主人公は自称勇者の末裔?? いいえ、魔王です!!

奏琉

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「最弱の村」

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アリシアを仲間に迎え入れ、俺達は再び歩き出す。


もちろん先頭はアリシア。


ワイワイと話すアリシアとリリの後ろをエルドと歩きながら、俺達の出身。


最弱の村へと思いを馳せる。


…………………………………………………………………

最弱の村


いつからそう呼ばれるようになったのかは分からぬ。


しかし、きっかけはあの事件だったのは確かだろう。


今から約六十年前。


そう、カイ。


お前のじいさんがこの村に現れたのと同じ時期だ。


お前のじいさんはかなり腕がたった。


しかし、無駄な殺生を好まなかったのだ。


この村の意思と同じ考え方。


「魔物から村を守るためには戦うが、人は殺さぬ。」


だからこそ、奴はこの村に長く滞在することになったんだろうな。


しかし、この村以外の村はそうではなかったのだ。


魔物に襲われ不足した分をほかの村を襲い、奪うことによって解決しようとしたのだ。


我らがこの村は、ひっそりと暮らしていたことと腕がたつものが何人もいたおかげで大した被害は受けなかった。


そして、自分たちより強いこの村をほかの村も襲うことはなかった。


その代わりに、ほかの村を襲う手助けをしろと依頼をしてくる村が後を絶たなかった。


もちろん我らはそれを拒否した。


何回、何十回と頼まれても首を縦にはふらなかった。


村で育てた作物を荒らされても、罵詈雑言を吐かれても我らは決して武器をとらなかった。


そのことを勘違いしたんだろうねぇ。


奴らは我らの強さを最弱と呼ぶようになったのさ。


本当の我らの強さは戦う強さじゃないっていうのにねぇ。


そう、我らの強さは「大切なものを守る強さ」なんだから。


こんなに小さな村だし、最弱の村なんて言われてはいるけどお主らはここの村の出身だということを誇りに思いなさい。

……………………………………………………………………

そんな話を何回されただろうか。


俺達も昔は、何回も何回もじいちゃんやばあちゃんにこう当たったものだ。


なんで戦えるのに、戦わないんだ。
こんなんだから俺らの村が最弱の村って呼ばれるんだ。


今となってはそれが間違いだったことをちゃんとわかってる。


大丈夫だよ、ばあちゃん。


俺らはちゃんと成長してる。


「ねぇ、カイ!ボーッとしてると置いていくわよ!」


頼りになる仲間がいて、そこにはずっとずっと道が広がっている。


そしたらもう、前に進むしかないのだろう。


「あぁ、すぐ行く!、、、見捨てないでくださいッ!」
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