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一章
71.vsメルリル 終戦 前編
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「ここからが本番。ロイゼンに生きる人の命なんて私には関係ない。だから……」
メルリルの背についている六本の触手のうち二本がどこかへ向かい始める。それは想像以上に長くどうやらどんどん伸びていっているようだ。ハルト達はただその触手の行方を見ていることしかできなかった。
「まずいぞ。あっちは……!!」
ダリアはメルリルが何をしようとしているのかを理解したようで焦っている。周りの生徒がどういう事かを聞くとダリアは答える。
「メルリルは王城をぶっ壊して中にいるやつを全員下敷きにして殺す気だ」
それを聞いて全員が今置かれている状況をよく理解する。あの触手を止めることが出来なければ王城内にいる何十人という命が奪われてしまう。ハルトは危機が迫る中考える。どうすればあの触手を止められるのかを。
(王城にはこれまでの犠牲者が。でもどうやってあの触手を止めれば良いんだ。恐らくだが触手を二本しか使っていないのは俺達が何かをするのを防ぐ為なはず。だとしたら打つ手がない……)
ハルトは目を瞑ってさらに必死に考える。これまでの事をふりかえりながらここで何が出来るかという事を。そしてハルトは何かを思いついたようで麻衣美に声をかけようとするがそれをためらってしまう。麻衣美達はハルトを見捨てた者達、ハルトは麻衣美達を見切った者。そこには深い深い溝があった。
その時シノがハルトに声をかける。
「私達も好き勝手にやればいい。あの人達がしてるみたいに」
「でも……」
「今は共闘中。余計な事を考えてる暇はない」
「……シノの言う通りかもしれないな。ありがとう。シノ、朝稲、二人に頼みたいことがあるんだ」
麻衣美は名を呼ばれ少し恥ずかしそうにしながらハルトの元へ駆け寄る。
「朝稲、能力をもう一回使ってくれるか?」
「え、あ! ちょちょちょっとだけなら、いけます!」
「能力をシノに使ってくれ」
「は、はい!!」
「次にシノ」
「うん」
「お前はロイエルの時に使ったあのブラックホールをあの触手にやってくれ」
「違う。ラブラックホール」
「なんでも良いから早く」
麻衣美は【フィールド】を使用しシノ以外の者も囲んだ。そしてシノは王城へと伸びていく触手に向かって指を向ける。
「ラブラックホール」
その瞬間伸びていく触手に小規模なブラックホールが発生しその中にどんどん触手が吸い込まれていく。しかしやはり残していた残り四本の触手がハルト達に接近し始める。
バゴォォーン!!
バゴォォーン!!
バゴォォーン!!
バゴォォーン!!
それぞれの触手が何度も麻衣美のドーム型防御結界にぶつかる。麻衣美は結界が壊れないように必死に力を振り絞り耐え続ける。そんな麻衣美に結華は治癒を行い奪われていく体力を少しばかり回復していた。しかし奪われていく体力に対して回復量が間に合っておらず徐々に減っていく。
一方上空の触手はシノのラブラックホールで吸い込まれはしているものの抵抗されて完全に吸い込みきれていなかった。このまま行けば麻衣美の体力が限界を迎え防御結界が崩壊し全員が触手の餌食になってしまう。
「どうすれば……」
「つまりまた私の出番ってことだな」
「だからなんで先生は外にいるんですかぁああああ!!!」
中にいる多くの生徒からツッコミをくらう。
「そりゃあ忘れられてたからだろ」
一条先生は触手がドカンドカンと結界にぶつかっているすぐ近くに立ちながら中にいる生徒と会話をしていた。生徒は心配していたが一条先生はなぜかやる気満々で剣を触手に向けていた。
「今日の晩はたこ焼きだな」
「さすがにあれは食べれないだろ」
「お? なんだ東雲を食べたいか」
「嫌ですよ」
「断る。見とけよ」
「なんでー」
一条先生は剣をぶんぶん振り回しながら結界にぶつかる触手に近づく。見てる生徒はあまりにも危険すぎてひやひやしていた。しかし一条先生はまったくそんな事を思っていなかった。ただ今日の晩の事しか考えていない。
「知ってるか。たこ焼きに酒は最高だ!」
一条先生が剣を触手に向かって振る。するとドカーンッという大きな音が鳴り響いた。
「一条先生!!」
見ていた生徒やダリア、サリアは驚いた。なんと触手の一部が宙を舞っていたのだ。
「このまま行くぞ!!」
一条先生は次々に触手を斬り裂いていく。その度に赤い血が結界にビチャッと飛び散る。
「これで終わりか」
一条先生が全ての触手を斬り終わりみんなの方をみていた時、その後ろではメルリルが一条先生に対して手のひらをむけていた。生徒の皆が後ろと叫んだその時メルリルから鋭い氷が放たれる。
「!!!?」
バーン!!!!
爆発と共に煙が発生し全員の視界を悪くする。そして煙が徐々に消えていくとそこには無傷の一条先生の姿があった。全員が一体何が起こったのかと疑問に思っているとシノの隣で一条先生に対して指を向けているハルトの姿があった。
「東雲!!」
「あ、危なかった」
「今の惚れそうだったぞ」
「こんな時に何言ってるんですか!」
二人がそんな会話をしている時ビチッという音が聞こえたあと空から血が降り注いできた。これは何かと思い空を見ると正体はブラックホールに吸い込まれていた触手だった。どうやら抵抗していた触手だったが限界を迎え完全に吸い込まれちぎれたようだ。
そしてハルトは結界の外に出始める。結華はそれを止めるがハルトは止まらない。続いてシノもラムネも出ていく。三人は横並びになりメルリルを見つめる。
「ハルト!!! まだ危ないからこの結界の中に!」
「海斗、ここからは俺達の番だ」
「わからない。どうして私の邪魔をする? どうして」
「そんなの知らん!!」
ハルトは強く言い放つ。
「なぁ、シノ。魔法って飛ばたり出来るのか?」
「ふふん。ハルト、魔法は創造。出来ない事は人を蘇らせる事くらい」
「んじゃ俺に頼む」
「うん」
シノはこっそりハルトに指を向けて浮遊魔法をかけた。それを見ていたラムネがずるいと言ってハルトにつっかかる。
「私もつけてください!! その方が戦えます! 見せてやりますよ、飛行影分身!!」
「どうせどっかの家にぶつかって『ハルトさぁぁ~~ん、助けてくださぁぁい』ってなるのがオチだろ」
「んなっ! 失礼ですね! そんな風にはなりません! 絶対に!!」
「絶対だな?」
「絶対です!」
「シノ」
「うん」
ハルトに言われシノはラムネにも浮遊魔法をかけた。そんな事をしているとメルリルに衝撃的なことが起こっていた。それは一条先生が切断したはずの触手六本が全て復活していたのだ。
「再生すんのかよ」
「これは……あるあるのやつですよ!!」
「そんなあるあるあってたまるか」
メルリルの背についている六本の触手のうち二本がどこかへ向かい始める。それは想像以上に長くどうやらどんどん伸びていっているようだ。ハルト達はただその触手の行方を見ていることしかできなかった。
「まずいぞ。あっちは……!!」
ダリアはメルリルが何をしようとしているのかを理解したようで焦っている。周りの生徒がどういう事かを聞くとダリアは答える。
「メルリルは王城をぶっ壊して中にいるやつを全員下敷きにして殺す気だ」
それを聞いて全員が今置かれている状況をよく理解する。あの触手を止めることが出来なければ王城内にいる何十人という命が奪われてしまう。ハルトは危機が迫る中考える。どうすればあの触手を止められるのかを。
(王城にはこれまでの犠牲者が。でもどうやってあの触手を止めれば良いんだ。恐らくだが触手を二本しか使っていないのは俺達が何かをするのを防ぐ為なはず。だとしたら打つ手がない……)
ハルトは目を瞑ってさらに必死に考える。これまでの事をふりかえりながらここで何が出来るかという事を。そしてハルトは何かを思いついたようで麻衣美に声をかけようとするがそれをためらってしまう。麻衣美達はハルトを見捨てた者達、ハルトは麻衣美達を見切った者。そこには深い深い溝があった。
その時シノがハルトに声をかける。
「私達も好き勝手にやればいい。あの人達がしてるみたいに」
「でも……」
「今は共闘中。余計な事を考えてる暇はない」
「……シノの言う通りかもしれないな。ありがとう。シノ、朝稲、二人に頼みたいことがあるんだ」
麻衣美は名を呼ばれ少し恥ずかしそうにしながらハルトの元へ駆け寄る。
「朝稲、能力をもう一回使ってくれるか?」
「え、あ! ちょちょちょっとだけなら、いけます!」
「能力をシノに使ってくれ」
「は、はい!!」
「次にシノ」
「うん」
「お前はロイエルの時に使ったあのブラックホールをあの触手にやってくれ」
「違う。ラブラックホール」
「なんでも良いから早く」
麻衣美は【フィールド】を使用しシノ以外の者も囲んだ。そしてシノは王城へと伸びていく触手に向かって指を向ける。
「ラブラックホール」
その瞬間伸びていく触手に小規模なブラックホールが発生しその中にどんどん触手が吸い込まれていく。しかしやはり残していた残り四本の触手がハルト達に接近し始める。
バゴォォーン!!
バゴォォーン!!
バゴォォーン!!
バゴォォーン!!
それぞれの触手が何度も麻衣美のドーム型防御結界にぶつかる。麻衣美は結界が壊れないように必死に力を振り絞り耐え続ける。そんな麻衣美に結華は治癒を行い奪われていく体力を少しばかり回復していた。しかし奪われていく体力に対して回復量が間に合っておらず徐々に減っていく。
一方上空の触手はシノのラブラックホールで吸い込まれはしているものの抵抗されて完全に吸い込みきれていなかった。このまま行けば麻衣美の体力が限界を迎え防御結界が崩壊し全員が触手の餌食になってしまう。
「どうすれば……」
「つまりまた私の出番ってことだな」
「だからなんで先生は外にいるんですかぁああああ!!!」
中にいる多くの生徒からツッコミをくらう。
「そりゃあ忘れられてたからだろ」
一条先生は触手がドカンドカンと結界にぶつかっているすぐ近くに立ちながら中にいる生徒と会話をしていた。生徒は心配していたが一条先生はなぜかやる気満々で剣を触手に向けていた。
「今日の晩はたこ焼きだな」
「さすがにあれは食べれないだろ」
「お? なんだ東雲を食べたいか」
「嫌ですよ」
「断る。見とけよ」
「なんでー」
一条先生は剣をぶんぶん振り回しながら結界にぶつかる触手に近づく。見てる生徒はあまりにも危険すぎてひやひやしていた。しかし一条先生はまったくそんな事を思っていなかった。ただ今日の晩の事しか考えていない。
「知ってるか。たこ焼きに酒は最高だ!」
一条先生が剣を触手に向かって振る。するとドカーンッという大きな音が鳴り響いた。
「一条先生!!」
見ていた生徒やダリア、サリアは驚いた。なんと触手の一部が宙を舞っていたのだ。
「このまま行くぞ!!」
一条先生は次々に触手を斬り裂いていく。その度に赤い血が結界にビチャッと飛び散る。
「これで終わりか」
一条先生が全ての触手を斬り終わりみんなの方をみていた時、その後ろではメルリルが一条先生に対して手のひらをむけていた。生徒の皆が後ろと叫んだその時メルリルから鋭い氷が放たれる。
「!!!?」
バーン!!!!
爆発と共に煙が発生し全員の視界を悪くする。そして煙が徐々に消えていくとそこには無傷の一条先生の姿があった。全員が一体何が起こったのかと疑問に思っているとシノの隣で一条先生に対して指を向けているハルトの姿があった。
「東雲!!」
「あ、危なかった」
「今の惚れそうだったぞ」
「こんな時に何言ってるんですか!」
二人がそんな会話をしている時ビチッという音が聞こえたあと空から血が降り注いできた。これは何かと思い空を見ると正体はブラックホールに吸い込まれていた触手だった。どうやら抵抗していた触手だったが限界を迎え完全に吸い込まれちぎれたようだ。
そしてハルトは結界の外に出始める。結華はそれを止めるがハルトは止まらない。続いてシノもラムネも出ていく。三人は横並びになりメルリルを見つめる。
「ハルト!!! まだ危ないからこの結界の中に!」
「海斗、ここからは俺達の番だ」
「わからない。どうして私の邪魔をする? どうして」
「そんなの知らん!!」
ハルトは強く言い放つ。
「なぁ、シノ。魔法って飛ばたり出来るのか?」
「ふふん。ハルト、魔法は創造。出来ない事は人を蘇らせる事くらい」
「んじゃ俺に頼む」
「うん」
シノはこっそりハルトに指を向けて浮遊魔法をかけた。それを見ていたラムネがずるいと言ってハルトにつっかかる。
「私もつけてください!! その方が戦えます! 見せてやりますよ、飛行影分身!!」
「どうせどっかの家にぶつかって『ハルトさぁぁ~~ん、助けてくださぁぁい』ってなるのがオチだろ」
「んなっ! 失礼ですね! そんな風にはなりません! 絶対に!!」
「絶対だな?」
「絶対です!」
「シノ」
「うん」
ハルトに言われシノはラムネにも浮遊魔法をかけた。そんな事をしているとメルリルに衝撃的なことが起こっていた。それは一条先生が切断したはずの触手六本が全て復活していたのだ。
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