Melty romance 〜甘S彼氏の執着愛〜

yuzu

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再会 side充希

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「合コンなんて行ってる余裕ない。見ての通り、限界なんだって。」

 更衣室の扉に背中を預けたまま、わざとらしく強めのため息をついて目を伏せた。

「でも先生、たまには息抜きしないと。それに今回の相手、いつもお世話になってる製薬会社の営業さん達なんですよ。」
「製薬会社?」
「そう。先生もよく顔合わせてるメディカルパートナーズの女性社員さん達。向こうから親睦会って名目で声かけてくれて。」
「それで?」
「それで?じゃないですよぉ。お願いします。佐野先生が必要なんです!!」
 緋村が珍しく真剣な顔をする。
「何話していいかわかんないし。って言われちゃってるんですから」
「で?OKしたと?」
「はい、まぁ。先生、病院でも女性患者さんや看護師さんに人気じゃないですか。『あの先生、アイドルみたい』って。」
 緋村が申し訳なさそうに頭を下げる。
「先生の顔が必要なんです!!オレに彼女をつくるチャンスをください……お願いします!」
 
ああ、またそれか。
 正直、この顔のせいで面倒なことが多い。

「気が進まないんだけど。」
「お願いします!もうすぐクリスマスだし。それに、断ったら今後のお付き合いに影響するかもしれないですし……あ、明日のランチおごります。」

 緋村の懇願する視線を無視して、オレは更衣室の扉を開けて廊下へ出た。

「悪いけど、今日は無理。本当に寝たい。」
「先生の好きなタイプ、絶対いますって! 美人で清楚系で――」
「清楚系? ……そんなの、幻想だと思うけど。」
 苦笑すると、緋村が不思議そうに首を傾げた。
「……先生、女性関係で何かあったんですか?」
「別に。」

 
 ――あの日。オンナという生物は身勝手だと知った。

 毎朝、同じ道をすれ違うだけだった彼女は、その清楚な見た目と、友達と話す雰囲気から、多分……裏表のない真っ直ぐな子だと思ってた。

 でも、違った。交際開始数日後、オレとの約束をすっぽかした彼女が浴衣を着て、男と腕を組んで歩いているのを目撃してしまった。
声をかけようと駆け寄った俺は、二人の背後で聞いてしまった。

「彼氏とデートじゃなかったっけ?」
 という男の問いかけに、彼女は面倒くさそうにこう言った。
「好きになって損した。顔だけの男だったの。」

 オレの淡い恋は、たった一度キスをしただけで終了したってわけ。

「……先生?」
「ん。ごめん、ぼんやりしてた。」

 我に返ると、緋村が心配そうにオレの顔を覗き込んでいた。

「やっぱり疲れてますよね。だから天使に癒されに行きましょって。」

 ”行くって言うまで返さない”と言わんばかりに俺の荷物をがっちりと掴む緋村。

 結局1時間後、緋村の執拗な説得と「病院の付き合いだから」という大義名分に根負けして、オレは合コンの席にいた。
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