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二章
77.美少女の願いと銀髪少女の迷子
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「なんだここはァァァァァ!!!!」
「何だと言われましてもここは夢の都【レアルタ】ですよ!」
「いや、それは分かってるんだけどさっきの場所とは全然違うとこだし」
「あそこは簡単に言えば【レアルタ】の入口みたいなものですよ!」
「そ、そうなのか」
「それより私の家はちょっとこの先なので歩きましょう!!」
三人はラムネの家に向かうために歩き出した。
歩き出したハルトとシノは見慣れない光景の多さに驚いているようで辺りをずっとキョロキョロしていた。
少しだけ歩いた時ハルトがラムネに【レアルタ】に関する疑問などを色々と質問してみようと思い聞いてみることにした。
「それでなんで俺達はいきなりここに来たんだ? 確かあのボロ家で倒れて……」
「夢の都、文字通り夢の空間です! だからここに入るためには手順を踏んで眠りにつくことが必須なんです! 今頃……私達の体は家の中に転がってますよ!」
「それって大丈夫なのか? 現実の体に危害を加えるやつとかいるかもしれないし」
「そこは安心してください。ハルトさん、シノさん。あそこに一際大きな金属の建物が見えますよね。あれはこの夢の都を形成している核の様なものを保管しているところなんです! その核は夢の都を形成、維持する以外にも家のある現実世界に感覚的でも感じ取ることの出来ない結界を張っているんです!」
「てことは結界のおかげで外部の人間は入れないから安心ってことか」
「そうです!!」
「信用ならんけどな」
「そこは信用してくださいよぉ!」
三人はラムネの家に向けて不思議な世界を歩き続ける。
その中でハルトはラムネに対して本題を話すように言うとラムネはついに助けて欲しい事について話し始めた。
「夢の都は自由なんですよ。不可能なんて言葉は存在しないですし誰もが思い描いたように夢が現実になるんです。夢に生きる人達によって夢の都は現実なんです。でも最近は現実の結界に度々何者かが干渉してきているんです。その人が何をしたいのかはなんとなくわかります。恐らく夢の核を狙ってるんでしょう。夢の核があれば全てを手に入れることが出来ます。だけどそんな事はさせたりはしたくない……夢に生きる人達にまだ自由を与え続けたい……でも私一人じゃどうすることも出来ません。だから!! ハルトさんとシノさんに助けてほしいんです!!!」
「……そういうことならいいんだけど。まだそいつが夢の都に来てるかわからないし現実世界で待ち伏せした方がよくないか?」
「それも考えたんですけど、でもやっぱりハルトさん達に夢を見せたかったですし何より夢の都で戦闘をした方が都合が良いんですよ!!」
「そうか。まぁ、わかった。俺もシノも出来るだけの事はするよ。な? シノ」
ハルトが横を向くとそこにはシノの姿がなかった。
焦ったハルトが周りを見渡すがどこにもシノの姿はない。
シノの姿がないことがわかってからすぐにハルトはシノが迷子になってしまったということに気付きラムネに探すようにお願いをする。
するとラムネは「わっかりましたぁ~!!」と言い来た道を走りながら戻り始めた。
一方ハルトはシノがもしかしたら何かに興味を持って店の中とかに入っているかもしれないと思い窓に近づき中を覗いたりしてみる。
しかしどの店の中にもシノはいなかった。
もっと遠くに行ったのではないかと考えたハルトはさらに道を歩いていく。
行き交う人混みの中をかき分けながらシノを見つけるために必死に辺りを見渡す。
だがシノらしき姿すら見つからなかった。
本当にどこに行ったんだよとハルトが思っていると少し前に三人の男に絡まれている金髪で頭に黒いリボンカチューシャをつけている女の子がいることに気づく。
その女の子の様子をしばらくハルトが見ていると絡んでいる男の一人が女の子の右腕を引っ張り上にあげる。
それを見たハルトは急いで女の子の元へ向かった。
ハルトは「手を出すのはやめておけ」となだめるように言いながら女の子の右腕を掴んでいる手を離させ
た。
「兄ちゃんが想像してるような悪いことをしようってわけじゃねぇんだ」
「と言うと?」
「この嬢ちゃんがな、いっつも俺んとこの店の商品を盗んでくからよ。これまでは捕まえる前に逃げられてたけどよ、今回はやっと捕まえられたんだ。だから兄ちゃん、悪いがどいてくれ」
ハルトはそう言われると一度女の子の方を見てから絡んでる男の方を見返す。
そしてハルトはその場からはどかず話し始める。
「見逃すのはダメなんですか?」
「そりゃあ盗人を見逃すのは流石に出来ねぇよ」
「この子にもきっと何かしらの事情があって盗む事を選んだかもしれません。だから一度話しを聞いてから考え直してもらえませんか?」
「……俺もそこまで鬼ではないからな。わかった。なんでこれまで盗んだのか言ってみろ」
すると女の子は隠していた食べ物を男に差し出した。
それを男が受け取ると女の子は最初は喋る事を拒んでいた。
しかしハルトが女の子の肩に優しく手で触れると少し息を吐いたあと顔をあげ鮮やかな青い瞳で一度ハルトを見つめたあと話し始めた。
「……お父さんとお母さんはこの夢の都に来る前に殺されちゃって。それで私は一人で生きてかないといけなくなってでも何か才能があるわけでもないし……。でも生きてくためにはどうにかしないといけないと思ってちょうどおじさんのお店があって盗んでしまいました……」
「…………」
女の子が全てを話し終えると絡んでいた男三人は号泣していた。
ハルトは思わず微笑んでしまった。
四人の様子を見ていた女の子は一体なぜ泣いていて一体なぜ笑っているのかわからずポカンっとしていた。
「おめーちょっとここで待っとけ」
男はそう言ってどこかに歩いていった。
どこか行った男はそれほど時間がかからずに戻ってきた。
戻ってきた男は何かがぎっしり詰まった袋を手に持っていた。
「おめー今までよく頑張ってきたな。ほれ、これやるよ」
「……え?」
「俺もちっさい頃はよぉ、盗んでは母親とか店主によく怒られたもんだよ。でもそん時の俺はただの好奇心でやってたんだけどな! アハハ!! ……しっかり生きろよ」
「……あ、ありがとうございます!!」
「んじゃあ、兄ちゃん、なんか迷惑かけちまって悪かったな。俺達は仕事に戻るとするよ。じゃあな!!」
三人の男は一緒に店へと戻っていた。
そしてその場にはハルトとその女の子だけが残っていたのだがハルトは問題が解決したのでシノ探しの続きを始める為に再び歩き出した。
しかしその時ハルトのコートが引っ張られる。
振り返るとそこには女の子がいた。
「どうしたんだ?」
「あ、あの助けてくださりありがとうございます。そ、それでお礼がしたいんですけど……何かありますか?」
「お礼か……そうだなぁ」
不純的な気持ちや金銭を要求するという気はハルトには一切なく真剣に考える中で一つの結論にたどり着いた。
それは夢の都【レアルタ】を案内してもらうということである。
案内してもらうことで【レアルタ】についてもより知る事ができるうえに歩き回るのでよりシノを見つけることが出来る機会が増える。
ハルトは早速案内してほしいと言うことを伝えると女の子はそれを快く了承してくれた。
そしてハルトは女の子に【レアルタ】を案内してもらうために歩き出した。
@@
人があちこちに行き交う真ん中に一つの噴水がありそこの近くに周りをキョロキョロしたあと停止する不自然な行動を取っている銀髪の少女がいた。
「あれ、ここどこ」
そう言って銀髪の少女はひとまず噴水を囲んでいる石に座り込んだ。
「何だと言われましてもここは夢の都【レアルタ】ですよ!」
「いや、それは分かってるんだけどさっきの場所とは全然違うとこだし」
「あそこは簡単に言えば【レアルタ】の入口みたいなものですよ!」
「そ、そうなのか」
「それより私の家はちょっとこの先なので歩きましょう!!」
三人はラムネの家に向かうために歩き出した。
歩き出したハルトとシノは見慣れない光景の多さに驚いているようで辺りをずっとキョロキョロしていた。
少しだけ歩いた時ハルトがラムネに【レアルタ】に関する疑問などを色々と質問してみようと思い聞いてみることにした。
「それでなんで俺達はいきなりここに来たんだ? 確かあのボロ家で倒れて……」
「夢の都、文字通り夢の空間です! だからここに入るためには手順を踏んで眠りにつくことが必須なんです! 今頃……私達の体は家の中に転がってますよ!」
「それって大丈夫なのか? 現実の体に危害を加えるやつとかいるかもしれないし」
「そこは安心してください。ハルトさん、シノさん。あそこに一際大きな金属の建物が見えますよね。あれはこの夢の都を形成している核の様なものを保管しているところなんです! その核は夢の都を形成、維持する以外にも家のある現実世界に感覚的でも感じ取ることの出来ない結界を張っているんです!」
「てことは結界のおかげで外部の人間は入れないから安心ってことか」
「そうです!!」
「信用ならんけどな」
「そこは信用してくださいよぉ!」
三人はラムネの家に向けて不思議な世界を歩き続ける。
その中でハルトはラムネに対して本題を話すように言うとラムネはついに助けて欲しい事について話し始めた。
「夢の都は自由なんですよ。不可能なんて言葉は存在しないですし誰もが思い描いたように夢が現実になるんです。夢に生きる人達によって夢の都は現実なんです。でも最近は現実の結界に度々何者かが干渉してきているんです。その人が何をしたいのかはなんとなくわかります。恐らく夢の核を狙ってるんでしょう。夢の核があれば全てを手に入れることが出来ます。だけどそんな事はさせたりはしたくない……夢に生きる人達にまだ自由を与え続けたい……でも私一人じゃどうすることも出来ません。だから!! ハルトさんとシノさんに助けてほしいんです!!!」
「……そういうことならいいんだけど。まだそいつが夢の都に来てるかわからないし現実世界で待ち伏せした方がよくないか?」
「それも考えたんですけど、でもやっぱりハルトさん達に夢を見せたかったですし何より夢の都で戦闘をした方が都合が良いんですよ!!」
「そうか。まぁ、わかった。俺もシノも出来るだけの事はするよ。な? シノ」
ハルトが横を向くとそこにはシノの姿がなかった。
焦ったハルトが周りを見渡すがどこにもシノの姿はない。
シノの姿がないことがわかってからすぐにハルトはシノが迷子になってしまったということに気付きラムネに探すようにお願いをする。
するとラムネは「わっかりましたぁ~!!」と言い来た道を走りながら戻り始めた。
一方ハルトはシノがもしかしたら何かに興味を持って店の中とかに入っているかもしれないと思い窓に近づき中を覗いたりしてみる。
しかしどの店の中にもシノはいなかった。
もっと遠くに行ったのではないかと考えたハルトはさらに道を歩いていく。
行き交う人混みの中をかき分けながらシノを見つけるために必死に辺りを見渡す。
だがシノらしき姿すら見つからなかった。
本当にどこに行ったんだよとハルトが思っていると少し前に三人の男に絡まれている金髪で頭に黒いリボンカチューシャをつけている女の子がいることに気づく。
その女の子の様子をしばらくハルトが見ていると絡んでいる男の一人が女の子の右腕を引っ張り上にあげる。
それを見たハルトは急いで女の子の元へ向かった。
ハルトは「手を出すのはやめておけ」となだめるように言いながら女の子の右腕を掴んでいる手を離させ
た。
「兄ちゃんが想像してるような悪いことをしようってわけじゃねぇんだ」
「と言うと?」
「この嬢ちゃんがな、いっつも俺んとこの店の商品を盗んでくからよ。これまでは捕まえる前に逃げられてたけどよ、今回はやっと捕まえられたんだ。だから兄ちゃん、悪いがどいてくれ」
ハルトはそう言われると一度女の子の方を見てから絡んでる男の方を見返す。
そしてハルトはその場からはどかず話し始める。
「見逃すのはダメなんですか?」
「そりゃあ盗人を見逃すのは流石に出来ねぇよ」
「この子にもきっと何かしらの事情があって盗む事を選んだかもしれません。だから一度話しを聞いてから考え直してもらえませんか?」
「……俺もそこまで鬼ではないからな。わかった。なんでこれまで盗んだのか言ってみろ」
すると女の子は隠していた食べ物を男に差し出した。
それを男が受け取ると女の子は最初は喋る事を拒んでいた。
しかしハルトが女の子の肩に優しく手で触れると少し息を吐いたあと顔をあげ鮮やかな青い瞳で一度ハルトを見つめたあと話し始めた。
「……お父さんとお母さんはこの夢の都に来る前に殺されちゃって。それで私は一人で生きてかないといけなくなってでも何か才能があるわけでもないし……。でも生きてくためにはどうにかしないといけないと思ってちょうどおじさんのお店があって盗んでしまいました……」
「…………」
女の子が全てを話し終えると絡んでいた男三人は号泣していた。
ハルトは思わず微笑んでしまった。
四人の様子を見ていた女の子は一体なぜ泣いていて一体なぜ笑っているのかわからずポカンっとしていた。
「おめーちょっとここで待っとけ」
男はそう言ってどこかに歩いていった。
どこか行った男はそれほど時間がかからずに戻ってきた。
戻ってきた男は何かがぎっしり詰まった袋を手に持っていた。
「おめー今までよく頑張ってきたな。ほれ、これやるよ」
「……え?」
「俺もちっさい頃はよぉ、盗んでは母親とか店主によく怒られたもんだよ。でもそん時の俺はただの好奇心でやってたんだけどな! アハハ!! ……しっかり生きろよ」
「……あ、ありがとうございます!!」
「んじゃあ、兄ちゃん、なんか迷惑かけちまって悪かったな。俺達は仕事に戻るとするよ。じゃあな!!」
三人の男は一緒に店へと戻っていた。
そしてその場にはハルトとその女の子だけが残っていたのだがハルトは問題が解決したのでシノ探しの続きを始める為に再び歩き出した。
しかしその時ハルトのコートが引っ張られる。
振り返るとそこには女の子がいた。
「どうしたんだ?」
「あ、あの助けてくださりありがとうございます。そ、それでお礼がしたいんですけど……何かありますか?」
「お礼か……そうだなぁ」
不純的な気持ちや金銭を要求するという気はハルトには一切なく真剣に考える中で一つの結論にたどり着いた。
それは夢の都【レアルタ】を案内してもらうということである。
案内してもらうことで【レアルタ】についてもより知る事ができるうえに歩き回るのでよりシノを見つけることが出来る機会が増える。
ハルトは早速案内してほしいと言うことを伝えると女の子はそれを快く了承してくれた。
そしてハルトは女の子に【レアルタ】を案内してもらうために歩き出した。
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人があちこちに行き交う真ん中に一つの噴水がありそこの近くに周りをキョロキョロしたあと停止する不自然な行動を取っている銀髪の少女がいた。
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