことなら心配するな。我らはこの村を守る為なら戦える。主らは主らのすべきことをやれ!」
いつになく力がこもった長老の声。
激励されているようでむず痒くなる。
「「「任せとけ!!」」」
さぁ、俺達の旅はここから始まる。
杖をつき、背中をまげながらもこの村の長老は俺達の荷物の確認をしていく。
「ばあちゃん、ちゃんと持ったから大丈夫だよ。着替えようのパンツだって3枚もある!」
自信満々に答えた俺はカイ=エフォート。
村のソンボウ?ってやつを守るためにこの村から出て、魔王を倒しに行かなくてはならないらしい。
だが、この村には若者と呼ばれる類の者が極端に少ない。
そのため、選ばれたのが俺ってわけだ。
何も1人で行く訳では無い。
「おいおい、カイ。もっと必要なものがあるだろう?」
苦笑いを浮かべながら窘めてくる、エルド=テンダー。
兄的存在で、俺達のまとめ役だ。
そして、
「あんた、なに下品な事言ってんのよ!」
顔を真っ赤にして喚く純情ガール。
もとい、リリー=エトワール。
この村の若い人間で唯一の女。
まぁ、性格はガサツで俺よりも男らしいけど。
この3人で、今日この村を発つ。
「カイや、勇者の印はもったかえ?それをなくしたら勇者という肩書きまでなくなってしまうからねぇ。ちゃんと気ぃつけなさいねぇ。」
そう、聞いて驚け。
俺は勇者の末裔だ。
と言っても、俺は両親が居ないため勇者だったじいちゃんに育てられた。
そのじいちゃんももういない。
ただ、じいちゃんは決まって二人きりの時に魔王の話をしてくれたんだ。
「俺はな、昔魔王と戦ったんだ。奴は本気を出すこともしていなかったが、奴との戦いは楽しかったよ。きっと俺はもう奴との約束を守ることができないだろう。だから、カイ。お前が奴との約束を果たしてくれないか?」
魔王のことを話す時、じいちゃんは優しそうな顔をする。
皆が殺そうと躍起になっている魔王だけど、本当に悪いやつなのか。
それを確かめるためにも早く魔王をみつけなくては。
「ちゃんと持った。じゃあ行こうか!」
これ以上小言を言われたくなくて逃げるように出発しようとするが襟首を杖で捕まえられ、進めなくなる。
「なにすんだよ!」
バッと後ろを振り返るといつもとは違い、緊張したような引き締まった表情をしている長老。
「カイ、エルド、リリー。この村は最弱の村と呼ばれ、蔑まれてきた。しかし、それが戦うすべを持たぬからではないことはお主らもよく知っておろう。いいか、お前達が変えるのだ。この村のことなら心配するな。我らはこの村を守る為なら戦える。主らは主らのすべきことをやれ!」
いつになく力がこもった長老の声。
激励されているようでむず痒くなる。
「「「任せとけ!!」」」
さぁ、俺達の旅はここから始まる。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました
ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」
優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。
――僕には才能がなかった。
打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる