プルートーの胤裔

ゆさひろみ

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不破一族の証

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「晦冥会の最高権力者の、孫⁉」
 わたくしの左足は、自然と前へ出ていた。
「そうです。宗村さんが、晦冥会についてどれだけご存じか知りませんが、晦冥会の不破昂佑と言えば、総理大臣と私邸で会食をする程の有名人です。
 一時はノーベル平和賞候補に挙がっていると、海外メディアで報道された程で、その大きな特徴を、家族を俗として否定するのではなく、家族関係を保持したままの信仰が聖化されるストーリーを、一般的に世に広めた統主として、その功績が海外で注目されたとか。その結果、全国に二〇万人もの信者がいると言われる晦冥会を、大臣を有するほどの宗教団体まで成長させた重鎮、それがあたしの祖父に当たります」
 言われてみれば、あずさと出会った当初から、彼女には鋭い洞察力を感じた。それはつまり、あずさは我々の知らない世界を既に承知していて、しかしそれを彼女は、自分の特別な身分を隠す目的で、敢えてその世界に対して知らぬ素振りを見せていた。それが故に、その態度そのものが鋭い洞察力として、わたくしの目に映ったのかも知れない。
「だけど残念ながらあたし、晦冥会の統主の正当な継承者とはいきません。
 実を言うと、祖父の前妻である白鳥明日香が、あたしの祖母に当たります。前妻と言うのですから、不破昂佑を中心に見た系譜で言えば、あたしは姻族関係から外れ、正当な継承者とはなりません」
『不破昂佑は紀瑛総連の統主、上月加世は月宗冥正会の教祖、二人は婚姻の契りを結ぶ事で、晦冥会という膨大な組織に発展しました』
 今朝の美咲の話が頭の中で重なって聞こえた。
「君の祖父母は、新宗教の誕生の為に、離縁していたのか」
「そうです。祖父昂佑は、月宗冥正会の開祖である上月加世と、婚姻の契りを結ぶ為に、祖母とは名目上の離縁をしています。そして、祖父と上月加世の間には、一親等となる跡取りがいますので、祖父を中心に見た不破家の系譜では、長男の不破巽が、正式な継承者となります」
 わたくしの頭の中に、不破一族の親族表が浮かびかけた。
「なるほど。君の言っている意味が、少しずつ見えて来た気がする。君は、不破昂佑の前妻の子孫なんだ。不破昂佑が、今の上月加世と婚姻する前の奥さんの子孫」
「そうです。あたしの祖父母、不破昂佑と白鳥明日香が活躍した、紀瑛総連時代の幕が下り、晦冥会という新しい宗教団体が誕生した頃より、あたしは不破一族とは縁が薄れ、宗教の世界から遠ざかって行きました。紀瑛総連なんて言葉すらすっかり忘れてしまうほど、あたしは自由気ままな身分として、スキー場で遊んで暮らしていたんです」
 あずさは厨房の窓に顔を近づけて、ニットの袖口で曇りを拭った。
「でも、つい最近になって、晦冥会の幹部の人たちがあたしの家へやって来るようになったんです。黒スーツを着たその人たちは、実は紀瑛総連時代には、幼いあたしと一緒に遊んだ事があるとも言っていましたから、あたしとは親戚のような懐かしさを感じているようでした。父も何かを承知しているような顔をして、幹部の人たちと昔話に花が咲いていました。そして話がいよいよ本題に入ると、部屋のカーテンが全て閉て切られ、幹部の人たちは辺りを警戒するような物々しい顔つきになって、こう言ったんです。
『あずさ様には、晦冥会の統主としての継承権があります』
 祖父は、上月加世と婚姻の契りを結んではいますが、その実近年では、妻とは満足に顔を合わせない日々が続いている、祖父は今でも、あたしの実の祖母である白鳥明日香を、大変温かく迎えていると、こう言うのです。そして、彼らは口ぐちに、紀瑛総連と月宗冥正会が合併したのは早計だった、上月加世という妖しい魔術師を見誤ったのだと、不本意な表情を浮かべていました。
 それもあってか、晦冥会、特に旧紀瑛総連の人たちの多くは、統主にふさわしい継承者は、紀瑛総連を長きにわたって支え続けた白鳥明日香の、その直系血族にあると、関西地方の幹部会で叫ばれるようになってきたと言います」
 わたくしはコールドテーブルにお尻を付けて、大きく腕を組んだ。
「君は白鳥明日香の孫、なんだよね? 彼女の子供は?」
「あたしの祖母白鳥明日香には、米元春香という一人娘がいました。その人があたしの実の母に当たりますが、その一人娘は残念な事に、あたしを出産した予後を悪くして、十八歳という若さで亡くなっています。ですから、米元春香の一人娘である米元あずさ、つまりこのあたしが、晦冥会の正当な統主となるべきだと、こう旧紀瑛総連の幹部たちは、理事長に詰め寄って進言していると言うのです。最も大胆な意見を述べる人の中には、不破昂佑は即刻上月加世と離縁をして、再び白鳥明日香と復縁を果たし、紀瑛総連を復活させるべきだ、こう息巻いているらしいのです」
 あずさの白い顔に、窓の雪影が動いていた。
『当時のわたしが偶然にも、禁断の世界に足を踏み入れてしまった恐ろしい派閥争い』
 支部施設の秘密の部屋で、美咲が幹部たちから拘束された時の話、そこで彼女が感じた晦冥会内の派閥争い、それと今のあずさの話は、どこか関係があるのだろうか。ひょっとしたら、紀瑛総連の復活を目論む影の集団が、スパイ活動をしていた美咲を、偶然にも拘束してしまったのだろうか。
「何だか複雑な事情はあるようだけど、もしもそんな大胆な意見の通りになれば、君は晦冥会、と言うか紀瑛総連のプリンセスになるんじゃないか?」
 先程までどうとも思っていなかったあずさが、今ではまるで別人が目の前に立っているように感じられた。
「少しはあたしのこと、見直してもらえましたか?」
 あずさは窓から顔を離して、下からこちらを覗き込むようなポーズで、ぎこちなく微笑んだ。
「見直すと言うよりかは、こんな奇想天外な話、すぐには信じられないな。岸本は、今のこの話を」
「オーナーはあたしの事をただのバイトとしか思っていません。多分ここにいる誰もが、あたしの素性を全く知らないと思います。高田さんだって、あたしが晦冥会の統主の末裔である事を知らなかったと思います。恐らく知っているのは、オーナーの奥さんの鈴子さんくらいでしょうか。鈴子さんって、なぜか晦冥会は紀瑛総連の古い歴史をよく御存じでしたから」
 岸本の嫁が紀瑛総連を?
『恥かしい話だが、ここ(ペンション)は結婚前に嫁が建てたんだ』
『嫁の祖母が(建築費を)出したんだと。詳しい事は俺にも分からない』
 このペンションを建てたと言う岸本の嫁の祖母、それは紀瑛総連という宗教と何か関係があるのだろうか。
 あずさは前髪を手ぐしで梳いた後、ふるふるっと前髪を振って、
「でも、紀瑛総連の復活なんて、やっぱり夢物語に過ぎません。だって現実には、晦冥会の統主の座は、祖父と上月加世の息子である、不破巽へと継承されましたから」
「確か美咲もそのような事を言っていたな」
 わたくしはガスレンジのトップバーナのざらつきを指で触った。
「別にあたしは今さらどっちでも良いんです。晦冥会がどうなろうと、紀瑛総連がどうなろうとあたしには。
 そうなんです。不破巽。彼が晦冥会の統主としてふさわしい人物だったら、きっと話はそれで終わっていたんです。あたしも、このまま一般人として、自由気ままに生きて行けたと思います」
 窓明りに逆光になったまま、あずさは四秒黙った。
「まずかったんだよね、その巽って男」
「そう、なんです。不破巽という男、これが非常に厄介な人物だそうで、晦冥会という国政をも動かす影響力と、莫大な資金源に物を言わせて、まあ好き勝手に暗躍しているそうなんです。指定暴力団の総本部に顔を出しては、組長と酒を汲み交わしたり、自分が手なずけた幹部たちと、数週間まったく姿をくらませたりと、今や公安委員会からも目をつけられているとか。とにかく悪い噂しか耳に入って来ません」
「長者未代続かずってやつか。それもあって、旧紀瑛総連の連中は、不破昂佑の前妻、白鳥明日香の末裔である君を、新たに統主にしたがっているというわけだな」
「そのようです」
 わたくしは大きく頭を掻いた。
「しかしさあ、君の今の話さあ、晦冥会の不穏な動きや不破家の系譜なんか、まさに真実味があって説得力もあるんだけど、何て言うか、今いち確証に欠けると言うか。あまりに突飛な話だもんで、どうも俺はすぐには信じきれない所があるんだ。この事を誰かに確かめようにも、ここには裏を取れる人物はいないわけだしさあ」
 あずさは肩で息を入れてから、大きく胸を突き出して、首の後ろに両手を回した。
「宗村さんは、やっぱり大人ですね。あたしがこれだけ言っても、証拠がなければ信じないって、言うんですね?」
 あずさはロケットペンダントのフックを外して、黄金のチェーンを右手に握ると、月の紋章の掘られた純金のペンダントを、わたくしの目の前へ突き出した。
「宗村さん、このペンダントは、晦冥会の統主の一族のみが所有できる、不破家の紋章の入った家宝です。不破、上月一族の末裔である事を証明する唯一無二の証です。これさえあれば、晦冥会総本部の不破昂佑の部屋まで、丁重に案内されます」
 わたくしは、水を掬うような形で両手の平を合わせて、彼女からロケットペンダントを受け取った。ずしっと来る純金の重い感触があった。ベースの金属部分に地模様を彫って、半透明のエナメルを施したギロッシュ・エナメルの中央に、月長石が埋め込まれ、内部の二種の長石が、その境目で回折・干渉作用で青い閃光を放っていた。
「中を開けてみて下さい」
 あずさとペンダントを交互に見てから、わたくしはチャームが開閉式になっているロケットを開けた。中には不破昂佑と思われる老人のエマーユが入っていた。
「これでも宗村さんは、あたしの話がウソだと言いますか?」
 わたくしは震える手を使って、あずさに不破一族の家宝を返却した。
「いや、これは、驚いた。これは純金だ。一体これだけの物が現在の金価格でどれだけの金額になるのか、想像しただけでも恐ろしい。分かった、君の話は、どうやら本当みたいだ」
 あずさは再び胸を前へ突き出して、首の後ろでペンダントのフックを留めた。
「しかし、しかしだ。君が不破家の一族だと言う話は理解できたが、それと、俺が君を抱きしめなければならない理由が、今いちはっきりとしない」
 わたくしが頬を掻いた右手には、純金の重い感触がまだ残っていた。
「晦冥会の暗殺者であるバイフー、彼女は江口サダユキ暗殺の次に、椎名美咲さんの命を狙っている、それはとても大変な事態です。これを聞いた宗村さんは、今すぐに美咲さんをどこか安全な場所へ避難させなければなりません。ボスポラス海峡を超えて、西ヨーロッパへでも行けば、ひょっとしたらバイフーを振り切れるかも知れません。
 でも、あたしの頭には高田さんの一件が残っています。高田さんはバイフーの恐ろしさに警察に縋り付いた。そして、現在あたしたちが考えられる最も安全な行政機関、警察署内に保護されていながら、今朝彼女はあっさりと暗殺されてしまった。つまり、バイフーに命を狙われた美咲さんには、もうどこへ避難しようとも、逃げ場はないと思います」
『あたしがその気になれば、あたしが本気を出せば、晦冥会の暗殺者バイフーの動きを止められるからです』
 あずさの言葉が頭を掠めた。
「君は、君は俺に、取引を持ち掛けているのか?」
「違います! そんな言い方はしないで下さい。あたしは宗村さんの事が好きなんです。好きだから、こうしてあたしの全てを宗村さんにお話しているんです」
 あずさの伏し目に微かな潤みが浮かんだ。
「あたしにとっての美咲さんは、恋敵なんです。確かに美咲さんには以前色々とお世話になった過去もありますから、あたしとしても何とか助けてあげたい気持ちはあります。
 でも、美咲さんはあたしから宗村さんを奪い去って行く女性なんです。つまり、あたしは美咲さんに対して一肌脱げない気持ち、このあたしの心の葛藤は、宗村さんにも理解してもらえますよね?」
「理解できるようなできないような」
「もう、じれったい! あたしが言いたいのは、宗村さんがあたしの事を抱きしめて、あたしが美咲さんの為に一肌脱げないもやもやした気持ちを、少しでも和らげてもらえれば、あたしは美咲さんの為に、一つがんばってみようと言っているんです!」
 興奮するあずさの胸元には、不破一族の証が輝きを放っていた。
 確かにあずさの言っている事は理解できる。未だに謎が残る江口サダユキの変死、警察署に保護されながらの高田の暗殺は、バイフーの暗殺術の恐ろしさを如実に物語っている。そのバイフーに命を狙われた美咲は、例えアメリカ海軍の原子力潜水艦に保護されても、彼女の命の保証はどこにもない。
『もしも晦冥会から脱走をすれば、恐ろしいバイフーが放たれ、地の果てまで追いかけて脱走者を殺すと噂が流れていたそうです。現にその密告した男はどうなったと思います?』
『相手は無類の殺し屋だ。君みたいなずぶの素人など、ひとたまりもないからな』
 敷島が注意した言葉が、重く頭に圧し掛かる。一たびバイフーに命を狙われた美咲を助ける方法は、現時点では一つしかないようにわたくしには思われた。
「君は、不破昂佑の子孫である君は、本当に美咲を救えるのか?」
「全力を尽くします」
 あずさは真剣に頷いた。
 わたくしはあずさを抱きしめる事を想像して体のうずきを意識した。
『わたし、もう少し宗村さんの事を信じてみたいと思います。わたしの人生は人に裏切られる事の連続でしたので、多少他の人より疑い深くなっているようです。宗村さん? 信じても、大丈夫なんですよね?』
 わたくしは美咲には死んで欲しくはない。当然ながらそう思う一人だった。美咲に事情を話して、彼女と共にどこか安全な場所へ逃れたとしても、いずれバイフーの追跡に追いつかれて、あっさりと彼女が暗殺される事は、容易に想像が出来た。それよりも、この場だけ少し我慢をして、あずさを抱きしめてしまえば、バイフーの毒牙は美咲へ向かわなくなる。あずさとキスをするのではないのだし、美咲の命を救う為にそうした事なのだし、後日しっかりと美咲に説明をすれば、きっと彼女だって納得をしてくれるはずだ。
「本当に、美咲の命を救ってくれるんだな?」
「宗村さんの行動次第です」
 わたくしはあずさの両肩に手の平を置いた。
「分かった。君の言う通りにする。だが、こんな取引のような行為に、君は果たして満足をするのか?」
「満足はしません。ただ、宗村さんがあたしを抱きしめてくれたという事実が、これから初めて不破一族の一員として晦冥会の中で動き出すあたしの勇気やモチベーションへと変わるんです、わっ!」
 わたくしはあずさの肩を自分の胸に引き寄せた。あずさは見た目よりもさらに体が小さく、まるで思春期の少女を抱いたのと変わらなかった。それとは対照的に、ラグジュアリーな甘い香水の匂いが、わたくしの腕の中から溢れて来た。さらさらと手の甲を滑るあずさの長い髪の毛。あるかなきかの彼女の胸の密着する感触。相手の胸に顔を埋めたあずさは、次第に全身の力が抜け落ちた後、わたくしの背中に腕を回した。わたくしの顎の下にある彼女の左耳の付け根に、小さなほくろが二つ並んでいるのが目に付いた。娘ざかりのあずさを受けとめたわたくしの男心は、理性に基づいたエシックスの大きく激しい眩暈を引き起こした。
 これでもう十分だろうという頃合いになって、わたくしはあずさの頭髪から顔を上げた。とその時、わたくしの目はゆっくりと大きく見開かれた。
 それは、誰もいないとばかり思っていた厨房の入口に、携帯電話を右手にした美咲の姿が見えたからだった。
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