異世界は鬼畜でした。〜クラス転移したが唯一スキルなしで見放された俺は最後の魔女と出会い最強に成り代わる〜

丸手音狐

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一章

32.髪飾り

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「何の為に俺達はここに来たんだ!」

「宿を探すため?」

「それもあるけど違う!!! 神託官だろ神託官」

「あ~。でももう暗いし今度にしよ。そのうちあっちから来ると思うし」

「ん~~。それもそうか!!」

 ハルトは「ん?」攻防戦をして諦めたのかそれともただ単にハルトが馬鹿なのかそれともその他の理由なのかわからないがやけにすんなりと納得した。

「てか宿かぁ。ここら辺に宿なんかあるのか」

「それ」

 なんと目の前に都合よくたまたま【ヒトヤスミ】と書かれた看板がある宿が建っていたのだ。
 今日はついてるなと感じながら二人は宿の中に入った。

 宿に入ると皆のお母さんみたいな見た目をした優しそうな女性が「二人で何泊泊まるんだい?」と声をかけてきた。【ロイゼン王国】にいつまで滞在するかが完全にわからないハルト達は毎度宿を探すというのも面倒な話しなのでとりあえず「しばらく泊まりたいんですが」と尋ねる。

 すると女性は「良いけど代金は覚悟しときなよ」と冗談っぽく笑いながら言うがどこからか冗談ではなさそうな雰囲気をハルトは感じていた。それと同時にシノの硬貨がどれだけあるのか気になって聞こうとしたがそれより先に女性が「これが部屋の鍵だよ。部屋はそこに書いてある番号だから」と言って鍵をシノに渡した。

 シノは受け取った鍵を持ってハルトを置いて書かれた番号の部屋へと歩いていった。
 置いていかれたハルトは三歩シノに近づいた時には既に残金について聞くということを忘れていた。まるで鶏だ。

「ハルト、早く」

「はいはい」

 シノは既に部屋の扉を開けており遅れてきていたハルトを急かす。言われた通りに若干速く歩きシノの元に向かった。

 ハルトは部屋に着くと中を見て驚いた。なぜならばベッドが二つも置かれていたからだ。これまで【ヒルアール王国】の宿でもアリアの家でも尽くベッドが一つだった為シノが変な事をしていたのでハルトからすると非常に有り難い配慮である。

 だがベッドが二つある事に対してハルトは有り難いと思っているがシノはどうやらそうは思っていないようでベッドに指を向ける。
 それに気づいたハルトが「何しようとしてるんだ!!」と言ってベッド消滅の危機を救った。

「そう言えば髪飾りはつけないのか?」

「自分じゃつけられない。ハルト、つけて」

 シノはそう言うと屋台を半壊して手に入れた星型の白い髪飾りをコートの中から取り出しそれをハルトに手渡したあとベッドに座った。髪飾りを受け取ったハルトはよりシノに近づき付けようとするがわざとなのかそれとも自然にそうなってしまっているのかはわからないがシノの上目遣いで恥ずかしくなったハルトは一旦離れる。

「つけてくれないの?」

「いや、ちょっと前を向いててくれるか?」

 そして再び髪飾りをつけようとしてシノに近づいたがハルトはそこで股間らへんに熱い視線を感じまたしてもシノから一旦離れる。もう一度離れたハルトに対してシノは一体どうしたの? と言っている様な目でハルトを見つめる。ハルトは「次こそつけるから目を瞑っててくれ」と言って再びシノに近づく。そっと優しくシノの髪に触れながら星型の白い髪飾りをつける。

「どう?」

「似合ってるぞ」

 シノはハルトの返答は期待していたものとは違うようで少しムスッとした表情を見せたが褒められた事の感情の方が強かったようで次の瞬間にはニコニコしながらハルトの事を見ていた。見つめられていたハルトは少し恥ずかしくなったのか目をそらした。

 壁を見ながらハルトは「そうだ。そろそろご飯でも食べるか」と言うとシノは「うん」と返事を返した。宿の近くにはこれといった飲食店はないのだがこの宿には宿泊者の部屋が二階で一階の奥には酒場があるのだ。

 二人は酒場に行くために部屋を出た。

 
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