【悲報】JKヒモ勇者様、初回配信中にうっかり『氷帝』と呼ばれた美少女配信者を助け、エンシェントドラゴンを一閃してバズってしまう。

シンギョウ ガク

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第25話 新たな力を得たひよっこの戦闘能力

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「よくやった。だが、遊んでる暇はないぞ。むこうさんのやる気に火が付いたらしい」


「魔法陣がいくつも!」


 ケルベロスが絶命すると、新たに複数の魔法陣が周囲に浮かび上がった。


 これほどの転移魔法を連発できるような存在は、魔王クラスの魔力を持った者くらいしかいないはずなんだがな……。


 それほどまでに強力な魔力を持った輩がダンジョンの奥深くに潜んでいるということか?


 それとも、この世界のダンジョンは、それ自体が意識を持っているということもあるのだろうか?


 情報が少なすぎて判断が付かない。


「手助けは無用。わたくしが倒します!」


「まぁ、今のお前なら転移してくる雑魚どもに後れを取ることはあるまい。俺は調べたいことがあるので、討伐は任せる」


「はい、お任せください! アリー姉さん、またお力をお借りします!」


 魔法陣から姿を現したのは、レッサーデーモンやバトルオーガ、ゴブリンキングなどの雑魚だ。


 数こそ多いものの、今のひよっこの力なら、倒せない相手ではない。


「氷精よ! 凍りつくる風を作り出し、吹き荒れて氷の嵐を巻き起こさん! 氷嵐吹雪アイシクルブリザード!」


 ひよっこの詠唱が終わると、氷の粒を含んだ暴風雪がダンジョン内に吹き荒れる。


 フロストフェアリーは、名まで許してるから、かなりの力を貸しているとは思ったが。


 これは想定以上の力をひよっこに貸しているな。


 氷の粒を含んだ暴風雪は、魔法陣から姿を現した魔物たちを次々に氷漬けにしていく。


「砕きます!」


 氷漬けにされた魔物は、ひよっこに立ち向かう間もなく、剣の柄による打撃を受けて砕け散った。


「まだまだ来るぞ」


「はいっ! まだ行けます!」


 魔物との戦いをひよっこに任せ、俺は転移の魔法を発動させている光の精霊デーヴァに念話で話しかけた。


『よう、デーヴァ。派手に扱き使われてるな』


『仕方あるまい。闇の強いダンジョンでは我の力は限られる』


『そうだな。だが、そんなお前を派手に扱き使えるとなると、相手は相当な使い手だろ?』


『さあな。我も思念に操られてるだけかもしれん。指示を送ってくる実体は感じ取れぬのだ』


『実体がないだと? 魔力はどこから供給してもらってる?』


『さあな。我に勝手に送り込まれる。操られているようで気分が悪いが、さりとて断る理由もない。ここでは我の力は弱いからな』


 魔力を提供している実体がないとなると、詠唱している者がいないということか……。


 さらに意味が分からなくなったぞ。


 詠唱者なしに、転移魔法が連発されるなんて……どうなってやがる。


 ひよっこが魔物を倒すたび、転移の魔法陣はさらに数を増やしていく。


「キリがありませんね……。どうしましょうか?」


 ひよっこは、まだまだ余裕がありそうな顔をしているな。


 プラーナ式戦闘術や精霊を介した魔法の修行相手としては、ちょうどいい連中ではある。


「倒せるだけ倒せ。お前の戦闘を録画しているため、プラーナ式戦闘術と精霊魔法のいい教本となるだろう」


「承知しました。処理を続けます」


 疲れを見せないひよっこは、新たに現れたバグベア、ドラゴンゾンビ、フェンリルに向かって戦いを挑む。


 ドラゴンゾンビの瘴気を含んだ毒のブレスを素早くかわしたひよっこは、止まることなくバグベアの首を一刀で跳ね飛ばす。


 敵がよく見えているし、剣筋もしっかりしている。


 戦闘の素質は、やはり幼少期からずっと戦ってきただけのことはあるようだ。


 とはいえ、プラーナ式戦闘術で得た身体能力を使いこなすまでには至らず、まだまだ頼り切っている。


 少し注意だけしておくか。


「ひよっこ。今の戦い方だとプラーナが切れた瞬間、ぶっ倒れて即死するぞ。切れたらどうするまで頭に入れて戦え」


 こちらの忠告に無言で頷いたひよっこは、精霊魔法による攻撃も織り交ぜ、プラーナの消費を抑え始める。


 魔力も消費をするものではあるが、プラーナで消費する生命力とは別枠だ。


 ひよっこは魔力も高いので、そちらも織り交ぜれば、プラーナによる生命力の消費も抑えられる。


 戦いは終始、ひよっこのペースで進み、討伐が進むと転移の魔法陣の数が急速に減った。


 発生させている原因が分からないが、魔法陣の数が減ったということは、魔力の限度が近いってことか。


「あと少しだろう。油断するなよ。ひよっこ」


「はい、お任せください! まだまだやれます!」


 残った魔物が最後の1体となり、魔法陣がなくなったと思った瞬間――


 巨大な転移魔法陣が床一面に広がった。


 このデカさ。嫌な予感がするぞ。


「ひよっこ。こっちまで下がれ」


「承知しました!」


 地面に発生した魔法陣の巨大さをひよっこも認識したようで、俺の近くに戻ってきた。


 眩しい光がダンジョン内を埋め尽くすと、巨大な魔法陣から新たな魔物の姿が這い出してくるのがうっすら見えた。


 こいつは――マズいっ!
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