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出会い
とおる
しおりを挟むあたちがここに来てから、どのくらい経ったのだろう。
そんなに長くはなかったと思う。
いっぱいの人間の中に、とおるがいた。
とおるは、優しそうな目をしていて、いつものようにものかげに隠れていたあたちをじっと見つめていた。
大きな声をあげるわけでもなく、指を指すわけでもなく、ただただ見守っていてくれた。
あたちは、そんなとおるの目に惹かれて、とおるの前に姿を見せた。
そしたら、とおるの目はキラキラと輝いた。
にっこり優しい笑顔を向けてくれた。
とおるは、あたちたちのお世話をしてくれているお姉さんに、あたちを指差しながら何かを話していた。
この光景は、よく見たことがある。
イズミが言っていた、抱っこをしてもらえるチャンスなのだ。
とおるのような目をした人間に会うのが初めてだったから、あたちはとおるに興味があった。
とおるのような人間のおうちに行けたら、あたちも幸せな暮らしができるのだろうか。
もう知らない場所に連れていかれるのはごめんだ。
ひとりにされるのは怖い。
この人なら、あたちをそんな目に合わせないだろうか?
いろいろ考えていたら、お姉さんにお部屋から連れ出された。
そして、とおるの手の中に抱っこされた。
優しい触り方だった。
あたちは最初警戒していたけど、気持ちよくなって眠くなってきてしまった。
人間がいっぱいいる中で、こんな無防備になるなんて。。。
でも、この人の手の中だったら、大丈夫かな?
なんか安心する。
あたちを守ってくれそうな気がする。
お母さんや、お姉さんみたいにあたちを大事にしてくれそうな気がする。
一緒に暮らすなら、この人と一緒がいいな。
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