異世界は鬼畜でした。〜クラス転移したが唯一スキルなしで見放された俺は最後の魔女と出会い最強に成り代わる〜

丸手音狐

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一章

61.vsメルリル

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「どうにか止めないと……」

 氷の塊はまるで星の様に地に降り注ぐ。これまで笑顔で満たされていた家々、はぐれた子供、泣きじゃくる者達、必死に逃げる者、馬車でやってくる者達に光は容赦なく降り注いだ。その全てが触れた瞬間に爆発を起こし形をなくす。

 止める為ハルト達は必死に王城に走る。それでもどんどん氷の塊は降り注ぎ【ロイゼン王国】中で連続的な爆発を引き起こしていた。

「シノ、あいつを凍らせてくれ!」

「わかった」

 ハルトはメルリルを凍らせることでこの光を止める気でいるようだ。指示をされたシノは立ち止まりメルリルに対して指を向ける。そして氷の魔法をメルリルに対して放つ。少ししてメルリルの体は徐々に氷で蝕まれていく。それと同時に降り注ぐ氷の数が減っていく。

「凍ってるみたいだな。でもここからが問題だ。どうやってあれを下に降ろすか」

「それは大丈夫」

「え?」

 宙に浮いて凍っていっていたはずのメルリルの姿はなくどこに行ったのかと周りを見渡すがどこにもいない。そして再び王城の方を向いた瞬間、前に足が凍ったメルリルの姿があった。これはどういうことなんだとハルトが思っているとメルリルが目を開く。

「ここはどこ? 私は上にいたはず。なんで?」

「……!!」

 ハルトはメルリルを間近で見て驚く。上に居るときにはそこまで詳しくは見えなかったがメルリルの背中には半透明の翼があった。その姿はまるで天使のようだった。

「あなたは誰?」

「俺はハルトだ」

「あ、ロイエルが連れてくるはずだった。なんでここにいるの?」

「もうこんな事は止めにしよう。そしてこれまでの犠牲者を解放してくれ」

「それは出来ない。例え全員が死んでも」

「バレてるのにまだ続けるのか?」

「それを成し遂げる事以外に私達には生の意義がない」

「生の意義……?」

「神託官だってただの人間。遠くの国の。家族の顔さえ忘れてしまった。ただ神に託されてこの地を守るために」

 メルリルは胸の前で両手を握った。

「私達がこの束縛から解放されるには犠牲者が必要。だからこれ以上この国で好きな様にはさせない。誰にも」

 するとメルリルの周りに氷の塊がいくつも現れる。ハルトはロイエルの様な能力スキルかと予想しあの時と同じ方法で戦う事にした。まずはラムネが先行し接近してくる氷を砕く。その次に後衛にいるハルトとシノが魔法で連続攻撃を行う。もしかしたらロイエルの時の様に変則的な軌道をする事も考慮し常に警戒する。

 ラムネの剣が氷を砕けるかはわからないが剣を剣をなぎ倒していたりしていたので大丈夫なはずである。そしてついにメルリルが氷の塊をハルト達に向けて放つ。それに反応してラムネが前に駆けていく。

「この氷はあとで酒に入れますよぉ~~!!!!」

 ラムネは剣を振り回しながらどんどんと迫ってくる氷を砕いていく。これ案外行けるんじゃね? とハルトが思った時早くも状況は悪化する。何が起こったのかと言うと氷は高速で移動しているのだが急にそれらがまるで生きているかのように自由自在に動き始めたのだ。それのせいでラムネは剣で氷を砕くどころではなくなり回避に専念せざるおえなくなってしまった。その結果いくつかの氷の塊がハルトとシノに向かってくる。

 それに対してシノは指を向けて火の弾を放つ。ハルトも同様に氷の塊に対して火の弾を放つ。何個かは氷と炎が衝突し消滅したがそれ以外の氷は火の弾を掻い潜りさらに接近してくる。氷の塊はもう目の前まで来ていたその時、シノが見たこともない魔法を使用する。それは氷の障壁であった。これは文字通り氷の壁を生成することによって攻撃を防御することの出来る魔法である。

 氷の障壁に何度も氷の塊が激突する。氷の壁は一面が分厚い氷の為その先で何が起こっているのかハルト達にはわからないのだがラムネは一人で氷の塊と戦闘をしていた。しかし数が多いため斬っても何の意味もなかった。ラムネはとうとうきりがないと叫ぶのだった。
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